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ロードバイクのブレーキワイヤー・シフトワイヤーの交換について。

「整備の部屋」では、ロードバイクやクロスバイクの整備に関わる情報を発信します。

⚠自転車は命を預ける乗り物です!少しでも不明な点、不安な点があれば、ショップ等信頼出来る人に確認してください!

目次

ロードバイクのブレーキワイヤー・シフトワイヤー交換①交換は必要なのか?

ロードバイクのブレーキワイヤー・シフトワイヤー交換②用意するもの

ロードバイクのブレーキワイヤー・シフトワイヤー交換③古いワイヤーを外す

ロードバイクのブレーキワイヤー・シフトワイヤー交換④新しいワイヤーをセット

 

ロードバイクのブレーキワイヤー・シフトワイヤー交換①交換は必要なのか?

ワイヤー、結構、切れます

ブレーキワイヤーを切ったことはないですが、筆者がわりと貧乏性なのもあって、シフトワイヤーは3回(だったかと思います)切ったことがあります。

切れるときは、どう調整しても変速がきれいに決まらなくなったと思うと、その後何十kmも走らないうちにブチっといって切れます。本当に、突然に。

一旦切れてしまうと、修理はとても面倒です。また、シフトワイヤーなら苦笑いで済むことが多いですが、ブレーキワイヤーでは洒落になりません。事故直結です。

このため、定期的な交換が必須となります。

頻度はどれほど変速を頻繁に使うタイプであるかや、走行環境等にもよると思いますが、1年経過するか、もしくは5000kmくらいを目安にするとよいのではないかと筆者としては思います。

 

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ロードバイクのブレーキワイヤー・シフトワイヤー交換②用意すべきもの

用意すべきもの1:ワイヤーカッター

ワイヤーを切るためには、ハサミなどでは足りません。ワイヤーカッターという専用の工具を用意する必要があります。

用意すべきもの2:アーレンキー

所謂六角レンチです。ワイヤーの固定の際に使用します。

ワイヤーカッター、アーレンキー

用意すべきもの3:新しいワイヤー

新しいワイヤーを用意する際ですが、ワイヤーの互換性に注意しましょう。例えば、同じSHIMANOでもMTB用のブレーキワイヤーと、ロード用のブレーキワイヤーは互換がありません(タイコという引っ掛かり部分の形状が異なります)。

ワイヤーは、インナーワイヤーという銀色の実際に引かれるワイヤーと、アウターケージング(アウターワイヤー)というインナーワイヤーを覆うものからなります。

写真はインナーワイヤーとアウターケージングがセットになった製品ですが、後者は交換せずとも大丈夫なことも多いので、交換しない場合はインナーワイヤーのみを購入すればOKです。

※アウターケージングは、明らかに裂けていたり、ワイヤーの引きに抵抗感があるときに交換すればよろしいものと考えています。

経年で劣化はするので、上記が見られずともインナーワイヤー2回の交換に対し1回程度は最低限、交換するのが望ましいものとは思います。

△シフトワイヤーセット

△ブレーキワイヤーセット

用意すべきもの4:ライナー管(ケーブル内装フレームのみ)

リアのブレーキワイヤーや、シフトワイヤーがフレームの内部を通っているフレームの場合、ライナー管を忘れずに購入しておきましょう。

フレーム内部においてインナーワイヤーを誘導する役割を果たすもので、これが無いと作業が地獄編になります。

 

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ロードバイクのブレーキワイヤー・シフトワイヤー交換③古いワイヤーを外す

古いワイヤーを外していく際ですが、作業前にまず各部の写真を撮っておきましょう

どんなふうにワイヤーが取り回されているか?ワイヤーの固定部分はどうなっているか?等に着目して撮るとよいです。

作業していてどうすればよいのかわからなくなったとき、作業前の写真があると参考にできる場合が多々あります。

 

さて、外し方ですが、まずタイコの上をワイヤーカッターで切ります。

そのうえで、ブレーキ本体ないし変速機本体の、ワイヤーを固定しているボルトを反時計回りに回して緩めます。

ワイヤー固定ボルトを緩めたら、ワイヤーを外していきます。ワイヤー外装フレームの場合は、何も考えずともワイヤーをフレームから外していけると思います。

 

ワイヤー内装フレームの場合は、ブレーキ・シフトレバー側に向けて、インナーワイヤーを押していく感じで作業します。

大事なのは、インナーワイヤーをフレーム内部に押してゆくまえに、インナーワイヤーに被せるかたちでライナー管を挿入することです。

ライナー管を内装ワイヤーの反対側出口にたどり着かせてから、ライナー管を残してインナーワイヤーをフレーム内部から抜きましょう。

△こんな具合で、ライナー管が内装ワイヤーの両方の入口から飛び出した状態にした上で、インナーワイヤーを外します

ハンドル周りまで来て、インナーワイヤーを更に押すと、ブレーキワイヤーはレバー前側から、シフトワイヤーはレバーの外側から押し出されてきます(9000世代以降の内装式SHIMANOレバーの場合)。

△ブレーキワイヤー

△シフトワイヤー

なお、ワイヤーを外す際、アウターケージングはどれがどのように接続していたか分からなくならないように、丁寧に外して後で復元できるように置いておきましょう

 

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ロードバイクのブレーキワイヤー・シフトワイヤー交換④新しいワイヤーのセット

新しいアウターケージングの用意

アウターケージングを交換する場合、新しいアウターケージングをワイヤーカッターで適当な長さに切って用意します。

基本的に、以前に何らかの瑕疵がなかったのであれば、長さの参考にすべきは従前のアウターケージングです。

切った口は潰れていることが多いですが、そのままではインナーワイヤーの抵抗になってしまうため、円になるよう整えましょう。筆者はコンパスを使うことが多いです。

その上で、ヤスリがけをするとなお良いです(写真はヤスリがけ前)。

アウターケージングは、元のアウターケージングを参照して、同様にフレームに繋いでいきます。

インナーワイヤーのセット

抜くときの逆に、インナーワイヤーをセットしていきます。

ブレーキワイヤーは、ブレーキレバーを少し引いて、前側から挿入します。

△ブレーキワイヤーの挿入

シフトワイヤーは、レバー外側から挿入していきます。

△シフトワイヤーの挿入

ワイヤーは、タイコという部分でレバーに引っかかります。タイコには、少量で結構なので、グリスを塗っておくとよいです。固着防止になります。

インナーワイヤーは、アウターケージングを通すべきところではアウターケージングを通し、フレーム内部に入れるべきところはフレームに残しておいたライナー管を伝って通して、最後にブレーキ・変速機本体にたどり着いたら固定ボルトで締める、それだけです。

なお、ライナー管は新しいワイヤーを通したら、抜いてしまいましょう。フレームに残しておく必要は基本的にありません。

 

軽く調整して、問題なければ余分なインナーワイヤーをワイヤーカッターで切って最後にエンドキャップをかしめます

エンドキャップは、ワイヤーの毛羽立ち等を防止するためにつけるものです。ワイヤーカッターで挟む(切らない)ことで、インナーワイヤーに固定します(これを「かしめる」といいます)。

 

これで作業は終了となります。

 

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※画像の一部を「いらすとや」様からお借りしております。

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