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…グランペール…

カンパニョーロのグループセットをインプレしてみる話。

筆者は、カンパニョーロのグループセットを使っています。

恐らく(恐らく…というのは、経緯は後で説明します)2007年モデルのヴェローチェです。

2年ほど使用して、手にも馴染んできたのでインプレします。

目次

カンパニョーロのグループセット①ヴェローチェとの馴れ初め

カンパニョーロのグループセット②組み付け

カンパニョーロのグループセット③エルゴパワーの操作感

カンパニョーロのグループセット④ブレーキ

カンパニョーロのグループセット⑤変速

さいごに

カンパニョーロのグループセット①ヴェローチェとの馴れ初め

出会うまで

ロードバイクをお店で買えば、9割がたは日本のシマノ製のコンポーネントで変速関係が構成されているものと思います。

筆者の自転車も購入時点ではシマノのコンポで組まれておりました。

シマノのコンポに、性能の面ではっきりいって不満はないです。

Clarisからデュラエース、ママチャリのターニーまで使ったことがありますが、ターニーでさえ変速が決まらなかったことなどはありません。

ブレーキは105以上しか使ったことがない(Claris完成車はサードパーティ製ブレーキがついてきたものの、身の危険を感じ1ヶ月足らずで105に交換)ですが、5800の105のブレーキは素晴らしいものです。

パワフルに、軽いタッチでしっかり効きます。調整も簡単です。

そんな具合でモノとしての不満はなかったのですが、カンパニョーロというメーカーの製品への憧れはずっと持ち続けていました。

古いツール・ド・フランスの動画を見ていると出てくるインデュライン選手、彼が使っている出始めの頃のエルゴパワーとそれに連なるグループセットが格好よくて、憧れていた次第です。

 

ここ数年、カンパニョーロのラインナップからは5アームのクランクが消えました。そして、銀色のグループセットもどんどん廃盤となり、今ではケンタウルを残すのみです。

廃盤にならないうちにケンタウルを買おうかと長らく思っていたのですが7万円以上という額を必要性に迫られていない状況でぽんと出すのには抵抗があったため、何度も二の足を踏んでその場駆け足をしていました。

出会い

そんな中、某中古自転車ショップのオンラインストアを眺めていると、突如目に入ったものがありました。

カンパニョーロ ヴェローチェ グループセット ¥27,500

エルゴパワー、ブレーキ、クランク、FD、RD、BBの6点セットでこのお値段です。本当にこのお値段?と思いました。

しかも今は亡き5アーム、今や絶滅危惧種の銀色。

そして優美ではあるものの、今ほど有機的になる前の、2000年代初め頃のレースを見ていると出てくるような形状の部品群。

見た感じとしてRDには傷があり、エルゴパワーやクランクもそれなりに使われた形跡は写真からでも分かりました。

しかし、今を逃せば恐らく手に入らなくなる製品であり、買うしかないと思って購入しました。

 

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カンパニョーロのグループセット②組み付け

上記のような具合でなかば衝動買いし、必要な部品はあとから少しずつ揃えました。

シマノを組める程度の工具を既に持っている筆者が別で買ったのは、思い出せる限りだとチェーン、ワイヤー、カンパ用フリー、カンパ用スプロケ回し、10mmの極太アーレンキー(ウルトラトルククランクを固定するのに使う)くらいだったと思います。

ウルトラトルクBBの組み付けはシマノのスレッドBBを回す工具がピッタリ嵌合したので流用。

組み付けはエルゴパワー部分でのシフトワイヤーの取り回しに多少苦戦しましたが、それ以外はすんなり。

メーカーが違うとはいえシマノのコンポとやっていることは同じなので、シマノのコンポの仕組みを理解していて組んだ経験がある人であれば、差程問題なく組めるかと思います。

 

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カンパニョーロのグループセット③エルゴパワーの操作感

握り

言われ尽くされていることですが、握りはとてもよいです。比較対象は9000、5800、3400、2400の各STIレバー。

ブラケットの上に手を置いて、レバーに指が自然にかかります。程よい湾曲が指に引っかかる上、シマノのレバーのようにブレーキレバーが横に動いたりはしないので、指が滑る可能性をそれほど考えずにブレーキを握れます。

