人気自転車アニメ「弱虫ペダル」。現在5期が始まりましたが、主人公の小野田坂道らの1つ上にあたる世代のキャプテンが手嶋先輩です。
手嶋先輩、手嶋純太は、峰が山レースでの葦木場戦、合宿での古賀先輩とのマッチバトル、そして日光いろは坂での真波くんとのバトルなど、2年生編では躍進、活躍を続けています。
自ら才能がないと言い切りつつ、才能に優れた選手たちに必死で追いすがる姿には、筆者含め多くのファンが感動させられています。
【インターハイ注目選手紹介】
— 弱虫ペダル LIMIT BREAK (@yowapeda_anime) 2022年8月18日
手嶋純太(CV.#岸尾だいすけ)
総北高校3年生。総北のキャプテンで、”努力”を武器にクライマーとしての実力をつけた。
📺弱虫ペダル LIMIT BREAK📺
10月9日(日)午前0時より
NHK総合テレビにて放送開始(予定)https://t.co/Myap8lZSXj#弱虫ペダル #yp_anime pic.twitter.com/9d75gHqOWN
そんな手嶋先輩の愛車が「キャノンデール」です。しかし、作中モデル名までは明らかにされていません。
筆者は、キャノンデールの自転車を2台(CAAD OPTIMO 第一世代、SUPERSIXEVO Hi-Mod第二世代)持っております。
△筆者のSUPERSIXEVO HM
今回は、キャノンデール乗りで手嶋先輩のファンである筆者が、手嶋先輩のキャノンデールのモデルとなった自転車について徹底考察してみます。
※漫画版とアニメ版で作成時期の違いからか細部が異なることがありますが、本記事ではアニメ版をもとに考察しています。
目次
手嶋純太のキャノンデール④手嶋純太のキャノンデールを再現するには?
手嶋純太のキャノンデール①フレームのカラーリング
特徴的なのは、シートチューブのロゴの配置です。
手嶋先輩のキャノンデールの車体は、1年生編の合宿2日目のシーンや、2年生編の日光いろは坂での真波くんとのマッチバトルのシーンで細部まで描かれています。
それらを見ると分かるのが、「CANNONDALE」の文字が、トップチューブ&シートステイの集合点を乗り越えて配されていることです。
このロゴの配し方に近いのが、2010年頃のSUPERSIX。2013年モデルでEVOがつく前のモデルです。ロゴ以外にも、カラーリングも、塗り分けは似通っているように思えます。
12年も前のモデルになりますが、895gという軽量さ。
次世代のEVOがつくSUPERSIXはこの重さを更に越えてフレーム単体695gという現代でも最軽量フレームとして通用する重量になりますが、そこまでは行かずとも2010年時点では一線級の軽量さを持ったフレームとなっていました。
また、これより以前からですが、現代まで続くBB30をこの世代にして既に採用しています。
正確には現代のモデルはBB30Aという改良が施されたBBを採用していますが、大口径圧入式BBを以て剛性を確保するという設計はこの頃から変わっていないことが分かります。
手嶋純太のキャノンデール②フレームの形状
上記より、手嶋先輩のキャノンデールは2010年モデルのSUPERSIX…と断定するにはまだ早いのです。
フレームの形状を見ると、2010年モデルのスーパーシックスと判断するには違和感があります。
手嶋純太のキャノンデールが2010年モデルのSUPERSIXではないかもしれない理由①
アワーグラスシートステイではない
「アワーグラスシートステイ」とは、2000年代〜2010年頃迄のキャノンデールの自転車に採用されていたシートステイの形状です。
「アワーグラス」とは砂時計のこと。大きく湾曲させた特徴的な形状のシートステイはこの時期のキャノンデールのアイデンティティで、2010年モデルのSUPERSIXもこの形状のシートステイを採用しています。
しかし、アニメで手嶋先輩のキャノンデールを見ると、どう見てもシートステイは直線的な形状です。
このため、手嶋先輩のキャノンデールが2010年モデルのSUPERSIXだとは断定できません。
△手嶋先輩のキャノンデールも、上の写真の筆者のキャノンデールと同じく、直線的なシートステイです。
手嶋純太のキャノンデールが2010年モデルのSUPERSIXではないかもしれない理由②
フロントフォークがベンドしていない
フロントフォークには、ベンドフォークという先端に曲げを付したものと、完全に曲げがないストレートフォークという2種類があります。
前者はホイールベースが長くなり、直進安定性が高くなります。一方で、後者はキビキビとしたハンドリングを生み出します。
2010年段階では、SUPERSIXはベンドフォークでした。しかし、手嶋先輩のキャノンデールは、アニメで見る限り先端まで直線的なストレートフォークです。
キャノンデールがストレートフォークを採用したのは結構最近で、筆者も乗っている第2世代SUPERSIX EVO世代以降です。
△手嶋先輩のキャノンデールも筆者のキャノンデールと同じく、ストレートフォークです。
手嶋純太のキャノンデール③フレーム以外の部品
手嶋先輩のキャノンデールについては、フレーム以外の部品についても、いくつか特徴的なものがあります。以下では、それらを解説します。
手嶋純太のキャノンデールの特徴①ハンドル周り
ハンドルは、今どきなアナトミックシャローではなく、昔ながらの丸ハンドルです。
シャローのようにハンドルのブラケット取付部分がなで肩になっている形ではなく、ラウンド形状。
近いのは、DEDAのDEEPなどでしょうか。ハンドルのブラケットまでのリーチがかなり大きいのも手嶋先輩のキャノンデールの特徴で、ラウンド形状のなかでも比較的大振りな方といえます。
△DEDA DEEP
ステムは銘柄不明…。セッティングの特徴としては、ステムの下に数枚のスペーサーを挟んでいる点を挙げられます。
恐らくは、ステムをベタ付けで乗っている総北信号機の3名や、箱根学園の諸氏より走力が劣ることを示すための描写かと思われます。
※現実には、スペーサーの枚数と走力は相関しません。ランス=アームストロングのようにスペーサー盛り盛りでも速いレーサーは多々おられます。
手嶋純太のキャノンデールの特徴②ホイール
一年時の合宿時点ではブランド不詳の品をお使いですが、2年時はフルクラムのホイールを使用しているものと思われます。
真波くんがチェーン落ちして、手嶋先輩が真波くんを待って、真波くんが追いつくシーンで両名の車体が明確に映ります。
このシーンで映る車体のスポークレイアウトから、ほぼ間違いなく手嶋先輩のキャノンデールが履いているのはフルクラムのホイールだと言えます。
リム部分は銀色なので、カーボンリムではないでしょう。リムハイトも低めです。
スポークの太さからして、レーシングゼロ、もしくはレーシング1と捉えるのが妥当かと思います。
△レーシングゼロを履かせた筆者の自転車
手嶋純太のキャノンデール④手嶋純太のキャノンデールを再現するには?
