筆者が自転車をはじめたのは、もう7年も昔の事になります。
【筆者と自転車】では、筆者の自転車との馴れ初め、そしてどうしてヒルクライムを楽しむようになったのか…を思い起こしながら綴ってゆきます。
どこにでもいるいちサイクリストの、どこにでも転がっていそうなお話しですが、自転車を趣味にしようか検討している方などに響けば良いなと思って、書いてみるものです。
▽前のお話
目次
はじめてのサイクリング
はじめてのサイクリングは、大学生になる前の日、3月31日でした。
多摩に引っ越してきたのが27日、ママチャリを買ったのが28日なので、引っ越してすぐです。
動機は2つありました。1つ目は「ここが本当に東京なのか確かめたかった」です。
親の車で爆睡しているうちに多摩に着いてアパートに入り、親は宮城に帰っていきました。
そんな具合で多摩に来たので、理解はしていても上京したという実感がなかった訳です。
多摩の風景が宮城でいえば中山のような具合で、宮城と似た景色なのもあって尚更実感が湧きませんでした。
そのため、ここが本当に東京なのか実感出来る形で確かめたいと考えた次第です。
2つ目の動機は「高校生最後の日に、何か最後に相応しいことをやりたかった」です。これはあえて解説するまでもないでしょう。
こんな動機で、はじめてのサイクリングを行うことにしました。
目的地は新宿に設定しました。甲州街道を真っ直ぐ行けば着くため地理不案内な上京当初の筆者でも大丈夫だというのと、田舎者の筆者でも名前を聞いた事のあるくらいの大都会で、行けば東京に来た実感を得られるだろうと考えたのがその理由です。
片道30km強ですが、帰って来れるか…といったことはさほど心配しませんでした。
そんな具合で3月31日、決行。新宿駅まで行って、何をするでもなくUターンして帰ってきました。
世田谷からの首都高を見て、新宿副都心を見て、ここは確かに東京だと実感できた。そんなサイクリングが、筆者にとっての初サイクリングでした。
ママチャリで東奔西走(誤用)
その後の筆者は、時間が取れるとや家を拠点に東西南北をママチャリで開拓してゆきました。
新宿に都庁があって無料の展望台から絶好の眺望が得られると聞き、再度新宿へ。
北には多摩湖という湖があると知り、モノレール線沿いに北上して見物へ。
米軍横田基地が西の方にあると聞いて、見に行ったりもしました。
あとは、名前だけ知っていた高尾山を登ってみたいと思い、高尾山口までサイクリングして高尾山を登山したりもしました。
まだ自転車に乗ることそのものが楽しいというよりかは知らない土地を開拓してゆくことが楽しいという動機でしたが、筆者はどんどんサイクリングを好きになってゆきます。
サイクルコンピュータの導入
時系列が曖昧なのですが、サイクルコンピュータを買いました。ハンドルに着いている白い箱状の部品です。
キャットアイのベロ9、有線の一番安いモデルです。
動機は単に速度を知りたかったからです。しかし、このベロ9には走行距離を計測してくれる機能がついており、これが筆者を変えることになりました。
何km走れるか…と、走行距離を伸ばしていくことに楽しみを感じるようになったのです。
毎週東西南北を走り回りましたが、かなりの頻度で行っていた甲州街道ライドも新宿止まりでなく池袋まで足を伸ばすなど、どんどん距離を伸ばしてゆきました。
余談ながらこの時購入したベロ9は都合6年使いました。後に購入した無線式がどんどん壊れていく中で、ベロ9はずっと安定して稼働していました。
社会人になってからは室内ローラー機につけており、汗をハンドルに垂らしたままにしていたら基盤が錆びてしまって読み取りが悪くなったため退役としましたが、自分を自転車に引き込んでくれた記念品として今でも捨てずにとってあったりします。
輪行袋を買いに行く
ママチャリで走りながらも、クロスバイクを欲しいという思いは消えませんでした。どころか、どんどん強くなってゆきました。
インターネットで各社のHPや個人のブログを読み漁り、「GIANTのエスケープR3」ならば間違いはないと判断し、これをいつか買おうと決めました。
しかし、5万円は学生にとって大金です。筆者は上京してしばらくアルバイトをしなかったのもあり、5万円をぽんと支出できる状況にはありませんでした。
なかなか踏ん切りはつかなかったため、先に輪行袋を買うことにしました。
夢にしている東京→仙台ライドをやるなら絶対に必要になるものだから、という判断です。
色々調べて、ワイズロードというお店の存在にたどり着きました。そして、ママチャリで片道20km強サイクリングして、環八のワイズ(当時は存在しました)に行き、購入しました。
本格的な自転車店に入るのははじめてで、自分の全財産をゆうに超える自転車群におっかなびっくりでしたが、無事に輪行袋を購入しました。
結果的にはこれが正解で、輪行袋を買ってしまった以上無駄にできないとの思いが、後にクロスバイクを買う時に大きな後押しになりました。
自転車をはじめたいとお考えの方で、お値段に二の足を踏まれているような方がおられたら参考にしていただきたいところです。
なお、ワイズロードが家から5kmも離れていないところにもあるのを知ったのは、結構後になってからでした(府中多摩川店)。
存在を知った時は環八まで行った苦労はなんだったんだと内心ずっこけましたが、今ではそれも良い思い出だったりします。
ママチャリで100kmライド
上京して半年が経ち、10月。多摩川をひたすら西に走り、そこから北上して新宿-池袋と回って、甲州街道で多摩に戻ってくるサイクリングをしました。
満身創痍になりましたが、何とか達成。dstメーターが100を回った時の嬉しさは忘れられません。
それと同時に、ママチャリの限界を感じました。
もちろん走れる人が乗ればもっと走れるのだろうということは分かっていました(4年後の自分が証明しています)が、これをひとつの到達点と捉えてクロスバイクを買ってもいいんじゃないか。
そんなふうに考えて、遂にクロスバイクを買うことに決めました。
クロスバイクの購入
ちょうど9月にアルバイトを初めて、初めての給料が4万円くらいでした。貯金が1万円ほどあったため、これと合わせて5万円です。ぽっきり5万円を引き出して、近くのスポーツデポへ。
お目当ては赤のエスケープR3でした。当時、赤が自分のパーソナルカラーだと思っていたためです。
しかし、赤は最新年度のモデルしか無く、5万6000円。6000円安い型落ちに赤がありませんでした。
店員さんに型落ちモデルの在庫を聞くと、黄色ならあることを教えてもらいました。小一時間悩みましたが、黄色も目立つし良いだろうと思うことにして、遂に購入する事にしました。
店員さんから車輪の外し方と付け方を教えてもらい、おっかなびっくり乗り出し。思ったほど怖くはなく、スムーズに乗り出せました。
ママチャリとは違ってカッチリしていて、スムーズ。立ち漕ぎをすれば軽やかに進み、バチバチ決まる8段変速でどんどん加速して行きます。これはすごい乗り物だと感じました。
ついに憧れだったクロスバイクを手にした筆者は、次の週末からサイクリング三昧になります。
▽次のお話