目次
八幡平ヒルクライム2023①はじめに
八幡平ヒルクライムは、岩手県は八幡平市の「八幡平アスピーテライン」を舞台とするヒルクライムレースです。
筆者が5月に出走した「おおつち新山ヒルクライム」、(今年は開催がなくHPも消えてしまっていますが)「北上夏油ヒルクライム」とあわせて、「イーハトーブヒルクライムシリーズ」を構成するヒルクライムレースのひとつです。
コーススペックは19.1km、獲得標高1134m、平均5.7%というものです。登り一辺倒ではなく、比較的急勾配の序盤の後には下りが時折入るようなコースで、登りだけでの勝負ではない難しさがあります。
八幡平ヒルクライム2023②筆者のレース前
食事
前々日までは普通の食事。火曜夜と木曜朝には残業疲れからラーメンを食べたりしてしまっていました。ここ最近節制が行き届かなくて、岩木山の時より1kgくらい増えてしまっています(62kgくらい)。
前日の土曜にはおにぎりをメインに3000kcal強。
先日のやいた八方ヶ原ヒルクライムでは、当日の朝レース5時間前に600kcal程度のおにぎりを食べて臨みましたが、レース開始時点で既に空腹でした。
反省として当日朝の摂取カロリーを800kcalとし、レース開始の4時間半前、朝3時から食べました。
それでもレース開始時点で少しばかり空腹感がありましたが今回は問題なく走れたため、これで良かったのかなと思います。
調整
筆者の職場は夏季が繁忙期で、さらに筆者は暑いのが苦手なのもあり、7月~8月にかけては全然練習を積めていません。
TSSベースで6月までは1日あたり平均90台でしたが、7月からだんだん低下しており、8月は70台まで落ちています。
直前の週末もろくな練習は積めず、月火は幸い早く帰れたのでここで2部練。
疲れが残るかなと思いましたが練習していないのに疲労回復も何も無いだろうと考え、しっかり練習しました。
結果的には、練習不足だった身体にこれが良い刺激になったようです。
金曜日は仕事をお休みしてしっかり休み、土曜日も家から仙台駅までと、好摩駅からスタート地点に近い宿「ペンション日の出」さんまでの自走のみ。
睡眠
金曜夜に全然眠れず、その反動として前日夜はぐっすり眠れました。宿に着いて夕方5時くらいからうたた寝し、9時くらいからは熟睡して目覚ましで3時起床。
ぎっくり腰
仙台駅で輪行準備していたときのこと、前かがみになったその時、いきなり腰にバキッと痛みが走りました。典型的なぎっくり腰です。
ぎっくり腰は重度だと動けなくなることもあるようですが、筆者の場合はそこまでではありませんでした。
しかし、前かがみになると痛みが走るような具合で、輪行準備が終わった後にサイクルウェアの上から短パンを履こうとした時、立ったままではとても履けませんでした。
座っても腰を折ると痛むため、四苦八苦しながら履くような状態。
こんな状態になってしまったので棄権まで考えましたが、宿も新幹線も取った後だったため、とりあえず行ってみて駄目なら麓で応援して、観光して帰ってこよう…ということにして新幹線に乗り込みました。
好摩の駅に着いて輪行解除して恐る恐る走り出してみると、下ハンドルを持つとちょっと痛いものの、ブラケットポジションならまあ違和感がちょっとある程度で許容範囲かな…というくらいの感じだったため、そのまま会場に向かいました。
移動・宿泊など
上述の通りですが、前日は好摩駅から20kmほど自走しました。
昨年は大更駅という、7kmほど会場に近い駅まで輪行して駅チカのホテルに泊まったのですが、今年は電車の時間の関係(好摩から大更方面に向かう電車が3時間に1本ほどしかなく、待つとチェックインの時間を大幅に超過してしまう)があり、好摩から自走しました。
前日自走は疲れますし、暑い中でもあるため面倒だなあという後ろ向きな気分で走り出しましたが、少し走るとそこは田園風景、日本の原風景という言葉がこれほど相応しい景色もないような美しい景観でした。
前を見ると雄大な岩手山、後ろを振り返ると入道雲を背にいちめんの緑がひろがるような景色で、本当にいい所だなあと思いながら楽しんで走っていました。レースではなくとも、この景色だけで来る価値があるところだなと思えたほどです。
宿泊は前述の通り「ペンション日の出」さんにて。硫黄の香りが立ち込める温泉は少しぬるめで、1人ずつ鍵をかけて入る方式のため他の方の目を気にすることも無くゆっくり楽しめました。
ちょっとしたハプニングもありましたが、ゆっくりと過ごしてレースに備えることが出来ました。
八幡平ヒルクライム2023③筆者のレース
スタートまで
アップは会場付近で30分、10kmほど。
アップを終えて、知り合いの30代の方とお話しながら会場に戻ると、既に年代ごと列を作ったあとでした。後ろの方に並んで開会式を過ごし、スタートへ年代ごと移動。
移動の際に一旦列を離れてお手洗いに行ったので、年代別の最後尾に並んでスタートを待っていました。
しかし、年代別の前の方に並んでいた知り合いの方にお声がけいただいたのを機に、前の方に入らせていただきました。
後から来て自分から前の方に割り込むのもなあと思っていたので、お声がけいただいてありがたかったです。
そんなこんなで知り合いの方、そして初めましての方とも談笑しながら、前の方のカテゴリのスタートを見てスタートを待ちました。
スタート〜序盤