ここまで手嶋先輩のキャノンデールを分析してきましたが、手嶋先輩のキャノンデールを再現するにはどのようなチョイスをすればよいでしょうか。以下に解説します。
手嶋純太のキャノンデールを再現①フレーム
早速これが鬼門なのですが、上記のとおりカラーリングは2010年のSUPERSIXに限りなく近いものの、フレーム形状がより新しいSUPERSIXEVOのものに近くなっています。
このため、完全一致のフレームは存在しません。
近いものであれば、キャノンデールのフレームは第2世代SUPERSIXEVOの世代までは伝統的なホリゾンタルフレームを採用してきたため、大まかなシルエットは一致します。
しかし、現行の第3世代SUPERSSIXEVOはフレーム形状が大きく変わっており、下位モデルもそれに倣って形状が変わっています。
このため、手嶋純太のキャノンデールを近い雰囲気で再現するなら、フレームは必然的に中古調達となります。
△ホリゾンタル形状を採用していた第2世代のSUPERSIXEVO
4年ぶりにフルモデルチェンジを果たしたキャノンデールの「SUPERSIX EVO Hi-Mod」をインプレッション。エアロ化を推し進めたチュービング、ケーブル内装に最適化されたコックピット、空力性能を向上させるトータルパッケージによって、さらなる速さを獲得した1台だ。https://t.co/s42DuL60me pic.twitter.com/P5OVM5xAKV
— cyclowired.jp (@cyclowired_jp) 2020年1月5日
△現行の第3世代SUPERSIXEVO。フレーム形状が大きく変わりました。
お手軽で良いのは、第1世代のCAAD OPTIMOでしょう。10万円を切る価格で購入できるはずです。また、型落ちとなってからまだ日が浅いモデルのため、状態の良い中古が多く流通しています。
中古はどうしても整備状況が気になりますが、キャノンデールのバイクで鬼門となるBBもCAAD OPTIMOはオーソドックスなスレッド式のため(リムブレーキ版のみ)、ユーザー側で簡単に整備できます。
また、アルミフレームなので、そうそう壊れたりはしないタフさを持っています。
アルミは疲労限度なく使うほど劣化するものですが、上記の通り比較的年式が新しいモデルのため、それほど使い込まれていない車体も多く流通しています。
このような車体を選べば、中古でも比較的安心です。
フロントフォークのみ、初年度のモデルを除きフルカーボンのため、扱いには注意する必要があります。
中古を探すときは、特にフロントフォークに大きな傷が入っているような車体は避けたほうが無難でしょう。
手嶋純太のキャノンデールを再現②ハンドル周り
上記のとおり、DEDA DEEPハンドル等の深曲がりラウンドを選ぶと、原作に近い雰囲気となるかと思います。
DEDAを使うなら、ステムは同じくDEDAにて。バーテープは白系なら何でも良いでしょう。
サイコンは、ストラーダスリム等を使うと、比較的近い雰囲気となるのではないかと思われます(一年生編合宿の整備シーン等を参考)。
手嶋先輩が使っているのはSHIMANOのコンポーネントです。ご予算に応じて、グレードを選択すればOKです。
△SHIMANO DURA-ACE
手嶋純太のキャノンデールを再現③サドル周り
サドル、シートポストとも黒で揃えましょう。
モデル名までは分かりませんが、サドルは比較的ノーズが長めです。
フィジークのアンタレスなどが、お尻が合えばですが、良いのではないでしょうか。
手嶋純太のキャノンデールを再現④ホイール周り
先程も記述したとおり、フルクラムのレーシングゼロが現在入手しやすいホイールの中ではいちばん近いものとなるでしょう。
ご予算的に難しい場合は、レーシング3、レーシング7等を選ぶ手もあります。
スポークは細くなってしまいますが、大まかな雰囲気はかなり近づけることが出来るはずです。
ーーーーーーー
いかがでしたでしょうか。キャノンデールを駆る手嶋先輩に憧れたら、ぜひロードバイクを売っているお店に足を運んでいただければと思います。
安い買い物ではありませんが、手嶋先輩と同じ自転車に乗って、楽しい体験、辛い体験、色々な体験をすることができれば、より一層「弱虫ペダル」を楽しめるかもしれません。