「整備の部屋」では、ロードバイクやクロスバイクの整備に関わる情報を発信します。
⚠自転車は命を預ける乗り物です!少しでも不明な点、不安な点があれば、ショップ等信頼出来る人に確認してください!
目次
はじめに:ビンディングペダルとクリートについて
趣味としてスポーツ自転車に乗る人の多くは、「ビンディングペダル」と呼ばれるペダルを使います。
ビンディングペダルは、簡潔に言えばペダルとシューズを固定できる装置です。
ペダルとシューズを固定することで、足がブレなくなりペダリングの効率が高くなります。また、ダンシング(立ち漕ぎ)のさいなど、ペダルから足が外れて落車するような危険を防止できます。
足首をひねることで固定は簡単に解除できますが、不注意などで外しそこねて転倒する事例も多々あることから、安全になる面と危険になる面を併せ持った器具といえます。
このビンディングペダルを使うには、シューズの裏側に特殊な金具をつける必要があります。この金具が「クリート」です。クリートはどのようなシューズでもつけられるというわけではなく、専用のシューズでないとつけられません。
専用のシューズ、所謂ビンディングシューズには、裏面にクリート取り付け用のネジ穴等が設けられています。
ビンディングシューズのクリートの交換:必要な工具
多くの方が使用されているであろうSHIMANO SPD-SLやSPDの場合、交換に必要な工具はアーレンキー、所謂六角レンチのみです。
ビンディングシューズのクリートの交換:外す前にすべきこと
クリートを外す前に、今装着しているクリートの取り付け位置を記録しておきましょう。
クリートの位置は、結構デリケートなものです。前後位置が変われば足裏にかかるストレスが変わってきますし、膝の伸びが変わります。
角度が変われば膝の角度も変わります。不用意に位置を変更してしまうと、膝の痛みなど、故障にも繋がりかねません。
筆者の場合、アナログの極みですが、色鉛筆で外す前のクリートの外周をなぞっています。
シューズの裏面などは滅多に他人の目に触れるものではないですし、目に触れても線を引いていることは判別できないだろうと考えて、割り切っています。
シューズに直接線を入れるのが気になる方の場合は、A4サイズくらいの紙を用意して、魚拓を取るようにしてシューズの外回りとクリートの位置を記録するなどの方法がよろしいのではないかと思います。思いつきではありますが…。
ビンディングペダルのクリートの交換:作業
位置決めさえできれば、作業はとても簡単です。元のクリートのネジを外し、決めた位置に取り付けて、ネジを締め直すだけです。
言うまでもないですが、ネジはしっかり締めましょう。緩いと異音の原因になりますし、最悪外れてしまうこともあるかもしれません。
シューズがペダルから外れると、即落車に繋がりかねません。
ビンディングシューズのクリートの交換:交換の目安は?
SPD-SLの場合、
①前側のプラスチック部分が剥げて黒い部分がむき出しになる
②後ろ側のプラスチック部分が交換線を超えて削れる
のどちらかを目安とすればよいでしょう。また、上記にあてはまらずとも、固定がゆるくなってきたら交換するのが望ましいでしょう。
クリートが削れすぎると、ペダルへの負荷も大きくなっていきます。
ペダルの消耗を防ぐためにも、クリートは少しばかりもったいないような感があっても、少し早めに交換するのがよろしいかと思います。
SPDの場合、筆者は5年使っていますが、SPD-SLより断然寿命が長い製品だなという印象です。年単位で交換せずとも別段問題なく走れてしまいます。
少しずつ劣化するため非常に分かりにくいですが、外れやすくなったなど、固定が緩くなってきたように感じられたら交換するのが望ましいでしょう。