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はじめに:筆者とパワーメーター…なぜアシオマを選んだ?…
筆者は、4年ほど前からパワーメーターを使用してトレーニングをしてきました。
導入当時のバイクはGIOS AEROLITEであり、JISスレッドBBにシマノクランクがついていたため、4iiiiのクランク型パワーメーターを導入しました。
しかしその後、レース用としてCANNONDALE SUPERSIXEVOを使うようになりました。EVOはBB30Aであり、SiSL2クランクがセットされていたため、4iiiiを付け替えることが出来ませんでした。
パワーメーターはトレーニングに有用なものであると認識していますが、レースでそれほどパワーを見るかといえば正直あまり見ないので、EVOをレースにのみ使う限りにおいてはそれほど問題に感じていなかったのですが、GIOSを前向きな理由により譲ることとなり、練習でもEVOを使用するようになりました。
(SiSL2クランク)
こうなるとEVOにパワーメーターが付いていないことが問題と感じられるようになったため、EVOにパワーメーターを導入することにしました。
導入に際し、SiSL2クランクを外すという選択肢はありませんでした。EVOのよさはシステムとしての軽量さであって、その軽量さにSiSL2クランクは大きく寄与していると考えているからです。シマノ互換BBに打ち替えてシマノクランクを使用することもできますが、100g単位で増量してしまいそうに思えたため、この選択肢は除外。
そうなると、手っ取り早い選択肢としてペダル型のパワーメーターが浮上。ペダル型でメジャーなところとしては購入したアシオマの外、ガーミンやスピードプレイなどもありますが、価格から一番手頃なアシオマを選択しました。
ファべロ・アシオマ①スペック
ファベロ・アシオマには片足計測タイプと両足計測タイプの2種類がありますが、筆者は(「他者と比較した厳密な値」が欲しいわけではなく、自身のトレーニングにおいて定量的な評価が可能であればそれで充分であるうえ、恐らく片足分パワーメーターが無い分軽いはずであるため)前者を購入しました。
前者は6万円台、後者は10万円台です。この価格は、他のペダル型パワーメーターに比して、大変安いといえます。
筆者のようなヒルクライマーにとっていちばん気になる重量は、両足計測タイプで303gです。センサーなしのペダルだと130g程度とされているので、片足計測タイプだと280gくらいかと思われます(実測していません…。)。
シマノのPD-R9100(所謂デュラペダル)が228gなので、パワーメーターのないハイエンドのペダルと比して、50-70gくらい重くなる計算です。筆者としては、許容範囲だと考えています。
パワー計測精度は+-1%。ケイデンス10-190、出力は2,000wまで計測可能です。
クリートは、ファベロが出しているクリートの外、ルックKEO互換です。シマノペダルをお使いの方向けの、軸のみ販売(ペダルボディを装着して使用)の製品もあります。
保護等級は、IP67。ハードユースにも耐えうる防水防塵性が確保されています。
ファベロ・アシオマ②使用感(よいところ)
さて、使用感です。まずは、よいところから。
充電持ちがよい
充電は、コンセントからコードで給電する形式です。公称50時間稼働とされていますが概ねそのとおりのようで、平日1時間/日、休日3時間/日程度のライドしかしない筆者の場合、1ヶ月程度持っていると思います。少なくとも、最後に充電したのがいつかを覚えていないくらいには長持ちです。
計測は安定
計測は極めて安定していると感じます。4iiiiのクランク型と比して、平均PWは概ね同程度、最大PWは少々低めに出る(4iiiiだとスプリントをした際に1,000wを超えますが、アシオマだと900w程度…4iiiiを使用していた2年前比で筆者が弱体化した説は無いものと思いたい…)ように感じます。ハズレ値のような値が出たり、計測が途切れたりすることはなく、計測は極めて安定しています。
なお、防水防塵についてもカタログスペックどおり充分確保されているようで、道路に池ができるほどの土砂降りのなかで走っても、別段機能に問題はありませんでした(限界はあると思いますので、過信は禁物ですが…。)。
ペダルとして必要十分な性能
軸はよく回り、デュラペダル等に比して重いとはいえ重すぎることはなく、踏面は広く力が逃げている感覚はあまりない(デュラペダルよりは柔らかいようには思われますが…)ため、ペダルとして必要十分な性能を持つと感じています。
なお、上記のとおり、クリートはLOOK KEO互換です。筆者は長らくシマノSPD-SLを使用しており、LOOKクリートはこのペダルを導入時にはじめて使いはじめましたが、別段違和感なく使用できます。
元々シマノペダルがLOOKのパテントから始まったという出自を考えれば当然と言えば当然ではありますが、構造は似通っており、これまでシマノペダルを使ってきた方でも、さして問題なく移行できるかと思います。
どうしてもシマノクリートを使い続けたい場合であれば、軸のみモデルを購入してシマノペダルのペダルボディを付け替えする選択肢も用意されていますが、筆者としては別にシマノペダルに拘泥することもないと感じました。
ちなみに、筆者はシマノシューズにLOOKクリートを装着しています。シマノクリートもLOOKクリートも標準的な3穴タイプのロード用ビンディングシューズであれば装着可能であるため、シマノシューズをお使いの方もシューズを買い直す必要はありません。
ファベロ・アシオマ③使用感(イマイチなところ)
良いところだけではなく、イマイチなところも記載します。
スタックハイトの高さ
これは交換前が極限までスタックハイトを落としたシマノ・デュラエースペダルであるがゆえに感じてしまうことだと思われますが、どうしてもスタックハイトはデュラエースペダルと比しては高くなってしまいます。
しかし、これはデュラエースペダルが大変低いだけであって、アシオマが極端に高いということは無いのではないかと思われます。少なくとも、慣れの範疇で、一旦慣れてしまえば問題なく使える程度の違和感です。
地面にヒットさせてしまうことがある
シマノペダルよりもQファクターが長く、公式では54mm(デュラペダル比+2mm)とされています。
2mm差といえど人間は感知できるようで、ビンディングをはめる際に空振る(少し内側を踏んでしまう)ことは初期に多々ありましたが、慣れの範疇です。
走行自体にこの広さを問題として感じることは一旦慣れてしまえばありませんが、シチュエーションによっては、コーナリングに際し、曲がっている最中に不用意にペダリングを開始してしまうと、ペダルを地面にヒットしてしまうことがあります。
普通の平地のコーナリングであれば余程車体を倒さなければヒットすることはないのではないかとは思います。
筆者がペダルを地面にヒットしてしまったシチュエーションは、ヒルクライマーあるあるだと思うのですが、登坂インターバルで下まで降りてきて、麓でUターンして再度登り始める際でした。
イン側の地面が特に近くなるような、このようなシチュエーションにおいてはペダルを地面にヒットさせないよう、留意する必要があります。
ファべロ・アシオマ④まとめ
ファベロ・アシオマは比較的手の届きやすい価格であるのにもかかわらず、確実な性能を持つ、「安かろう悪かろう」ではないコストパフォーマンスに優れた製品です。
「イマイチなところ」に記載した2点も慣れの範疇で、一旦慣れてしまえば別段問題ないといえ、一旦慣れた筆者の現状においては、総じて不満点が見当たりません。
今後パワーメーターの導入をお考えの方、特にPFBBの非シマノクランクの車体で、クランク型のパワーメーターを導入できないような方に、おすすめできます。
本記事が検討の一助となれば幸いです。