目次
ロードバイクのフレームサイズの選び方②大きめなフレームを選ぶ
ロードバイクのフレームサイズの選び方③小さめなフレームを選ぶ
ロードバイクのフレームサイズの選び方①はじめに
このブログは既にロードバイクに乗っている方だけではなく、これから乗ろうとされている方などもひろく視野にいれて書いておりますので、まずはロードバイクのフレームサイズについて、基礎的な部分をご説明します。
既にロードバイクに乗られている方は、読み飛ばしてくださいませ。
一般的に、ママチャリであればせいぜい26インチ、27インチの、ホイールの径違いによる2サイズ展開です。
しかし、ロードバイクはじめ、スポーツ自転車は乗り手に合わせてフレームのサイズが細かく設定されています。
このため、購入する際は「自分にあったフレームサイズであるかどうか」を考えた上で、決定することがマストとなります。
フレームサイズの設定はメーカーにより様々で、同じモデルで5以上のサイズ展開をしているメーカーもあれば、SMLのような大まかなサイズでの展開としているメーカーもあります。
△56サイズのCAAD
△52サイズのSUPERSIX
ここで悩ましいのが、自分が選べるフレームサイズが複数あった場合に、大きい方と小さい方、どちらを選べばよいのかという問題です。
例えば、身長180cmの人がキャノンデールのCAAD13を購入したいと考えた場合を想定します。CAAD13は、44〜60の7サイズ展開です。
メーカー公式サイトによれば、54サイズの適正身長は「170-180」、56サイズの適正身長は「177-185」とされています。
このような場合に、54サイズ、56サイズのいずれを選ぶべきか…という問題が発生します。
ロードバイクのフレームサイズの選び方②大きめなフレームを選ぶ
さて、まずは大きめなフレームを選ぶ場合の話です。
先程の例についていえば、身長180cmの方がCAAD13の56サイズのフレームを選んだ場合です。
フレームサイズが大きめなフレームを選ぶメリット①ステム下に入れるスペーサーが少なくて済む
各社のカタログには、「ジオメトリ」という欄があるかと思います。
「スタック」という項目があるかと思いますが、これはフレームのBB(ボトム・ブラケット=ペダルシャフトであるクランクの軸)から、ヘッドチューブ上端部(=フレームとハンドルをつなぐステムという部品を取り付ける部分)の距離を表したものです。
ひとことでわかりやすく言えば「ハンドルを下げられる限界」です。
△フレームサイズが大きいと、ステム下のスペーサーが少なくて済みます。
先程から例に取り続けているCAAD13でいえば、54サイズでは55.5cm、56サイズでは57.5cmとなり、2cmの違いがあります。
このため、仮にハンドルをBB軸から58.5cmの高さに取り付けたい場合、54サイズの場合は3cm程度のスペーサーを挟む必要がある一方で、56サイズであれば1cm程度の薄めなスペーサー1枚でよいことになります。
スペーサーを多く挟むとフロント側の剛性は低下する(と一般に言われる)ため、薄いスペーサーで済む56サイズのフレームを選んだほうがフロントの剛性の面では有利となります。
また、美観的にもスペーサーは少ない方が美しい、というのが大勢の意見かと思います。
フレームサイズが大きめなフレームを選ぶメリット②ジオメトリが緩めなことが多い
メーカーにもよりますが、シート角やチェーンステイの長さなどはフレームサイズが大きくなるほど小さく・長くなることが多いです。
また、一般にフレームサイズは小さいほど剛性が高くなると言われます(全サイズ同じ剛性を謳うメーカーもありますが…)。
こういった点からは、フレームサイズが大きくなるほど、ピーキーさが薄れて扱いやすくなると言えるかと思います。
ただ、一概にサイズが大きくなるほど穏やかになるかといえばそのようなこともなく、例えばCAAD13では、54サイズと56サイズの境でトレイル(フロントフォークが前側にどれだけ湾曲しているか)が変わります。
ヘッドチューブアングルも、サイズが大きくなると大きくなっています。
このため、フロントセンターが54サイズより56サイズ、58サイズのほうが短いという現象が発生しています。
数字だけを見る限りでは、54サイズより56サイズのほうがフロント側は機敏に動きそうです。
また、56サイズと58サイズの境でBBドロップが変わり、58サイズ以上のほうが腰高になっています。
上記より一概には言えないですが、多くの部分では大きいサイズほど乗り味が穏やかになる事が多いかと思います。一般的な傾向として、考慮いただければと思います。
フレームサイズが大きめなフレームを選ぶメリット③ハンドルを遠く出来る
ジオメトリの「リーチ」をご覧いただければと思いますが、例えばCAAD13であれば、54サイズのリーチは38.4cm、56サイズのリーチは38.9cmです。
リーチは、BBの真上からヘッドチューブ上までの長さです。簡単に言い換えれば、ハンドルの遠さを決める指標になります。
ハンドルの距離はハンドルそのもののリーチやステムの長さでも調整できますが、あまり長すぎるものを使用するとフロントの機敏さは落ちてゆきます。
また、同じステム・ハンドルを使用した際、ハンドルを遠く出来るのは当然のこととしてリーチが長いフレームになります。
ハンドルを遠く出来ると、特にヒルクライムのダンシングにおいては荷重をペダルに載せやすくなります。
ロードバイクのフレームサイズの選び方③小さめなフレームを選ぶ
