スポーツ自転車で通勤通学に勤しむ方にとって、切っても切り離せないのが盗難の恐怖だと思います。
筆者もロードバイクで通勤しているため例外ではなく、不安を最大限取り払うために「ABUS Granit X-plus 540」を導入しています。暫くの間使ったので、今回はこの「ABUS Granit X-plus 540」をインプレしてみます。
目次
ABUS Granit X-plus 540①外観、お値段、セキュリティレベル
はじめに:ABUSとは?
ABUS(アブス)は、ドイツに拠点を置くメーカーです。
今回紹介する「Granit X-plus 540」はじめ鍵のイメージが強いメーカーですが、他にはヘルメットも製造しています。アルペシンや、モビスターに供給しています。
鍵については、チェーンロック、U字ロック、多関節ロックといった各種ロックを、低価格から高価格まで幅広く取り揃えています。
それぞれの鍵にはセキュリティレベルという数字が振られていて、その鍵がどの程度の防御力を持つのか客観的に把握することができるのも、ABUSならではです。
自転車量販店にも低価格なABUSの鍵は在庫されていることが多く、スポーツバイク初購入のお供にABUSの鍵を購入された方も多いのではないでしょうか。
言い換えれば、初心者の方が最初に鍵を選ぶとき、「ハズレがない」製品を選びたいならば、ABUSはおすすめです。
※後述しますが、高品質なABUSの鍵といえど破壊されないわけでは決してありません。使用する環境にあった鍵を選びましょう。
ABUS Graint X-plus 540①外観、お値段、セキュリティレベル
外観は、このとおりです。如何にも頑丈そうなU字部分と、分厚い施錠部分を持ちます。
(下がABUS、上はホームセンターで購入したよくあるU字ロック)
大きさがかなり大きく、比較してみるとわかりやすいと思います。
この大きさは施錠のしやすさにも資している部分があり、U字ロックながら地球ロックがかなりやりやすいです。
具体的には、駅駐輪場等でよくあるラック式の駐輪場でも、チェーンステイとラックを合せるような形で地球ロックが可能な場合が多いです。
お値段は、定価ベースだと税込25,080円という、これまた圧巻なものです。しかし、この鍵で十万円以上の自転車の損害を防止できると思えば、安い買い物だと思います。
ABUSが定めるセキュリティレベルは、トップの「15」です。ABUSの指針として、駅などで長時間駐輪する場合は「8」以上を勧めるとされていますが、それを遥かに上回る文句なしの「15」です。
ABUS Granit X-plus②重量、可搬性
重量は、カタログによれば1,500g。持った感じでも、かなりずっしりきます。
筆者は通勤時はリュックを背負って乗りますが、リュックも明らかに重くはなります。ただ、10km未満なので気になるかといえば気にはなりません。
慣れてしまえばそれが「普段どおりの重さ」になります。
とはいえ、これを持って20km、30km走る日々を毎日繰り返せと言われたら、ちょっと躊躇するところがあるのは事実です。
なお、リュックの中にこの鍵とおにぎりなどを入れて走ると、結構な確率でおにぎりが潰されて真っ平らになります。おにぎりは一例ですが、壊れやすいものと併せて運ぶときは多少注意が必要です。
この鍵には鍵を自転車のフレームにマウントできるアタッチメントが付属してきますが、筆者としては自転車にあまり余計なアタッチメントを付けるのが好きではないため、使っていません。
ですが、そのようなこだわりがない方であれば、アタッチメントを用いれば可搬性の面については大きく改善できるものと思います。
ABUS Granit X-plus540③使用感など
鍵をセットするとき、割と鈍い「ガシャン!」という重みのある音がします。感覚としては、デュラエースのリアシフトアップが脚に伝えてくるフィーリングに重みを載せたような、そんな感じです(わかりにくい)。
如何にもしっかりしているものが発する音で、安心感は非常に高いです。
U字ロックも安いものだと付け根部分が明らかに弱そうなものがあったりしますが、流石にこの「ABUS Granit X-plus540」にそんなことはなく、精度高く鍵が施錠されます。これを壊すのは相当難しいだろうなということが、施錠するだけで感じられます。
なお、メーカーのテストの様子がABUSの公式ページに掲載されていますが、それらを見ても手動工具で破壊することは極めて困難なようです。
電動工具相手では流石に勝てない場合もあるでしょうが、白昼堂々と電動工具を使うような泥棒がそうそういるとも思えませんので、大概の自転車窃盗は防止できると考えています。
さいごに:破壊されない鍵はない
今回紹介した「ABUS Granit X-plus540」は確かに堅牢な鍵であり、自転車盗難を防止してくれる頼もしい味方です。しかし、破壊されないかといえばそれは嘘になります。どんな鍵でも、相応の手段を取れば破壊されるのは事実です。
このため、ロードバイクを基本的には街乗りに使わないこと、街乗りに使う場合は万が一盗まれても替えがきく車体にすることが、鍵の選定以前に大事だと思います。
勿論本当は盗む側が悪いのですが、現実問題として窃盗は至るところで起きているからです。
完全ではないものの、限りなく完全に近い状態の防御を実現してくれる手段として、「ABUS Granit X-plus540」の採用をご検討いただければと思います。