スパカズのバーテープ「プリズマティック」を使ってみたので、そのインプレです。
目次
はじめに:スパカズとは?
スパカズ(SUPACAZ)は、アメリカの自転車用品メーカーです。今回紹介するバーテープのほか、ボトルケージやグローブ、シューズ等も展開しています。
創業2012年という比較的新しいメーカーで、スペシャライズド創業者の息子さんが立ち上げたメーカーです。
新しいメーカーではありますがUCIワールドツアーチームへの供給も行っており、品質は折り紙付きです。著名な選手では、ペーター・サガン選手などもスパカズのバーテープを使用しています。
スパカズ「プリズマティック」の見た目
バーテープは、自転車の印象を大きく左右します。
選ぶ際、少なからず「自分の自転車に合うかどうか」を考慮しながら選ぶ方が多いものと思います。
そういう意味で、バーテープの見た目は大事だと思っています。
スパカズ「プリズマティック」は、光ります。控えめに光るような具合ではなく、ギラギラと光ります。
イメージとしては、遊戯王やデュエマ等のカードゲームのレアカードにあるような光沢加工が、バーテープ全面に施されているような具合です。
周囲の明るさ等で光り方も変わるので、見ていて飽きがこないバーテープです。
また、別段自転車を知らない方にとっても分かりやすく「なんかすごいぞコレ」感があるようで、普通に走っていて視線を感じる機会が増えた…ような気がします(感じているだけかもしれません)。
これ以上目立つバーテープもそうそう無いと思うので、目立ちたがりの方にはオススメです。
ただ、合わせるフレームはかなり選ぶかと思います。とても派手なので、フレームが地味だとバーテープに全部の印象を持っていかれる感があるのは事実です(筆者自身の自転車を含む)。
スパカズ「プリズマティック」の握り
スパカズ「プリズマティック」の握り①振動吸収
スパカズでは他にオイルスリックも使ったことがありますが、このプリズマティックもオイルスリックと似た具合で、かなり振動吸収性は高い方だと思います。
柔らかすぎない程度にもちもちした握りで、ショックアブソーバーとしての役割を十分に果たしてくれます。
スパカズ「プリズマティック」の握り②グリップ
コーティングされた見た目とうらはらに触った感じはねっとりしています。粘性のある質感で、滑ることは少なくしっかりと手に引っかかります。必要十分なグリップは持ち合わせた製品です。
スパカズ「プリズマティック」の握り③握りの太さ
クッション入りバーテープの常で、どうしても握りは多少太くなります。
かなり引っ張って巻きました(後述)が、それでもオイルスリックのバーテープを巻いていた時より多少握りは太くなってしまいました。
また、筆者はコットンバーテープも愛用しているのですが、コットンのハンドルをダイレクトに握っているような感からは程遠い太さになります。
握りが細ければいいという問題ではありませんが、手が小さい方だと下ハンドルからブレーキに指が届くかといった点にも関わってくるところなので、選ぶ際はご注意いただければと思います。
スパカズ「プリズマティック」は巻くのが少し大変
コーティングのせいか、バーテープが全然伸びず、すぐシワになります。
お店のモデルバイク等に巻いてあるのを見てさえシワを隠しきれていないものがあるので、おそらくこれをピシッと綺麗に巻くのはかなり至難の業なのだろうなと思います。
筆者は4回だったか5回だったか、日をまたいで何度も巻き直しして、ようやく及第点をつけました。
及第と言っても少し離れて見た時に違和感がない程度で良しとした具合で、ほかのバーテープを巻いていた時から比べると、幅が不均等であったり仕上げは多少荒っぽくなってしまいました。
綺麗に巻こうとすると、一旦巻き始めたら息を呑むようにして、渾身の力でこれでもかと引っ張って、全て巻き終えるまで休めないような、そんな作業になります。
笑い話のようですが、このバーテープを巻く作業で喉が渇いて息切れしました。
これまでバーテープを巻く作業でお店を頼ろうなどと考えたことはなかったですが、余程依頼しようかと思ったくらいです。
(車体の写真を撮るくらいの距離であれば粗も目立ちませんが、近づくと左右が多少不均等だったりします…)
筆者はお世辞にもバーテープを巻くのが上手い方だとは思っていないので、上手な方が行えばもっと楽に巻けるのかもしれません。
ただ、はじめてバーテープを変えるような方は、選ぶと大変な思いをする可能性が高いかとは思います。
「引っ張って巻く」という巻き方の基本に忠実でないと綺麗に巻けないという点では、ある意味教材として良いのかもしれませんが…。
逆を返せば、これをまともに巻ければ大概のバーテープは巻けると思います。
なお、とりあえず巻いて一晩寝かせたら、次の日に巻く時は多少ながら伸びやすくなったように思います。どうしても巻けない際はお試しください。
さいごに
必要十分なグリップや高い振動吸収性などは評価できるものの、筆者が今までに使ったバーテープの中ではいちばん巻くのが大変なバーテープで、握りも薄くはなく、マイナス面がない訳ではありません。
しかし、見た目はピカイチで、目立ち度合いでは他の追随を許さないといっても過言ではないものかと思います。
実用性を確保しつつ、自分の自転車を没個性的にせず唯一無二のものとして目立ちたい。そんな方にはおすすめできるバーテープではないかと考える次第です。