横幅は9000よりも細いです。細ければ良いというものではありませんが、よく言われるように手の小さい方でも握りやすいと思います。

ただ、面積が小さい分手のひらへの圧は大きくなるのか、多少手のひらが痛くなりやすい傾向はあるようにも感じます。

とはいえ大きな問題ではありませんし、よりエルゴノミクスに気が遣われている今の製品では改善されているものではないかと思います。

シフトレバー

ババババと多段シフトアップが出来るウルトラシフトではなく、1段ずつのパワーシフトです。

ワイヤーリリース、特に頻用するリアのシフトアップは特にダンシングしている時や、上ハンドルを持っている時にはシマノより押しやすいなと感じます。

適度な硬さを持ったカチンという感覚で、よく言われますが押していてくせになります。無意味に変速したくなるくらい。

使い始めのプラセボかなと思っていましたが、2年経っても割と無意味に変速したくなるので、そういう部品なのだろうと思います。(笑)

 

ワイヤー巻き取り、リアのシフトダウンは、適度な重さを持った湿った感じのテイストでレバーが動きます(表現が難しいですが)。

ヌメっと動く…という感じです。あの感触もそれはそれでシマノにはないもので、面白いです。

 

感性の面ですが、チェーンの動きとレバーがリンクしていて素直に扱えるなと感じます。言い換えれば、

①チェーンを小さい歯車に落とす時は、上からレバーを下に押し込む

②チェーンを大きい歯車に押し上げる時は、押し上げる方向にレバーを倒しこむ

という操作系で、チェーンの動きとレバーがリンクしていて直感的に扱いやすいということです。

直感的に扱いやすいというのは僅かながらでもストレスフリーさに繋がっているものと考えており、評価ポイントのひとつです。

 

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カンパニョーロのグループセット④ブレーキ

まず、見た目はとても美しいです。この大胆な肉抜きができるのはカンパニョーロだからだなと思います。

なお、肉抜きの奥に砂が溜まりがちなので掃除はなかなか手間がかかります。(笑)

使用感ですが、よく言われるようにコントローラブルです。立ち上がりからがつんと効くのではなく、握り込みにつれてしゅーっっと制動力が立ち上がります。

とはいえ絶対的な制動力が劣ることはなく、しっかりタイヤロックできます。

どうしようもない理由でフルブレーキしたことが1度だけありましたが、その時もしっかり止まってくれました。

ただ、握力あたりの効きは、9000世代に比べれば流石に分が悪いかなと思います。

筆者が握力低め(両手とも30kg台)なのもあると思いますが、ヒルクライムを繰り返していると9000世代のブレーキを使っている時より少し早く手が疲れてきます。

とはいえ、リリースに5年も開きのある製品、それも普及価格帯とハイエンドを同列に比較するのは流石に不公平であり、ヴェローチェのブレーキも時代と価格にしては充分すぎるものではないかと思います。また、最新のカンパのブレーキは、筆者使用のものより格段にグレードアップされていることでしょう。

 

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カンパニョーロのグループセット⑤変速

リア

RDの見た目は、プーリーゲージが丸く、本体も滑らかな形状で美しいです。

変速動作については、リアはシマノとの差を感じません。

親指を下に押し込めば小さい歯車にチェーンが落ちて、中指を内側に押し込めばチェーンが内側の大きい歯車に登ります。

踏み込みながらでも、嫌な音を立てつつではありますがしっかり変速します。



フロント

フロントディレーラーは、クイックリリースレバーをモチーフにしたカンパニョーロの社章が刻まれており、それだけで高級感を感じます。

クランクは5アームで、4アームを見慣れきった現代のサイクリスト視点では最早ノスタルジーを感じられるくらいで、こちらもまた優美です。

変速動作は、シフトダウンはいいのですがシフトアップがほんの時折もたつくかな…という程度です。一旦コツを掴めば変速に失敗することはほぼありません。

カンパニョーロのフロントシフトはトリムが切ってあるのですが、チェーンがアウターギアに載るタイミングをトリムの音で覚えておくと比較的ミスシフトが減るかなという印象ではあります。

 

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さいごに

いかがでしたでしょうか。

高嶺の花という印象も強いカンパニョーロですが、中古であっても構わない筆者のようなサイクリストであれば、割とお手軽に手にできたりします。

筆者としては、良い買い物をしたなと感じています。元々古い製品なので消耗品などがいつまで確保できるか怪しいですが、使える限りは使いたいと考えている次第です。

いつか…と思っているうちに憧れている製品がなくなってしまう事が多々あるのがこの業界の常です。皆様もよい製品に巡り会えたら、是非とも購入をご検討いただければと思います。

 

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