さて、逆に小さめなフレームを選ぶメリットです。冒頭の例で言えば、身長180cmの方が54サイズのCAAD13を選ぶような場合です。
フレームサイズが小さめなフレームを選ぶメリット①軽量・高剛性
フレームが小さくなることで、軽量になります。また、一般的に剛性も高くなることが多いと言われます。
数字として明確にわかる軽量さについては結構馬鹿に出来ない差があり、一例としてキャノンデールのシステムシックスは、54サイズが957g、56サイズが981g、58サイズになると1021gとなります。
ヒルクライマーなど、軽量さに拘る方は、実用を損ねない範囲で小さいフレームを選ぶのが良いのではないかと思っています。
後述しますが、筆者も小さめなフレームを選んでいます。
フレームサイズが小さめなフレームを選ぶメリット②ハンドルを低く出来る
近年のフレームはヘッドチューブの長さが長いものも多く、スタックの高さがそれなりにあります。
レース志向の方などで、ハンドルを低くしたい場合は、小さなフレームを選ぶとより低いハンドルを実現できます。
上記「大きめなフレームを選ぶメリット」で説明した逆で、小さなフレームはリーチが短いぶん、多少ハンドルが近くなります。
しかし、フロント周りの運動性のごく僅かな低下に目を瞑れば、単純な距離はステムでカバーできる範囲の差です。
フロントの機敏さを多少損ねても、低いハンドルを実現するのを優先する場合は「小さめなフレーム×長めなステム」の組み合わせがよろしいでしょう。
△ヘッドチューブが短いため、(やろうとすれば)ハンドルを低くセットできます
フレームサイズが小さめなフレームを選ぶメリット③シートポストを長く出せる
これは主に性能ではなく見た目の問題ですが、小さめなフレームを選ぶと、シートポストをより多く出せるようになります。
特にホリゾンタルフレームだと、我々短足な日本人の場合は、ステムの突き出しよりシートの突き出しが短くなってしまうことが多いです。
美観は人それぞれですが、ホリゾンタルフレームの場合、ステムの長さがシートポストの突き出し長とほぼ同程度になると、美しい見た目になるなと個人的には感じます。
美観はひとそれぞれですが、シートポストを多く出したいとお考えの場合は、実用を損ねないのであれば小さめなフレームを選ぶとよいでしょう。
なお、購入する前にジオメトリからシートポストの突き出しを計算してみて、大雑把にシルエットを描いてみるとよいです。
買ってから、こんな見た目になるはずではなかった…という思いをするのを未然に防げるはずです。
ロードバイクのフレームサイズの選び方④筆者の場合
筆者は「GIOS AEROLITE」「CANNONDALE SUPERSIX EVO HIMOD」の2台をメインに使っています。表記上のサイズはどちらも「52」です。
筆者の身長は185cmを超えるため、もう1〜2サイズ大きいフレームが適正となりますが、このサイズのフレームを選んでいます。
これはひとえに、軽量さを重視したためです…と言えればかっこいいと思うのですが、実情としては当時既に型落ちであったGIOS AELORITEが52サイズしか在庫がなかったためです。
GIOS AELORITEで筆者の身長であれば最大サイズである「54」が適正となりますが、1年落ちの限定フレームだったため、既に在庫がありませんでした。
モザイクカラーの美しさと型落ち特価のお手頃なお値段に惹かれて検討していましたが、サイズがネックになって、悩んでいました。
それまで56サイズのCAADにステムをベタ付けにして乗っていましたが、フレームサイズが小さくともハンドル・ステムのチョイスでどうにかなるだろうと前向きに(かなり楽天的に)判断し、金曜夜の出張帰りの疲れ切った頭で某通販もしている自転車屋さんのウェブサイトからポチって購入に踏み切りました。
ハンドルの高さはスペーサーを入れて確保し、ハンドルの距離はステムを130mmにして稼いでいます。筆者はヒルクライムしか走らず、クリテリウムのようなキビキビとした走りを求めるシチュエーションは少ないこともあって、特段問題なく運用しています。
この運用で慣れきっているため、SUPERSIXは慣れたサイズの安心感と軽量化を理由にして、52サイズを選択しました。
この記事ではメリット・デメリットを解説してきましたが、実際問題として、筆者の経験から言えば余程の差でない限りハンドル・ステムの選択でどうにかなる場合が多いと思います。
好みのフレームが自分にあうサイズの展開がない場合でも、それだけで諦めることなく、使いこなせないかご検討いただければと思います。
ステム下にスペーサーをたくさん入れるとあまりスタイリッシュではない…という美観はよく分かりますが、筆者のGIOS AEROLITEに使用しているスパカズのオイルスリックのスペーサーについてはお洒落ですねと褒めていただく機会が多く、筆者としてはお気に入りのポイントであったりします。
スペーサーもお洒落なものを選べば、美観を良くすることも出来るのではないかと思っています。
ロードバイクのフレームサイズの選び方⑤さいごに
いかがでしたでしょうか。
ロードバイクのフレームサイズは、ライディングフォームにダイレクトに影響するため、選び方についてはよく考える必要があります(筆者はかなり楽天的に選んで結果オーライだったため、あまり言えないのですが…)。
この記事で挙げた大きいフレーム、小さいフレームの利点を比較していただき、ご購入される際のひとつのご参考としていただければ幸いです。