目次
エリート・ヴォラーノの良い点④後付けでスマートトレーナー化出来る
はじめに:ローラーとは
ローラーとは、端的に言えば「自転車をその場で乗れるようにする器具」です。
道路に出ずとも良いため、家の中で自転車に乗ることが出来ます。
また、大会会場でのアップの際等にも使われることがあります。
ローラーのメリット
実走では風向や勾配、信号などで絶えず負荷が変動するのに対して、ローラーであれば外的要因少なくトレーニングできるため、質の高いトレーニングをしやすい点をメリットとして挙げられます。
また、交通事故のリスクがなく、落車リスクも3本ローラー以外は無いのもよい点です。
練習コースへの移動時間等なく即座にトレーニングできるため、短時間でトレーニングを済ませられるのも良い点として挙げられます。
ローラーのデメリット
ローラーのデメリットとしては、実走とは最適なペダリングが変わってくることを挙げられます。実走で進む踏み方とローラーで高いパワーを出すペダリングが微妙に異なることもあり、ローラーばかり使って実走を怠ると、実走で走れなくなることがあります。
また、危険予測や車体のバランスをとる能力など、自転車に乗る上で基本的な部分もローラーでは養えません。
この他、室内で使う場合、振動や騒音の問題もあります。折角ローラー台があっても、集合住宅等では思うようにトレーニングできないこともあります。
ローラーの種類
一概にローラーと言っても、仕組みによっていくつか種類があります。
まずは、それらを紹介します。
ローラーの種類①3本ローラー
最も古典的なタイプです。円筒状の部品の上にタイヤを載せる形式です。
メリットとしては車体が固定されないため、ペダリングの感覚が実走に近いと言われます。また、バランス感覚も養われます。
省スペースのため、持ち運びにも優れます。
デメリットとしては後発のタイプに比べて発する音が大きいことや、落車の危険があることを挙げられます。
ローラーの種類②固定ローラー(タイヤドライブ)
後輪を固定し、タイヤに摩擦を加えることで負荷を発生させるタイプです。
メリットとしては一般に3本ローラーより高負荷をかけられることが挙げられます。
また、後輪が完全に固定されているため落車の危険も基本的にありません。
デメリットとしては、タイヤと負荷装置の摩擦による騒音は避けられない事と、タイヤに負荷をかける仕組み上タイヤが早く摩耗していくことを挙げられます。
フレームを両側から挟み込む関係上、特にダンシング等を行って車体を左右に振るような乗り方をすると、エンド部へのダメージが懸念されるのもデメリットとして挙げられます。
車体が固定されていることから、ペダリングの感覚が実走と少し違ったものとなるのもデメリットのひとつと言えます。
ローラーの種類③固定ローラー(ダイレクトドライブ)
近年出てきた形式です。ローラー台にスプロケットが着いており、後輪を外してローラー台に装着する形式です。今回紹介するエリート・ヴォラーノもこの中に含まれます。
メリットとしては、タイヤドライブのローラーが持つメリットに加えて、タイヤとローラーの摩擦による音が構造上発生しえないことを挙げられます。このため、全くの静音では無いにせよ、比較的静かです。
デメリットとしては、タイヤドライブの固定ローラー同様にフレームを両側から挟み込む関係上、特にダンシング等を行って車体を左右に振るような乗り方をすると、エンド部へのダメージが懸念されることが挙げられます。
また、これもタイヤドライブの固定ローラー同様に車体が固定されていることから、ペダリングの感覚が実走と少し違ったものとなるのもデメリットのひとつと言えます。
エリート・ヴォラーノとは
エリート・ヴォラーノは、自転車器具メーカーのエリート(ELITE)が製造しているダイレクトドライブタイプのローラーです。
エリート社は、自転車の本場のひとつ・イタリアのメーカーです。このヴォラーノをはじめ、高品質な機材を数多くリリースしています。
ヴォラーノは、エリート社のダイレクトドライブローラーのラインナップの中ではエントリーモデルにあたります。エントリーモデルとは言っても、以下で説明するとおり、充分に高品質な機材です。
