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…グランペール…

巻島裕介のジオスのモデルは?巻島先輩のジオスについて、徹底考察してみる。

現在5期がスタートした「弱虫ペダル」。

巻島先輩こと巻島裕介は、主人公の小野田坂道の2個上の世代にあたります。

ピークスパイダー」を異名とする、車体を大きく左右に揺らしたダンシングが特徴で、作中ではトップクラスの登坂力を持つクライマーとして箱根学園の東堂尽八選手らと激闘を繰り広げます。

 

そんな巻島先輩の愛車は「TIME」ですが、1年生時点では「GIOS」(ジオス)に乗っていました。この記事では、巻島先輩のジオスについて考察してゆきます。

※映像版スペアバイクをもとに考察しています。

目次

巻島先輩のジオス①先ず、巻島先輩がTIMEに乗り換えた経緯をおさらい

巻島先輩のジオス②白地に青のカラーリング

巻島先輩のジオス③ラグのあるフレーム形状

巻島先輩のジオス④フレーム以外の部品

巻島先輩のジオス⑤巻島先輩仕様のジオスを組むなら

 

巻島先輩のジオス①先ず、巻島先輩がTIMEに乗り換えた経緯をおさらい

コアな弱虫ペダルファンであればあえて解説するまでもないでしょうが、しばらく離れておられた方もいるかもしれませんので、巻島先輩がTIMEに乗り換えた経緯をおさらいします。

乗り換えの経緯は、本編とは別の「スペアバイク」で語られています。

 

巻島裕介が一年時、入学時点で乗っていたのは「ジオス」のロードバイクでした。

ジオスのロードバイクは、作中で金城さんが指摘しているように、青地(ジオスブルー)を特徴とします。

しかし、巻島裕介のジオスは白地に青の差し色。カラーリングを気に入って、こだわって選んだことが作中で語られています。

△筆者もGIOSに乗っています。筆者のジオスもジオスブルーではなく、モザイクカラーという限定カラーです。巻島先輩と同じく、カラーリングを気に入って購入しました。

 

入部当初、後にピークスパイダーの異名をとる所以となった車体を大きく揺らすダンシングを披露した巻島裕介は、当時の部の先輩に、そのダンシングを矯正されそうになります。

しかし、自分のスタイルを貫く意思を持って、巻島裕介は自主練を積み重ねます。

その結果、その努力を認めた寒咲先輩に、峰が山ヒルクライムレースにエントリーされます。

そして、峰が山ヒルクライムレースでは、練習の成果を存分に披露し、その特徴的なダンシングを以て一年生ながらダークホースとして優勝

 

しかし、この車体を大きく揺らすダンシングは、彼の愛車のジオスに大きな負担をかけていました。早々に、フレームのBB部分が破断してしまいます。

しばらくはフレームのBB破損を隠して、車体を大きく振るダンシングを封印して、巻島裕介はジオスに乗り続けます。

葛藤の末、寒咲先輩に諭された巻島裕介は、TIMEに乗り換えることになります。

経緯を簡潔にまとめると、このような具合です。

 

△巻島先輩と愛車のTIME。石巻は牡鹿半島の先端、御番所公園。

 

一応の補足ながら、現実にあのようなダンシングを行っても(完全再現は無理だと思いますが)、それが由縁でBB部分が破断することは考えにくいです。

作者の方もそれは恐らくわかった上で、描写しているものかとは思います。

今泉くんのスコットが一年時IHの最終局面で割れるシーンもそうですが、ロードバイクは何かに衝突するなどのダメージを与えない限り、使用そのもので割れることはそうそうありません。

「弱虫ペダルで壊れていたけど、この自転車は大丈夫なのだろうか…」等と悩む必要はありません

 

この記事では、上記の経緯でTIMEに乗り換えた巻島先輩が、乗り換えまで乗っていたジオスについて考察してゆくものです。

 

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巻島先輩のジオス②白地に青のカラーリング

早速の問題ですが、「白地に青のロゴ」のジオスが、2007年頃からのモデルを逐一見ても見当たりませんでした。見落としではないと思いたいのですが…。

白地に黒のフレームであれば、ロードバイクではないものの、クロスバイクのミストラル等散見されます。

白地に青の差し色という点では2015年モデルのGIOS AEROLITE等もありますが、ロゴは黒の上、塗り分けもあるので巻島先輩のジオスのモデルではないでしょう。

カラーリングについては、作品オリジナルだと思われます

 

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巻島先輩のジオス③ラグのあるフレーム形状

ラグドフレームとモノコックフレーム

ロードバイクのカーボンフレームには、大別してラグドフレームと、モノコックフレームというものがあります。

モノコックフレームとはフレームを一体成形するもので、外見からはフレームにつなぎ目が無いように見えます。

一方で、ラグドフレームは、パイプ状のチューブを、ラグと呼ばれる部品でつなぐことでフレームの形にしているものです。

ラグドフレームは伝統的なクロモリフレームから、初期のカーボンフレーム迄は多く見られました。

しかし、現在主流のカーボンフレームはほとんどがモノコックです。わずかにコルナゴCシリーズなどが、ラグドフレームとして生き残っています。

△見た目にはモノコックのようですが、ラグド製法を受け継ぐC68。

 

