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【ロードバイク・初心者向け】鉄下駄ホイールとは?鉄下駄ホイールについて解説してみる話。

目次

ロードバイクの鉄下駄ホイール①はじめに

ロードバイクの鉄下駄ホイール②鉄下駄ホイールの定義

ロードバイクの鉄下駄ホイール③けして悪いことばかりではない鉄下駄ホイール

ロードバイクの鉄下駄ホイール④実際どれくらい違うのか

ロードバイクの鉄下駄ホイール⑤さいごに

 

ロードバイクの鉄下駄ホイール①はじめに

ロードバイクを始めてしばらくすると、ホイールについて気になる方も多いかと思います。

完成車に付属してくるホイールは、ハイエンドの一部の完成車を除けば、大概は比較的重量のあるエントリーグレードのホイールのことが多いです。

このような、主に完成車に付属してくるエントリーグレードのホイールを通称として「鉄下駄ホイール」と呼ぶことがあります。

今回はこの「鉄下駄ホイール」について、解説してゆきたいと思います。

 

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ロードバイクの鉄下駄ホイール②鉄下駄ホイールの定義

そもそもどのようなものを鉄下駄ホイールと呼ぶかですが、あくまで通称ですので明確な定義があるわけではありません

しかし、上記のとおりですが、完成車に付属してくるような比較的重量のあるホイールを指してこのように呼ぶことが多いように思います。

一昔前、リムブレーキの時代であれば鉄下駄ホイールの定番と言えたのがシマノの「R500」でした。

このR500と同等かそれ以下のホイールを鉄下駄…と呼ぶ方が多かった印象があります。

スペックにすれば、特段リムハイトが高い訳では無いホイールで、前後輪でほぼ2000g程度…というのが鉄下駄ホイールの基準だった…と言っていいかと思います。

 

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ロードバイクの鉄下駄ホイール③けして悪いことばかりでない鉄下駄ホイール

この鉄下駄ホイールですが、当然のことながらより高価で軽量高剛性なホイールと比較すれば、どうしても走行性能の面では一歩譲る部分があります。

しかし、鉄下駄ホイールは高価なホイールに劣らない部分もあります。この項では、鉄下駄ホイールの良さについて解説していきます。

鉄下駄ホイールの良さ①概して堅牢である

鉄下駄ホイールの良さのひとつが、概して堅牢である点です。

カーボンリムのホイールなどは扱いに一定の注意を要するものもありますが、鉄下駄ホイールは荒っぽい使い方でも早々簡単に壊れたりしません(勿論場合によりますが…)。

ロードバイクの扱いに慣れていない初心者の方には、そのような面でうってつけだと言えます。

 

鉄下駄ホイールはスポークが多いことから、一本くらいスポークが折れてしまってもただちに走行不能とはならないことが多い点などもメリットとして挙げられます。

筆者は逆走不能の日光いろは坂の登りの途中でスポーク折れを経験したことがありますが、そのとき使用していた鉄下駄ホイール(GIANT SPINFORCE)はスポークが折れたあとも中禅寺湖までの登り、そして日光駅までのくだりを問題なくこなしてくれました。

これがスポーク本数の少ない高価なホイールだと、こうはいかなかったかもしれません。



鉄下駄ホイールの良さ②補修しやすい

ミドルグレード以上のホイールだと、専用スポーク等を使用していることも多いです。一旦折れてしまうと取り寄せとなることも多く、筆者の例で言えばレーシングゼロのスポークを折ってしまったときは修理に何ヶ月かかかりました。

この点、鉄下駄ホイールは共通規格のスポークを使用していることが大半であり、たとえスポーク折れなどが発生しても街の自転車屋さんなどでも直せることがあります

振れ取りの技術さえあればDIYでの補修も可能です。そして、エントリーグレード故補修にかかる費用も比較的安価です。

このような点から、特に日本一周のような長期にわたる旅を行う場合などは、むしろ専用規格を使用していない鉄下駄ホイールのほうが向いていることさえあると思います。

▲鉄下駄ホイールは旅の強い味方です。

鉄下駄ホイールの良さ③低重心になる

あまり言われることはないように思いますが、鉄下駄ホイールの良さのひとつは「適度に重い」ことだと思います。ロードバイクは車体重量に対して乗員の重量が非常に重く、ただでさえ高重心になりがちな乗り物であり、始めたての方にとっては重心の高さに怖さを感じることがあると思います。

