「ビギナーの部屋」では、ロードバイクやクロスバイクに乗り始めたばかりの方がお悩みになるであろうことを解説します。
目次
はじめに:自転車と交差点
事故の大多数は交差点で発生します。自動車事故の場合7割強が交差点での発生です。
逆に言えば、交差点で発生する事故の事例を把握し適切に対処すれば、大多数の事故を予防できることとなります。
今回は、各シチュエーション事に注意すべき事をまとめてみました。
※あくまで筆者が実践していることであり、一例であることご承知おきください。
自転車と交差点①交差点手前で注意すべきこと
先ず、交差点が近づいたら、先方が赤であるにせよ、青であるにせよ一旦後ろを振り返るといいです。
車が後ろから迫っていなければ良いですが、問題なのは後ろから来ている場合。
1.被せ左折対策
ここで注意すべき先ず1つ目の事故パターンは、交差点で被せ左折されるパターンです。
被せ左折とは前走の自転車が交差点に差し掛かる直前で半ば無理やり追い抜いて、そのまま左折していくようなものです。
これをされると、自転車は急停止するしかありません。出来なければ所謂巻き込み事故です。
被せ左折を予防するには、後ろの車を交差点手前で前に行かせるか、自分が先に行ってしまうか適切に判断することです。
後方の車のスピード感や自分との距離、自分の速度や交差点までの距離を鑑みて、どちらを採るか判断します。
後ろで待っていてもらう場合は、少しふりかえって運転席を見た上で、手のひらを後ろに向けるなどし後ろで待っていて欲しい旨を示すことも個人的には有効だなと感じます。
また、被せ左折対策としては、気持ち右側を走るのも良いです。
勿論道路のど真ん中を走っていい訳ではないので、左端の範囲内で少しだけ右寄りに走るようなイメージです。
少しハンドルを切らないと自転車を抜かせない状況を作った上で、上記のようなジェスチャーを行うと後ろで待っていてもらえることが多いように感じます。
半分余談ですが後ろで待ってもらった際は、交差点を過ぎた後に手で謝意を示して、道を譲るジェスチャーを併せて行うようにするとなお良いものと考えています。
自分が先に行ってしまおうと一旦判断しても、予想以上に後ろの車が速い場合等は無理せず減速しましょう。
最悪なのが並走して交差点に入ることで、ついで前の車との車間距離が十分に取れていない状態で交差点に入ることです。
どうすればこの2つのシチュエーションを可能な限り避けられるか?を考えると良いです。
2.ギリギリ抜かれ対策
右折車線があって車が止まっているような場合、車は大きく右に避けて自転車を抜くことができません。進路変更せず抜けるなら抜いてきますし、そうでなければ自転車の後ろで待っているものです。
言い換えれば、「ハンドルを切らずとも自転車を抜ける」車幅を作ってしまうと自転車はギリギリで抜かれる機会が増え、怖い思いをする機会が多いです。
やることは被せ左折対策と同じで後ろの車を前に行かせるか、後ろの車に待ってもらってそのまま交差点に侵入するかの2択です。
前方交差点の右折レーンに車が見えたらギリギリ抜かれの可能性を考慮し、どうすれば防げるか考えるようにしましょう。
自転車と交差点②前方が赤信号の時
前方の赤信号が見えたら、後続車がいる場合は少し振り返りつつ手信号停止を出します。
自分の後ろで待っていてください、の意思をジェスチャーで明確に示し、後ろの車に抜かれないような状況を作った上で緩やかに減速しましょう。
また、赤信号の時は前の自動車を抜かさないようにしましょう。
止まる時に大事なのは、死角に入らないことです。
具体的には、車と並列に止まらないこと。
横に並んでいる車、そして場合によっては後続車の死角に入ってしまうこととなり、左折巻き込まれ事故の危険を増大させます。
前方車は抜かなければ良いですが、後続車の死角に入ってしまうと危険です。
後続車の斜め前に、ほかの車と並列することなく停車するようにしましょう。
歩行者信号
時々聞かれるのが、自転車は歩行者信号を守るべきか、自動車信号に従うべきかというものです。これについては後者が正しいです。
すなわち、歩行者信号が赤でも自動車信号が青なら自転車は交差点に侵入することができます。
自転車と交差点③直進の時
青信号、後ろも来ていない、そんな時でも注意しなければならない事項があります。
右直事故です。
右直事故とは、直進車と右折車が事故を起こすものです。右折車が直進車を見落とす、速度を見誤る等の理由で発生します。
右直事故対策1:速度を落として交差点に侵入する
事故対策の基本ですが、まずは速度を落としましょう。
こちらが優先だから曲がってくるはずがない、という前提を捨てて、曲がってきても止まれる速度まで落としましょう。
特に二輪は実際より遅い速度と誤解されやすい上、自転車は遅いという先入観が尚更右折車ドライバーの速度見誤りを助長します。実際に遅い速度で走るのが何よりの安全策です。
善悪でいえば右直事故は右折側の過失が大きいものですが、痛い思いをするのは二輪である自転車だということを念頭に置いて振る舞いましょう。
右直事故対2:前の車の死角を意識する
例えば前が大きいバスやトラックだった場合。車間距離を適切にとっても、右折車からバスやトラックの後ろにいる自転車は見えません。
車間距離を大きめに取る、交差点への侵入速度を普段よりさらに落とす等の対応を取るようにしましょう。
また、片側1車線道路で右折待ちしている車の左側を抜けて前に出る場合も見落とされやすいです。交差点への侵入をゆっくりにして、曲がってこられても手前で止まれるようにしましょう。
走るべきレーン
左折レーンがあるとき、自転車は左折レーンから直進します。
2車線目にあたる直進レーンから直進してはいけません。
むしろ自動車の側がこのことを知らないことも多く時折注意されることもありますが、法規では上記の通りなので守るようにしましょう。
ただ、後続車がいる場合は適宜手信号を使うなどし、「左折レーンにいるもののこの後直進する」旨を明確に後続車に示すようにしましょう。
自転車と交差点④左折の時
自分が左折する時は、横断歩道を横切ることになります。
左折時の確認項目は、以下のとおりです。
左折時の確認項目1:左斜め後ろの歩道
いわゆる巻き込み確認です。
自分が走ってきた後ろから歩道からランナーが迫ってくる可能性、自転車が迫ってくる可能性、様々考えられます。
まずは左後ろを見て、何か来ていないか確認しましょう。
左折時の確認項目2:右斜め前の横断歩道
続けて、右斜め前側から渡ってくる歩行者や自転車等がいないか確認します。
左折時の確認項目3:曲がった先の左側歩道
左折後の左側歩道から、車道を横切るようなかたちで斜めに横断歩道に駆け込んでくる歩行者等が時々見受けられます。
曲がった直後は飛び出しが多い、と注意すると良いです。
自転車と交差点⑤右折の時
右折は実際のところあまり考える機会がありません。
自転車は二段階右折をする必要があり、実質的な右折をする機会がまず無いからです。
二段階右折とは、右折をする際先ず直進して交差点を横断し、横断先で時計周りに90度向きを変えて、再度直進し交差点を横断するものです。
自転車はこの方法で右折をしなければなりません。くれぐれも右折レーンに入るなどのことが無いよう、お気をつけください。