筆者が自転車をはじめたのは、もう7年も昔の事になります。
【筆者と自転車】では、筆者の自転車との馴れ初め、そしてどうしてヒルクライムを楽しむようになったのか…を思い起こしながら綴ってゆきます。
どこにでもいるいちサイクリストの、どこにでも転がっていそうなお話しですが、自転車を趣味にしようか検討している方などに響けば良いなと思って、書いてみるものです。
▽前のお話
目次
クロスバイクでの初ライド:海を見に平塚へ
クロスバイクでの初ライドは、海を見に行くことにしました。
筆者は山育ちで、大学も海から遠い多摩だったため長らく海を見ていませんでした。
ママチャリ時代も南は比較的未開拓だったため、クロスバイクを手にしてはじめてのサイクリングで海を見に行ってみようと思い立った次第です。
往復で90kmのライド。平塚の高浜台で海を見て、無事に帰ってきました。
クロスバイクになったからといって劇的に楽になる訳ではなく、車体に慣れていないこともあってある程度の距離を走れば疲れることは疲れます。
しかし、ママチャリとは違った爽快感があって、とても楽しいサイクリングとなりました。
はじめてのヒルクライム:大垂水峠
その次の週は、相模湖へ行きました。ママチャリで西に行った時は高尾山口止まりだったため、その先を目指してみたいと思い至った次第です。
下調べに航空写真を見ると、相模湖が緑溢れる山のなかにあることが分かりました。大丈夫か?と思いさらに調べると、道中に大垂水峠なる峠道があることが判明しました。
しかし、調べる限り「大垂水峠は初心者向け」という情報しか出てこず、まあ大丈夫だろうと考えて出発しました。
八王子の街中を疾走して、高尾をすぎて未知の世界へ。
早々にフロント28Tに落としましたが、軽すぎて進まず。
だからといってギアを重くしたら全く踏めず、どうしようもなくなりました。
たまらず足をついて休み、また乗っては休み…を繰り返してなんとか登りきりました。30分くらいかかったのではないかと思います。
どこが初心者向けなものかと、ネットの情報は鵜呑みにしてはいけないと身をもって感じました。笑
その後は相模湖まで心地よいくだりを楽しみ、相模湖でひと休憩してまたノロノロと登り返して帰ってきました。
腰はバキバキに痛む上に爽快感からは程遠く、二度と登りなんか走るかとまで思いましたが、当時の筆者が7年後の自分を見たらどう思うか聞いてみたいところです。
200km完走
その後は自転車にどんどんのめり込んでいきました。
もはや恒例になった新宿ライドに足して皇居あたりまで足を伸ばして東京見物したり、所属していたサークルのイベントに合わせて羽田空港までサイクリングしたり。
エンドバーをつけると長距離が楽になると聞いて、早速買ってきて取りつけました。また、前傾すれば空気抵抗が少なくなって速く走れるというのを鵜呑みにして、ハンドルを下げ切り。
しかし前傾がつらすぎたためリラックスしたポジションも欲しくなり、エンドバーを上向きにセットして高い位置に手を置けるように(邪道の極みなので真似しないでください)。
合わせてハンドルの内側にセットして空気抵抗の少ない擬似エアロポジションを取れるように。この時期、割と迷走していました。笑
自転車を購入して3ヶ月強が経ち、年が明けて2月になっていました。寒い時期ですが東北と違って路面も滅多に凍結しないため、ウインドブレーカーと軍手で走り回っていました。
2月の最初の週末は、横浜を目指すことにしました。ただただ行ったことがないからというだけの理由です。
しかし朝早く出発したため午前8時頃には早々に到着。来た道を引き返すのもつまらないなと感じ、そのまま進むことにしました。目指すは記念艦三笠がある横須賀です。
颯爽と走って、あっという間に到達。自転車侵入不可で、盗難が怖くて駐輪もできなかったため、入口付近から三笠を撮影。
筆者は坂の上の雲を何度も繰り返し読むほど愛読していたため、話に出てきた戦艦三笠を生で見ることができて感動しました。
横須賀まで来て、尚更引き返す気をなくしました。そのまま三浦半島を回ってしまおうと思い、駆けました。脳内BGMは「You&I R134」(古瀬洋子さん)です。ウォークマンのプレインストールに入っていた曲で、とても好きな曲です。
歌詞に出てくる地名を辿るようなサイクリングで、開放感溢れる景色を楽しみながら、エンドレスでこの歌を口ずさんで走っていました。
平塚の高浜台まで走って北上して帰宅。ついに200kmを超えて、夢見ていた仙台への自転車帰省が現実味を少しずつ帯びてきました。
箱根の山は天下の険
その1週間後には、箱根へゆきました。
元々陸上部で箱根駅伝の5区のコースを実際に走ってみたいと思っていたところ、前の週に三浦半島から見た箱根の山並みがとても綺麗で登りたいと思い立った次第です。
小田原の街を過ぎて、だんだん登り始めます。箱根湯本くらいまではまだ元気でしたが、段々腰が痛み、踏めなくなりました。
大垂水峠の時と同じく、必死の形相で28-32Tまでギアを落として何度も休みながら、おそらく2時間以上かけてなんとか登りました。
待っていたのは、美しい芦ノ湖。富士山まで一望でき、素晴らしい眺めでした。
まだ登りが好きと言えるようなレベルには達していませんでしたが、登ったことで得られた達成感の大きさが心地よかったです。
くだって、もう走る元気はなかったため小田原からはじめての輪行。慣れない輪行でしたが、なんとか無事に多摩に戻ってきました。
どんどん走行距離を伸ばして、上昇気流に乗った筆者は、ついに夢である東京→仙台の実現に向けて動き出します。
▽次のお話