巻島先輩のジオスはラグドフレーム

巻島先輩のジオスは、現在では既に絶滅危惧種となっているラグドフレームです。

作中、金城さんと車体の色について会話しているシーンで、留め絵で車体が映ります。このシーンで明確に、ラグドフレームであることが分かります。

 

ジオスのカーボンフレームラインナップは、2009年モデルまでは「カーボン」「カーボンライト」等、「カーボン」を冠に持つモデルが存在していました。しかし、これらはラグドカーボンフレームではなく、モノコックです。

また、シートステイも、巻島先輩のジオスはラグから直接2本のパイプが走っていますが、2009年モデルまでの「カーボン」や「カーボンライト」などはモノステーという、ブレーキブリッジから下でパイプが分割するタイプです。

このため、2009年モデルまでの「カーボン」や「カーボンライト」などではないと判断できます。

 

2010年モデルからは、「グレス」がカーボンフレームのラインナップを担います。しかし、こちらもモノコックフレームの上、パイプは明らかに巻島先輩のジオスより太いです。

その後のイヤーモデルで出てくるエアロライト等のカーボンフレームもことごとくモノコックで、形状も巻島先輩のジオスからはかけ離れてゆきます。

 

△複雑なチューブ形状を持つ筆者のGIOS AEROLITE(2018年モデル)

 

上記より、カーボンフレームのラインナップには、巻島先輩のジオスに相当する車体は見当たりません

 

巻島先輩のジオスは「コンパクトプロ」か…?

クライマーである、という前提から軽量なカーボンフレームと決めつけて調べていましたが、よく考えれば主人公の小野田坂道くんも一年目は無名のクロモリフレームでした。

現実でクロモリフレームを以て最新のカーボンフレームとヒルクライムで勝負したらかなりのハンデですが、巻島先輩の圧倒的な登坂力の前には、クロモリフレームであっても並み居るカーボンフレームのライバルを圧倒して峰が山の頂点を獲れる…のかもしれません。

巻島先輩のジオスのフロントフォークをよく見ると、フォークの肩部分にラグのような段差があります。

カーボンフォークならこのような造形を行うことは少ないため、巻島先輩のジオスがクロモリフォークではないかと推測できます。

 

巻島先輩のジオスがクロモリフレームである可能性も考慮すると、佇まいがかなり近いモデルが出てきます。それが「コンパクトプロ」です。

 

コンパクトプロは、ジオスのラグドクロモリフレームです。筆者としてもいつか欲しいと思っているようなフレームで、細身のクロモリパイプをラグで繋いだ、とても美しいフレームです。

ただ、フロントフォークは巻島先輩のジオスがストレートフォークである一方、コンパクトプロはベンドフォークと呼ばれる先端が湾曲したものです。

また、コンパクトプロは息の長いモデルですが、暦年モデルのカラーリングはことごとくジオスブルーのみです。

さらに、コンパクトプロは純正でスレッドステムを採用していますが、巻島先輩のロードバイクは今どきのアヘッドステムです。

 

以上より、巻島先輩のジオスはフレームのみを見ればコンパクトプロに近いものの、完全一致のモデルは存在しない…と思われます。

 

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巻島先輩のジオス④フレーム以外の部品

ハンドルは、現在では使用者も減りつつあるラウンド形状。DEDAのDEEPのような、突き出しの大きい深曲がりです。

△DEDA DEEP

コンポーネントは、TIMEに乗り換えてからはカンパニョーロですが、ジオスの時点ではSHIMANOを使っています。巻島家はお金持ちなので、まず間違いなくデュラエースでしょう。

特定が難しいのが、ホイール。リア24本スポークです。左右2:2のパターンのように見受けられます。また、フロントのスポークは20本。そして、リムハイトは低め。

カンパニョーロのニュートロンかな…?と思いましたが、フロントスポークの本数が合いません。ニュートロンは22本です。

同じカンパニョーロのハイペロン等も同様で、スポークの本数が合いません。

フルクラムのレーシングライトは、リアハブの形状からして異なるでしょう。

マビックにしてはスポークが細すぎます。ハブやリムの形状もマビックではないでしょう。

SHIMANOのC24も、フロントスポークは78世代から16本です。このため、本数が合いません。

結論として、大手メーカーのホイールからは、完全一致する製品を見つけられませんでした雰囲気的にはニュートロンかハイペロンあたりが近そうだとは思います。

△ニュートロンの前身・ニュークリオンは不世出のクライマーであるマルコ・パンターニ(ピンク色のウェアの選手)に使われる等、プロからアマチュアまで幅広いクライマーに愛され続けてきたホイールです。

 

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巻島先輩のジオス⑤巻島先輩仕様のジオスを組むなら?

上記より、既製品をもとにしての完全再現は非常に困難です。

フレームはコンパクトプロが近いものの、カラーリングはオーソドックスなジオスブルーのみ。巻島先輩が気に入った「白地に青」の展開はありません。

できるだけ近づけたい、という場合であれば、コンパクトプロをもとに、ホイールを(既に廃盤ですが)ニュートロンウルトラ等にして、ハンドルをラウンド形状にするのが落としどころではないかと思います。

 

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