これは慣れの範疇ではありますが、足回りが軽いと高重心さに拍車をかけることになります。

そのような面で、車体のピーキーさを抑えて、いい意味で角のとれた走行性能に抑えることで、初心者の方でも扱いやすい車体にすることを実現しているのが鉄下駄ホイールの良さだと思っています。

▲ハイスペックな機材は勿論素晴らしいものですが、扱いにくい場合もあります。

 

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ロードバイクの鉄下駄ホイール④実際どれくらい違うのか

実際のところ、鉄下駄とよばれるホイールとミドルグレード以上のホイールは、どのくらいの違いがあるのでしょうか。

筆者は鉄下駄ホイールは勿論、ハイエンドのカーボンリムホイールからミドルグレードのアルミリムホイールも使ったことがありますが、フィーリングとしては鉄下駄ホイールとミドルグレード以上のホイールには大きな差があります。

専用スポークを使用しているミドルグレード以上のホイールと鉄下駄ホイールの大きな差のひとつがスポークテンションで、前者を知った脚で鉄下駄ホイールに乗ると、どうしてもぬるく感じられてしまうのは事実です。

ぬるく…というのは、撓む感じというか、踏んだ力がどこかに吸収されて推進力に変わっていないような感じです。

鉄下駄ホイールはリムと呼ばれる外周部の重さが重いのもあって、特に登りのように高出力を出し続けるシチュエーションではじわじわと差が響いてきます

踏めばパンと進むミドルグレード以上の完組ホイールに対し、鉄下駄ホイールだと後輪が全然ついてこないような感じを受けるのは事実です。

筆者は平地を頑張って走る機会はごく少ないですが、鉄下駄ホイールはスポーク本数が多いうえに丸断面のスポークであることもあり、その上リムハイトは低めなため、スポーク本数の少ないミドルグレード以上のホイールに比して空気抵抗は大きくなりがちです。

▲フルクラムのレーシングゼロ。鉄下駄ホイールと比べると、硬く、軽く、スパッと進みます。

調子やその他の条件が同じであれば間違いなくミドルグレード以上の完組ホイールのほうが速いのは事実です。

しかし、例えば平均速度が5km/h違うような懸絶した差ではなく、峠一本のTTなどでは調子の良し悪しでタイムが入れ替わる程度の差です。

筆者の例で言えば、アルミフレームに鉄下駄ホイールで10kg近い自転車で、東京は奥多摩の和田峠を走って出したベストタイムが15分09秒でした。

数年のギャップがありますが、カーボンフレームに1kgを下回るカーボンリムのホイールで組んだ、ほぼ6kgぴったりの自転車で走って、14分半でした。

実力はカーボンフレームで走ったときのほうが高いですが、機材の差というのは結局この程度のものです。もう少し体調が悪ければ、カーボンフレームを使ったとしてもアルミフレームを使用したときのタイムに負けていたかもしれません。

差が出るのは事実で予算が許す限り良い機材を使うほうが良いとは思いますが、体調や風向などの条件のほうが、よほどタイムを左右します。

 

 

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ロードバイクの鉄下駄ホイール⑤さいごに

いかかでしたでしょうか。

鉄下駄ホイールにも鉄下駄ホイールなりの良さがあります。また、ミドルグレード以上のホイールとの差は脚力で埋められることもあります

勿論予算があれば良いホイールに手を出すのもよいですが、鉄下駄ホイールでも自転車を楽しむことは十分に可能です。

鉄下駄ホイールだから…などとマイナスに思うことなく、持ち合わせの機材で、その良さをいかに引き出せるかを考えて、自転車を楽しんでいくのが大事だと思っています。

 

 

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