前述のとおりブラフでも何でもなくぎっくり腰のせいで腰が痛く、はっきり言って勝負になるとは全く思っていなかったので積極的なレースをするモチベーションは全くありませんでした。
ただ、やいた八方ヶ原ヒルクライムで着に絡めないと分かった後に戦意喪失してしまってグダグダな走りをしてしまったのはあまり後味が良くなかったので、今回は駄目なら駄目なりにやるだけやろうとは思ってはいました。
スタート直後は一人の選手がダンシングで飛び出していった他は、平和な始まりでした。
前半は知り合いの、前に来るようにお声がけいただいた方と、もう一人の最終的に年代別1位になった方に主に前を引いていただいていた印象です。
昨年は自分がかなり積極的に前を引いたのですが、それで前半のうちに潰れた教訓と、前述のとおりそもそも腰が痛むような調子で無理したら早々に終わるだろうなというのもあって、積極的に前には出ず。
ペースは昨年比ではかなり平和で、ダンシングで最初に飛び出していった方も早々に吸収し、10人弱の集団で息が上がることもなく15分くらいが過ぎました。
途中、一人の方が飛び出しました。それほど強烈なアタックというわけではなくローテを回してペースをあげようという意味だったのか、自分が前に出て追いついたときにローテを回そうというジェスチャーをいただいたので、ここではじめて前に。そのまましばらく引きました。
そんなこんなで昨年と違い、序盤はとても平和に過ぎました。
昨年はアイウェアの暗さに少し怖い思いをしましたが、調光レンズに変えた今年はそんなこともなく、序盤に続くスノーシェードも安心して走ることができました。
中盤
8kmのビギナーコースのゴール前に一箇所、かなり速度が乗るくだりとその後に強烈な登り返しがあります。今年もセレクションがかかったのはここでした。
昨年はここでウェット路面に怖さを感じて置いていかれましたが、今年は置いていかれることもなく。
登り返しで2人が前に行って、これを逃してはいけないなと思い、ここではじめてダンシングして詰めました。ここで多分5人位まで減っていたはず。
そのまま前に出て、最終的に年代別一位になった方と並んで前を引くかたちでスノーシェードを抜け、ビギナーコースのゴールへ。
ゴール脇の給水を抜け、少しして振り返ると最終的に年代別一位になった方と自分以外との間には多少距離が開いていました。アタックしたつもりはなく淡々と踏んでいたのですが、ここからは二人旅に。
相変わらずそれほど息は上がっていなくて、笑いながら喋って走れる程度。もう一人の彼もそれほど辛そうではなくて、ここからだなと思いながら淡々と走ります。
後ろを振り返った自分に、どれくらい離れていますかと訊かれたため、結構離れていますと回答。
以降二人で並走したり、ときにどちらかが前に出たりしながら淡々と走りました。
他の年代の方を抜いた瞬間、その方の携帯電話からまさかの緊急速報が鳴り響きびっくりするようなハプニングも。
一瞬二人で脚を止めかけましたが地震でもなさそうなので引き続き踏み続け、直後に訓練と判明。苦笑しながら登っていました。
終盤
中盤までかなり楽だったのですが、後半に差し掛かるに連れ一気に腰も呼吸もつらくなりました。
長時間にわたり高出力を出し続けるような練習を暑い8月にそれほど積めていないのが響いたのかなと思います。
淡々と走っていましたがどうもペースが緩んでいたようで、並走していた彼から後ろが追いついてきている旨、教えていただきました。
逃げましょう!とご提案いただきましたが、逃げますか?とちょっと後ろ向きな答えをしてしまったくらいには既に辛く。
そのままペースアップした彼から少し離されかけ、何とか追いすがるような走りになり、ここにきて暗雲が垂れこめてきました。
それでも何とか走り続けましたが、50分を過ぎた最終盤、60km/h弱でくだったあとに左に曲がってそこから急激に登り返すような箇所で離されてしまいました。
自分がかなり失速して登りはじめたのに対し、彼はそこでうまく下りの速さを使って登り始めたような感じで、そこでどばっと差が開いてしまいました。
その時点では追いつけないような差ではまだなく、必死に追って何度か差が少しばかり縮まることもありましたが結局彼も終始とてもいいペースで走っており追いつくことはなく、最後200mくらいで完全に脚が無くなりました。
結局14秒差、年代別2位/26人でゴール。55分42秒、総合5位/323人でした。
八幡平ヒルクライム2023④さいごに
中盤からの二人逃げで協調して最後まで逃げ切るようなレースははじめてで、とても楽しいレースでした。
8月は仕事が繁忙期なのと暑すぎるせいで全然練習できておらず、直近のやいた八方ヶ原ヒルクライムでは完全に暑さに負けて大敗北を喫しており、さらにぎっくり腰もあって、正直走る前は1時間切れれば御の字、知り合いが多いからあんまり恥ずかしい走りはしたくないなというくらいに思っていたのですが、結果としては昨年より2分以上速く走れました。
実力以上に走れたというところで、八幡平が涼しかったのが幸いしたのかなと思います。
御一緒してくださった皆様、そして運営の皆様、楽しい時間をありがとうございました。東北のレースは今年はこれでおしまいですが、また今後も、よろしくお願いいたします。
PS.案内にちらしが同封されていた「牡鹿半島チャレンジライド」は、筆者は過去3回の出走経験があります。4kmのプチ・ヒルクライムTTと60km長のライドを併せたイベントで、レース勢、非レース勢とも楽しめるイベントです。是非、ご参加を…!