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【インプレ】ショートサドル「SELLE ITALIA SP-01 BOOST」を2年使ってみての、インプレ。

筆者は、SELLE ITALIA のサドル 「SP-01 BOOST」を愛用しています。

筆者としてはとてもいいサドルだと思うのですが、あまり使用されている方を見かけないので、紹介してみます。

目次

はじめに:SELLE ITALIAとは

SELLE ITALIA SP-01 BOOSTの紹介

SELLE ITALIA SP-01 BOOSTを選んだわけ

SELLE ITALIA SP-01 BOOSTの使用感

 

はじめに:SELLE ITALIAとは

SELLE ITALIA=セライタリアは、自転車用品、特にサドルをメインに製造しているメーカーです。

バーテープ等、僅かにサドル以外の製品も製造していますが、ほとんどサドル専業と言って差し支えないようなラインナップです。

公式ページを見ると120年程の長い歴史を持つとのことで、古いツール・ド・フランスの映像等を見てもセライタリアのサドルが映っていたりします。有名所では、マルコ・パンターニの海賊サドルもセライタリアによるものです。

 

そんな長い歴史に裏打ちされたセライタリアのサドルは、プロからアマチュアまで広い層に愛好されています。

セライタリアのサドルは、座面がフラット、ナチュラル、ウェーブドの3種に大別されています。

「フラット」は骨盤が前傾していて姿勢の前傾は深めで着座位置を任意に変えたいライダー向け、「ウェーブド」はその逆に骨盤が後傾していて姿勢の前傾は浅めで着座位置は固定したいライダー向けです。「ナチュラル」はその中間となります。

今回紹介する「SP-01 BOOST」は「ナチュラル」に分類されるサドルとなります。

 

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SELLE ITALIA SP-01 BOOSTの紹介

セライタリアの「ナチュラル」に分類されるサドルは、「SLR」と、筆者が購入の「SP-01」の2種類があります。

「SLR」はサドル後方まで幅が広めな一方、「SP-01」のサドル後方は円形になっております。また、「SP-01」はサドルの後端が真っ二つに分割されています。

「SLR」のデビューは2000年で息の長いモデルである一方、「SP-01」のデビューは2016年であり、比較的新しいモデルとなります。

「SLR」「SP-01」とも、無印のロングノーズ版と、「BOOST」がつくショートノーズ版が用意されています。

モデルにより長さの差はありますが(セライタリアのHPには、各サドル毎幅と長さの記載があります)概ね2cm程、「BOOST」のほうが全長が短くなります。

「SP-01 BOOST」は材質等の違いによりさらに4モデルが存在し、筆者が購入したのは末弟モデルの「BOOST TM スーパーフロー」です。

「SP-01」の唯一無二な点は、なんと言っても後端が真っ二つに割れている点でしょう。

ショックアブゾーバーとしての効果のほか、ペダリングによる骨盤の動きに応じてサドルが動くことで効率的なペダリングを実現することを期待したつくりとのことです。

そして、中央部の大きな開口も特徴です。セライタリアの「スーパーフロー」と冠されたモデルはいずれも会陰部が当たる部分に大きな開口を持ちますが、「SP-01」の開口部分は、カタログ写真で見る限り他の同社サドルより一段と広いように思えます。

 

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SELLE ITALIA SP-01 BOOST を選んだわけ

SELLE ITALIA SP-01 BOOSTを選んだわけ①会陰部の保護

SP-01を購入するまでに思い出せる限りで6個のサドルを使ってきましたが、筆者は割とどんなサドルでも使えてしまう方で、どんなサドルでも完全に合わないと感じたことはありません。

しかし、痺れたりすることはなかったものの、会陰部への負担は気になっていました。

見た目にも涼しげで、他のサドルより開口部が大きいSP-01 BOOSTであれば、そのような心配も杞憂に終わるであろうと考えた次第です。

SELLE ITALIA SP-01 BOOSTを選んだわけ②ショートサドルであるため

スペシャライズドのパワーを嚆矢に流行りだしたショートノーズサドルを使ってみたいと考えたのもあります。

購入時点では比較的後ろ乗りをする方でしたが、上記のとおりこれまで合わなかったサドルがなかったという経験があった上、サドルのノーズ部分に必要性を感じたことがなかったため、大丈夫であろうと判断して選択しました。

