目次
ELITE T-RACE CARBON④軽量ボトルケージはムダなのか…?
ELITE T-RACE CARBON①はじめに
ELITE(エリート)は、イタリアの自転車用品メーカーです。
今回ご紹介するボトルケージのほか、軽量さで幅広く支持を集めるFlyボトル、ローラー台のようなトレーニング器具等、幅広な製品を展開しているメーカーです。
イタリアのメーカーというと高価なのかな…と思われる方も多いかと思いますが、比較的お手頃価格な製品も多く、初心者の方からベテランの方まで幅広い層に愛されているメーカーだと言えます。
筆者も、今回ご紹介するボトルケージだけではなく、ダイレクトドライブのローラー台などについてもELITEの製品を愛用しています。
Let's bring the heat to the #TDF2023 with our unstoppable @GroupamaFDJ heroes! 😍
— Elite Cycling (@Elite_cycling) 2023年7月18日
Armed with some serious gear including the Justo smart trainer, the Aria fan, and the Fly Team bottle, our riders are primed for today's time trial Let's support these champions to the finish line! pic.twitter.com/sgcwRnzFle
ELITE T-RACE CARBON②カタログスペック
おもさ
公称15gです。
おねだん
税込4,400円です。
ELITE T-RACE CARBON③インプレッション
先ず、手に持ってみると、より廉価なアルミ製等のケージより明らかに軽いです。多少不安を感じてしまうくらいの軽さと言っていいくらいの軽さです。
一円玉15枚分の重さしかないので、当然と言えば当然です。お値段は一円玉比だと同重量にして293倍程になりますが…。
このボトルケージの良さは、先ずは見た目でしょう。
細いパイプの円とそれを支える細い2本の支柱、あくまで曲線的で凸のないラインで作られた、一切無駄のない中にも柔らかさを感じさせる造形は、シンプルでとても美しいものと思います。
横からのシルエットはか細いという言葉がぴったりくるようなもので、バイク全体のシルエットの中で過度な主張をしません。控えめに佇んでいるとでもいうような雰囲気です。
走行性能においてお値段の価値があるかと言えば、廉価なボトルケージとの差を感じることはありません。
20g程度軽くなったからと言ってバイクの動体性能が感じられるほど変わることはありません。
走っている最中にボトルの水を数口か飲めば何十g程度は摂取することになりますが、それで飲んだあとにバイクが軽くなったように感じる事はまず無いと思います。それと同じような差です。
なお、不安を感じてしまうくらいの見た目と重さですが、ホールド力については流石にELITEといったところで、全く問題を感じません。
既に2回のヒルクライムレースに投入し、かなり大きい路面のギャップを踏む機会も何度もありましたが、ボトルの水が減って軽くなった状態でも吹っ飛んでいくような事はありません。
また、逆にホールド力が強すぎることも無くて、抜き差しは非常にしやすいです。
※ボトルとの相性はあるかもしれません。ちなみに筆者が使用しているのは、岩木山ヒルクライムの際に参加賞としていただいたメーカー不明のボトルです。
ELITE T-RACE CARBON④軽量ボトルケージはムダなのか…?
上記③で記載の通り、ELITE T-RACE CARBONは優美な、ボトルケージとして申し分のない性能を持ったボトルケージではあります。
しかし、同じように美しく、性能に不足のないボトルケージは他にも多くあります。それこそ、同じELITE T-RACEにはカーボンでは無いバージョンの製品もあります。
そちらの製品は、税込1,800円とお手頃な価格で、公称29g。重量の差は走っている時に体感できるものでは無いでしょう。
では、無印T-RACEの2倍以上の価格を誇りながら14gの軽量化以外何も得ていないT-RACE CARBONは、無用の長物なのでしょうか?筆者としては、けしてそうとは思いません。
何故なら、「軽くなっているのは事実」だからです。確かに微々たる差かもしれませんが、その微々たる差を積み重ねていくのが自転車の軽量化です。
一般に100gの軽量化に1万円のコストが相場とよく言われますが、無印T-RACEとT-RACE CARBONとの比較だと14gの軽量化に2600円の追加投資ですので、100g換算すると18,570円強です。すなわち、軽量化グラム数対コストのパフォーマンスは比較的悪い方だと言えます。
この事から行き尽くした先のカスタムであるのは事実で、ここに2600円を追加でかけるよりは他に優先してコストをかけた方が良いカスタムが沢山あるとは思います。
しかし、ここまでやって、ほとんどプラセボの類ではありますが、「やりきった」機材で臨むことで、精神面で余計なビハインドを背負ったままレースを走ることがなくなります。
もう少し具体的に言えば、周りは軽量なボトルケージを使っているのに、自分は重いのを使っているなあ…と苦笑しながらスタートする事は防げると言えます。
その精神面に2600円を払えるか…が無印T-RACEを購入するか、カーボン版のこちらを買うかの分かれ目でしょう。
ELITE T-RACE CARBON⑤まとめ
総括すると、以下の通りです。
・曲線的で主張が少ない、優美なボトルケージ。見た目だけで買う価値あり。
・細い見た目に反して必要十分なホールド力。強すぎて抜き差ししにくいことも無い。
・お値段は張るものの軽量。機材で精神的なビハインドを負いたくない方にはぜひ。
もし興味をお持ちいただけましたら、ぜひご購入を検討ください。