はじめに:岩木山ヒルクライムとは?
岩木山ヒルクライムは、青森県西部に所在する岩木山を舞台としたヒルクライムレースです。
岩木山は「津軽富士」とも形容される標高1625mの独立峰で、とても美しい山景が特徴です。
この岩木山を8合目まで登る津軽岩木スカイラインがレースの主な舞台ですが、普段は自動車専用道路となっている津軽岩木スカイラインを、1年でこの日だけ自転車で走行することができるという稀有な体験ができるレースです。
コースの特徴は、なんと言ってもつづら折れの数。麓から山頂まで、なんと69回のコーナーがあります。
コースプロフィールとしては、15km/獲得標高940m程度。しかし、序盤5kmは緩斜面~くだりも含むため、実質的にラスト10kmで獲得標高の大半を登ることになります。
ストラバのセグメントによると、後半の津軽岩木スカイライン区間は、9.19km/平均勾配8.7パーセントとされております。
レース前の筆者
昨年はGWにあまり走りこめず、仕事の上でも諸々の問題があってGW以降も全然走れませんでした。6位入賞した一昨年比で1.5kgくらい重く、身体も絞れていない状態で臨んで、一昨年比3分以上遅いタイムで惨敗しました。
今年はその教訓をもとに、仕事が比較的定時退勤しやすい状態にあるのもうまく活用して、週末の練習の質量とも増やすばかりではなく、GW以降は普段の朝練に加えて週2日程度2部練をするようにしました。
結果、5月下旬にはパワーデータとしては過去最強だった2020年をようやく超えるくらいの値を出せるようになり、期待が持てる状態に仕上がってきました。
ただ、全く情けないことですが、レース前週に睡眠を上手くとれませんでした。
日曜日に暑いなか無理にローラーを回した(上記のアルプ)ところだいぶ消耗してしまったようで、それを日曜夜に普段より長く寝ることで回復しようとしたところ、月曜夜は寝つけず。
このところ急激に暑くなったのもあると思いますが、月曜夜の睡眠の質が非常に悪化し、火曜夜は普段通り眠れたものの、朝夕ローラーを回した水曜夜はまた寝つけず。
その分を取り戻すかのように木曜夜と金曜夜で長寝したところ、レース前日の夜は全く眠りに入れませんでした。結局11時頃に何とか就寝しましたが、風の音で何度も起こされ、GARMINウォッチによると就寝時間は4時間程度、HRVステータスも普段は70台中盤のところ50ちょっと、RHRも普段は40くらいのところ44、ボディバッテリーは起床時で53と、割と壊滅した状態で当日朝を迎えました。
よく言われることですが、「就寝時間は極力一定に保つ」のが大事なんだろうなと、がたがたになってしまった今の状態を鑑みて感じます。そして、寝汗をかきやすい夏は薄着で寝るというのも…。
また、レース前日の夕方以降に食べ過ぎたのも、胃腸を活発化させて寝つきを悪くさせた原因だったのではないかと感じます。
前日朝がご飯1合強とヨーグルトとカット野菜、昼がおにぎり3個、どら焼きを間食に計3つ食べて夜はみたらし団子とおにぎり5個…という感じでしたが、喉が渇いて仕方なく、しかし飲むとお手洗いが近くなって目が覚めてしまうという繰り返しで全く寝つけませんでした。
筆者の場合、前日夕と当日朝に食べないとまったくパワーが出ないので、ある程度は食べないといけないのですが、食べ方はもうちょっと考えるべきだったかな…と感じるところです。
良かった点をいえば、お腹の調子はこれまでになく上手く整えられました。ヨーグルトを毎日摂取するのに加え、1週間前からマミーを毎日飲むようにし、普段は朝のみ飲んでいるビオフェルミンを朝夜にしました。
筆者は割と便秘傾向にあって、レース当日も苦しむことが多いのですが、ここまでやるとお通じはよくなるようです。
寝不足とはいえ温泉につかってコーヒーを飲むとそれなりに頭はしゃっきりとしてきて、天気は悪いものの荒天時中止アナウンスが予定されていた5時半を過ぎてもHPは更新されていない、さあ頑張るぞと思ったところで5時40分少し前にHPをリロードすると、大会中止のお知らせが。
レースは中止…
というわけで、荒天につき岩木山ヒルクライム2025は中止となりました。
運営の方が上げられていた、ゴール地点の状態の動画を見れば安全上リスクしかないと感じられる状況であり、筆者が宿泊していた下界の宿でも朝方にかけて窓枠が鳴るほどの風が吹いていたので、中止は適切な判断だったと思います。
雨では観光もできず、やることもないので、6時半すぎに宿を出て、雨のなか弘前まで走り、輪行して帰途へつきました。
なお、今回、機材はいつものSUPERSIXEVOですが、ホイールは決戦用のチューブラーではなく、普段使いのキシリウムを履いてきました。
雨天の予報ではあったので、そんな中をカーボンリム×23cで走りたくなかったのが大きいですが、帰り道で適切な判断であったことを強く実感しました。荒天時はやはりアルミリム+25C以上のクリンチャーだなと感じます。
あとがき
このレースに出る時は、今のところ毎年、岩木山神社の真正面にある「温泉旅館 中野」に宿泊しています。木造の、昔ながらの旅館という感じで、雰囲気がとてもよい宿です。
なんと言っても温泉がとても気持ちよく、レース中止になった今年であっても、この温泉に入れただけで来てよかったなと思えるような温泉です。
真正面の岩木山神社ですが、体力を無駄に浪費したくないなという思いから、過去2年は入口より先には立ち入っていませんでした。しかし、今年は立ち入ってみることに。
創建が1200年以上遡る岩木山神社は、日光東照宮を思わせることから奥日光などとも呼ばれる神社です。鳥居を仰ぎ見ると岩木山がその後ろに控える、美しい景観を楽しめます。
惣門は1628年建立とのことで、荘厳な雰囲気です。
さて、最後に岩木山ヒルクライムに話を戻して。
今年はこのように、走ることもできないという残念な結果に終わりましたが、冒頭に記載のとおり自動車専用道路を年で1日だけ走れるという点や、69もコーナーがある他にはない線形、そして晴天であれば素晴らしい絶景が望める満足度の高いイベントであるのは間違いない事実です。
あの絶景を求めて、また参加できたら、走れたらいいな……と思います。