SELLE ITALIA SP-01 BOOSTを選んだわけ③見た目の格好良さ

アレな動機ですが、見た目は大事です。唯一無二の形状に惹かれました。

装着を予定していたのが、購入時点で練習やレースではなく、通勤やポタリングに使用していた1台だったため、見た目にも格好良いサドルを使いたいと考えた次第です。

機能を阻害しない範囲で、できるだけ格好良いサドルを選びたいと考えました。

 

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SELLE ITALIA SP-01 BOOSTの使用感

SELLE ITALIA SP-01 BOOSTの使用感①会陰部の保護

このサドルに着座して下の開口部から指を差し入れると、会陰部が座面より膨らんで、下側に押し出されていることが分かります。

逆に言えば、通常の座面がフラットなサドルではこの押し出され分の圧が直接会陰部にかかっていた訳で、これだけでスーパーフロー、大きな開口部の効果が分かります。

フラットなサドルでも会陰部の痺れなどを感じたことは初心者であった頃を除いてなかったですが、SP-01に変更後は勿論皆無です。

なお、開口部があるとその分お尻へのダメージが大きくなると言われることもありますが、少なくともSP-01を使っていてお尻が痛くなった経験も皆無です。

△開口部は指が3本入ります

SELLE ITALIA SP-01 BOOSTの使用感②衝撃吸収性

サドル後方は、手で押せば普通にしなるくらい柔軟です。

ただ、乗っているときに明らかに効いているか分かるかと言われると、あまり分かりません。

タイヤの太さや空気圧の調整に比べれば、このサドルで得られる振動吸収性の上昇は僅かなものだと思います。

SELLE ITALIA SP-01 BOOSTの使用感③ペダリングフィール

ショートノーズサドル所以ノーズの存在感は小さく、ノーズに膝の内側が引っかかるようなことはなく、快適にペダリング出来ます

設計思想である「骨盤の動きに応じてしなることによる効率的なペダリングの実現」については、正直分かりません。とはいえ、上記のとおり手で押す程度でしなるくらいには柔軟なので、おそらくは知覚出来ていないだけで効果は出ているものと思います。

体感で分かるほどしなるサドルでは流石に気持ち悪いと思うので、このサドルは丁度よい塩梅に仕上げられていると言えるかと思います。

 

なお、ショートノーズサドルのデメリットとして言われる「前後位置の変更幅が小さい」については、筆者がかつて後ろ乗りだった時代から前乗りになった今まで一貫して同じ場所に着座してペダリングする方なので、感じたことはありません。

ただ、サドル後端がわずかにとはいえライズしていて着座位置をある程度固定する方向の設計であるのもあり、アリオネ等のサドルに比べれば前後への位置変更可能範囲は狭いと思うので、前後に着座位置を変更することが多い方は他のモデルを選択された方が良いものかと思います。

 

ショートノーズサドルを購入される方は概ね前乗りをしたい方だと思いますが、サドルを前下がりにするとサドル後端のわずかにライズした部分がちょうどよくお尻をホールドしてくれる感じで、サドル前縁に無理なく着座できる感じになります。

別に使用しているISM PN3.0ほどの前乗りは流石に出来ませんが、UCI規定のサドル後退幅をクリアしつつ、サドルを限界まで前に出すことが出来ます。

SELLE ITALIA SP-01 BOOSTの使用感④ダンシング

筆者のは末弟モデルゆえに200g程度と超軽量ではないですが、それでも別に使用しているISM PN3.0や、完成車についてくるようなサドルと比べれば50g程軽いです。

ダンシングでは、明らかに振りの軽さを感じられます。

なお、7万円以上しますが、トップモデルは100g程と超軽量です。ヒルクライマーでこのサドルを使いたい場合は、そちらを検討するとよいでしょう。

SELLE ITALIA SP-01 BOOSTの使用感⑤雨天時

雨天時だけは要注意です。ウォシュレ◯トに改名したくなるレベルで股間がビショビショになり、スーパーフローの効果をいかんなく体感できます。

タイヤが巻き上げる水が大きな開口部を通じて容赦なく吹き上がってくるので、フェンダー等がない場合は、可能な限り雨天時の使用を控えるのが望ましいかと思います。

 

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いかがでしたでしょうか。

SP-01 BOOSTは唯一無二の形状を持つ、ショートノーズサドルです。

会陰部への負担に悩んでいる方などにもおすすめできるサドルとなります。

サドルは合う合わないがあり、(上記のとおり、筆者はどんなサドルでも取り敢えず使えてしまうので、あまりないのですが…)、人によっては感想が真逆になったりすることもあるので筆者のインプレはあくまでも参考にしかならないと思いますが、この記事がご検討、ご購入の参考となれば幸いです。

 

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