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エスケープR3のクイックリリース化について。

目次

エスケープR3のクイックリリース化①はじめに

エスケープR3のクイックリリース化②なぜスキュワーを採用しているか?

エスケープR3のクイックリリース化③クイックリリースとスキュワーの比較

エスケープR3のクイックリリース化④クイックリリースレバーの規格・取り付け方

エスケープR3のクイックリリース化⑤さいごに

 

エスケープR3のクイックリリース化①はじめに

台湾の自転車メーカーGIANTの定番クロスバイクといえば「エスケープR3」です。

通勤通学といったライフスタイルユースから、週末のサイクリングまで。そんな実用と趣味を兼ねるクロスバイクとして、長年にわたり幅広い支持を得ています。

筆者含め、このエスケープR3から趣味としての自転車を始めた方も多いことでしょう。

そんなエスケープR3ですが、2020年モデルからホイールの固定が「スキュワー」によるものとなりました。

しかし、インターネットで検索するとクイックリリースに換装したい方が一定数おられるようで、「エスケープR3 クイックリリース化」などといったワードが検索サジェストに上がってきます。

今回は、そんな需要にお応えできればと考え、エスケープR3のクイックリリース化について解説してゆきます。

 

 

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エスケープR3のクイックリリース化②なぜスキュワーを採用しているか?

エスケープR3には、そもそもなぜ、スキュワーが採用されているのでしょうか。

過去を振り返れば、2020年モデルまでは長年にわたりクイックリリースを採用していた過去があります。筆者が購入した15年モデルも純正でクイックリリースを採用したホイールが付属してきました。

それをわざわざスキュワーに変更したのは、「事故防止」「盗難防止」の観点によるものです。



クイックリリースは何かに引っ掛けるなどの拍子にレバーが開いてしまうことが皆無とは言えず、工具不要で開閉できることから停車中にいたずらにより緩められてしまうことも考えられます。

また、一旦開放した後は手のひらにあとが残るくらいしっかりと締めないといけませんが、扱いに慣れていない人が触った後では、そのような締め方をされていない場合もあります。

そのような固定のゆるい状態で乗ってしまうと、最悪の場合、ホイールが外れる危険があります。

 

エスケープR3は趣味としてのサイクリング100%で使うことばかりを想定された車種ではなく、快適な通勤通学等の足としての用途も想定された自転車です。

言い換えれば、ガチガチのサイクリストだけではない、幅広い層の人達が幅広い用途で使うことを想定した自転車です。

このような自転車において、特にスポーツユースする以外の層が相当数いることに配慮してクイックリリースではなくスキュワーを採用するのは、自然といえば自然なことだと言えるかと思います。

 

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エスケープR3のクイックリリース化③クイックリリースとスキュワーの比較

上述したように、クイックリリースはスキュワーに対してメリットばかりではありません。ここで、それぞれの利点を整理してみます。

クイックリリースのメリット

クイックリリースのメリットは何と言っても「ホイールの着脱の容易さ」です。

出先でパンクした際などでも、工具不要でホイールを外して修理にかかれます。

輪行でも同様、レバーをワンタッチでホイールが外せます。

とはいえスキュワーでも六角が一本あればいいですし、極力工具を持ちたくないロングライドなどであっても大概携帯工具くらいは持っているかと思いますので、大きなメリットというほどではないと思います。

プロのレースではディスクブレーキの出始めの頃、スキュワーだとパンク修理の際のホイール交換にクイックリリースより大幅に時間を要することが問題視されたことはあります。しかし、我々のような大多数の一般ライダーには特段関係のない話です。

クイックリリースのデメリット

クイックリリースのデメリットは、すでに紹介したとおり、「不意に外れることが皆無ではない」「いたずらされる可能性がある」といったことを挙げられます。

 

スキュワーのメリット

スキュワーのメリットはクイックリリースのデメリットの裏返しです。

不意に外れる可能性はクイックリリースより低い

工具がない限り外せないため、いたずらされる可能性もクイックリリースよりは低い

といった点が挙げられます。

また、この他に「剛性が高くなる」ということも挙げられます。

ディスクブレーキがロードバイクの主流になり始めた頃によく挙げられたメリットですが、概してクイックリリースよりも固定力をしっかり確保でき、高い剛性を得られると言われています。

