仙台から山形まで、笹谷峠を越えて自転車で走行したので、その解説です。
目次
仙台から山形まで自転車で行く(概要)
宮城県民にとって、山形県はお隣の県です。
山形県の県庁所在地・山形市は仙山線で1本で行けますし、高速バスなどでも結ばれているので、仙台市との間では越境通勤・通学でも可能なくらいの距離感です。
幾つか道はありますが、距離でみても100km未満です。
しかし、自転車で行くとなると話は別です。間に、日本の背骨のような「奥羽山脈」がそびえるからです。
このため、どのルートで走っても獲得標高1,000mは超えることになり、ロードバイクでない方や、ロードバイクでも登坂が苦手な方にとってはかなり辛い行程になるはずです。
幾つかあるルートのうちのひとつが、今回紹介する「笹谷峠」越えです。
なお、この他には別記事で紹介している二口峠越えなどもあります。
実際に仙台から山形まで行く際は、各ルートを比較していただいて、どの道で行かれるか決めていただければと思います。
仙台から山形まで自転車で行く①笹谷峠までのアクセス
大まかには、釜房湖を目指すように走っていればたどり着けます。
仙台駅を起点に考えれば、先ずは駅西口前から南下。
愛宕橋を渡って、宮沢橋のT字交差点で右折します。そこからはひたすら286号線を直進あるのみです。
二口街道への分岐を過ぎたあたりから1車線になり、所により道幅も狭くなります。
大型車の通行もそれなりにあるので、多少気を遣う道ではあります。とはいえ、走りにくいというほどではありません。
宮城川崎ICを過ぎると、多くの車が山形自動車道に乗るため、交通量が減って快適な道になります。さらに進むと、笹谷ICが現れ、大概の車は山形自動車道へと入ってゆきます。
笹谷ICへの分岐、そこからが笹谷峠の始まりです。
仙台から山形まで自転車で行く②笹谷峠(序盤)
コースプロフィールを最初に書くと、7.5km、獲得標高367m、平均勾配4.9%です(ストラバより)。
最序盤は高速道路との並走です。開けているのもあってそれほどの勾配に見えませんが、じわじわと登ってはいます。
序盤は比較的元気なのもあり、突っ込んでしまいがちだと思いますが、やりすぎないのが肝要です。
なお、今回が初来訪の筆者、ここでろくにサイコンを見ずに突っ込みすぎ、後半見事に失速しました。笑
2km弱で高速道路との並走を離れて、本格的な峠道になります。
仙台から山形まで自転車で行く③笹谷峠(中盤)
中盤になると、6%程度の勾配をメインに、つづら折れの内側では瞬間的に10%程度になるような、峠らしい峠になります。
とはいえ28Tを使う場面は極わずかな程度の勾配であり、上手く勢いを活かして登っていければ失速するような事はありません。
なお、路面は序盤~終盤まで、山形県側も含めてこの手の旧道にしては珍しいほど綺麗です。カーブミラーもしっかり配置されており、死角も皆無ではありませんが、かなり少なく、安心して走れます。
仙台から山形へ自転車で行く④笹谷峠(終盤)
終盤は、僅かに登っているとはいえほぼ平地に感じられるような緩い勾配になります。ここまで一杯一杯で走っているとかなり辛くなっていると思いますが、ここがタイムの稼ぎどころだと思います。
鉄塔が見えてきて、何度かすれ違いのためのスペースが設けられた箇所を過ぎるとゲートが現れます。ここが県境であり、峠道のゴールになります。
仙台から山形へ自転車で行く⑤笹谷峠(山形側)
峠の頂上から数百m行くと、斎藤茂吉の歌碑があります。そして、そこからは山形市街を一望できます。
とても良い景色なので、峠から宮城県側に戻る場合であっても、ほんの少し足を伸ばして見に行くことをオススメします。
山形側は、コーナーひとつひとつに番号を振った看板が立てられています。小さくなってゆく番号を数えながら、下ってゆくことになります。
上述のとおり、路面は綺麗です。ただ、如何にもつづら折れらしいRのきついコーナーが多いので、対向車がいる時などは特にアンダーを出さないように注意しながら走る必要があります。
仙台から山形まで自転車で行く⑥笹谷峠以降~山形市
笹谷峠を抜けてから山形市までは、変わらず下り勾配です。
特に峠を抜けてすぐは路面が綺麗で道は開けている上、あっという間に規制速度まで立ち上がる程の急勾配のくだりなので、爽快感はかなりのものですが飛ばしすぎないように気をつけましょう。
山形市に着いたら、駅から輪行するも良いですし、10km弱でたどり着ける山寺を観光して余力があれば二口峠経由で帰るのも良いでしょう。
仙台から山形へ自転車で行く(総括)
笹谷峠越えによる仙台から山形への自転車での走行については、以上です。
個人的には、宮城から山形へ抜ける道でいちばん走りやすいのではないかと思います。ただ、電車が走っているルートから遠く離れるので、いざというときの輪行エスケープは望めません。メカトラブルに対する備えだけはしっかりと。
秋が近づき、自転車に乗りやすい季節になります。 山形へ向けてサイクリングに挑戦してみてください。