スペックを簡単にまとめると、以下の通りです。
・定価:56,000円(税抜)
・重量:約11kg
・最大負荷:800w
・MIZURO B+対応
エリート・ヴォラーノの良い点①安価
上記のとおり定価56,000円です。
ダイレクトドライブのローラーは比較的高価で、ハイエンドになると20万円近くにまで至ります。
エリート・ヴォラーノは市場で販売しているダイレクトドライブのローラーでは最安に近い製品のひとつです。
しかも、安かろう悪かろうではなく、ローラー台に求められる基本的な機能は必要十分に満たしてのこの値段です。
エリート・ヴォラーノの良い点②静か(ただし、振動は発生)
筆者はこのローラー以外を使用した事がありませんが、かなり静かです。200w位までであれば振動による低音を加味してもチェーンの方がうるさいくらいです。
250w-300wと負荷を上げていっても、ローラーそのものからの音はそれほど大きくありません。
ただ、200wあたりを境にある程度の低い振動音は発生するようになります。
振動は、洗濯機等と同程度ではないかと思います。特にインターバルトレーニング等を行い、300wを超えてくると、古い集合住宅だとちょっと避けたほうがいいかなという振動が発生します。
走行の大部分が200w程度で収まる方なら良いかと思いますが、200w台後半以上に頻繁に踏み入れるような走り方をする場合は、このローラーに限らないとは思いますが、購入したものの室内で使えない!ということにならないよう、よく環境を検討したほうがよいものとは思います。
なお、足を止めた時、少しだけフリーが空転します。この空転音はかなりけたたましいです。
とは言っても、ローラーで足を頻繁に止めるシチュエーションは考えにくいので、大きな問題ではないと考えています。
エリート・ヴォラーノの良い点③充分な負荷
負荷の立ち上がりは滑らかです。最大負荷は800w。
エリートのラインナップでも価格帯が上がると最大負荷が1000wを超えてきますが、スプリンター以外の大概の方は800wで十分だと思います。
パワーのイメージが湧かない人に対してものすごく大雑把に説明すると、FTP(1時間継続して出力出来るパワー)が体重比5倍あればアマチュアレーサーではかなりハイレベルな方に入ります。60kgの人なら(60×5=)300w、70kgの人でも350wです。
6倍(60kgの人で360w、70kgの人で420w)にもなれば、国内プロでも15分-20分程度の出力が一杯でしょう。
インターバルトレーニングを考えて、FTP200%の出力をトレーニングの過程で出すことを想定しても、大概の人の場合はお釣りが来ると思います。
瞬発的には誰しも体重比10倍以上を出せると思いますが、特にそういう練習をやりたいというのでなければ、最大負荷800wというのは十分すぎるものと考えています。
エリート・ヴォラーノの良い点④後付けでスマートトレーナー化出来る
MISURO B+という製品を後付けすることで、パワー・ケイデンス・仮想の速度を計測できます。
計測した値は、ANT+もしくはBluetoothによりサイクルコンピュータに飛ばせます。
また、近年流行のズイフトも、MISURO B+さえ導入すれば可能です。
MISURO B+は定価7,800円(税抜)。
使用法は簡単で、ボタン電池を入れて、ヴォラーノの場合は設定ボタンを14連打します。
そのうえで、ローラー台下部にある取り付け部分に挿入するだけです。
ただ、MISURO B+を導入しても、負荷自動調整機能はありません。Zwiftなどで画面上の勾配に合わせて負荷が変わったりはしないので、負荷自動調整機能がある高級なローラーに比べ、その点では没入感に劣ります。
おわりに
如何でしょうか。コロナ禍で外でのトレーニングに気が引ける方もおられることと思いますし、仕事が繁忙なサラリーマンの方もおられることと思います。
そのような方々に、室内で、短時間で質の高いトレーニングが出来るローラー台はオススメです。近年流行りのズイフトを併せて導入すれば、実走とはまた違った楽しみ方も可能です。
是非とも、導入をご検討いただければと思います。