 

スキュワーのデメリット

スキュワーのデメリットは工具がなければホイールを外せないことですが、これがどれほどのデメリットになるかというと、個人的にはそれほどでもないのではないかと思います。

毎週輪行するような方であれば別ですが、上に記載したようにロングライドの場合などでは大概工具を持参していることが多いでしょうし、ライフスタイルユースから週末のサイクリングのような用途において、スキュワーがクイックリリースに対して無視できないほどのデメリットを持っているようには個人的には思えないところです。

 

 

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エスケープR3のクイックリリース化④規格・取り付け方

ここまでメリット・デメリットを挙げてきましたが、上記のとおり個人的にはスキュワーでも別段全く問題ないと考えてはいます。

しかし、クイックリリース化したい!という方は一定数おられるようですので、エスケープR3に適合するクイックリリースレバーや、クイックリリースレバーの取り付け方について、説明していきます。

 

クイックリリースレバーの規格

クイックリリースレバー、スキュワーもそうですが、「エンド幅」により複数の種類が存在します。エンド幅とは、簡単に言えばホイールの軸部分の幅です。

エスケープR3に適合するものは、フロント側100mm、リア側130mmのものです。

 

ちなみに(最早昔話ですが)リムブレーキのロードバイクと同じ幅であり、これがエスケープR3が古くから支持を受けてきた大きな理由のひとつであったりします。

他のクロスバイクがリア側135mmでロードバイクのホイールを使い回せないことが多いのに対し、エスケープR3はロードバイクと同じ幅であるため、ロードバイクのホイールを使いまわしできた…というメリットがありました。

 

クイックリリースレバーの取り付け方

ホイールを車体から外し、スキュワーを抜いたら、ホイールの軸部分にクイックリリースレバーを差し込みます。この時、ホイールの両端からナットに向けてバネを入れる必要があります。

バネは、車体の外側が開くように取り付けなければなりません。

バネを入れて、ナットを取り付けたら、いよいよホイールへの装着です。

クイックリリースレバーは、車体の左側に来るようにセットしましょう。

 

ホイールのエンド部分に軸を入れたら、まずはナットを締めていきます。

程よくしまってきたら、レバーを倒し込んでみます。

レバーがさして力を入れずともパタっと倒れるようなら締め付け不足です。締めた後のレバーを手で回せてしまう程度でも、締め付け不足です。

目安として手のひらに跡がしっかり残るくらい、きつく締め付けなければいけません。

握力によりけりな部分もあると思いますが、自分の場合、これ以上締めるとレバーを倒し込めないな…というところまで追い込んだ上で締めています。

きつく締めすぎると回転抵抗になると言われることがたまにありますが、個人的には締め方で回転抵抗に有意な差が出た経験はなく、むしろ外れる危険がある方が怖いので、目一杯締めるようにしています。

 

なお、レバーを倒す向き前輪が「上」か「斜め後方」後輪が「上」か「斜め前方」か「斜め後方」が見ていると多いかなという印象です。「下」は推奨されません。

フレームやフォークのチューブとレバーが完全に重なるように締めると、レバーを外すときにレバーのカム部分に指が入らなくて多少苦労することがあります。

このため、個人的にはフレームやフォークのチューブからは少しずれた方向に倒すのが良いと考えています。



 

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エスケープR3のクイックリリース化⑤さいごに

いかがでしたでしょうか。

エスケープR3は汎用的な規格を採用していることからカスタムベースとしても最適であり、筆者も自転車を始めたての学生の頃、なけなしのお金をやりくりしてカスタムに励んだ過去があります。

クイックリリース化は良さが皆無ではないものの、あえてお金を出してやる価値があるかというと個人的には微妙かなというところではあります。

しかし、「まずやってみる」姿勢で触ってみるのはけして悪いことではないと思います。結果的に費用対効果の悪いカスタムでも、「いじる技術」や「規格に関する知識」はかけがえのないものとして得られます。

どうしてもクイックリリース化したい!とお考えであれば、ぜひチャレンジしていただければと思います。



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