"GRIMPEUR"

…グランペール…

自転車(クロスバイク)で、東京から仙台まで走った話。

筆者が自転車をはじめたのは、もう7年も前のことです。

自転車を趣味にするにあたっての筆者の夢は「東京から仙台まで自転車で帰ること」でした。

最終的に都合3回帰仙したのですが、これは初めてチャレンジした時のお話です。

目次

2016.03 東京→仙台サイクリングに失敗した話

2016.05 東京→仙台サイクリング①計画&準備

2016.05 東京→仙台サイクリング②多摩→4号線

2016.05 東京→仙台サイクリング③4号線(栃木)

2016.05 東京→仙台サイクリング④4号線(福島-仙台)

さいごに

 

2016.03 東京→仙台サイクリングに失敗した話

前年の10月に自転車をはじめた筆者。

東京都を東西南北走り回り、2月にはついに200km超えも達成。

夢であった東京から仙台への自転車での帰省が、現実味を帯びてきました。

そして2016年3月初旬。ついに実行に移しました。

 

前日は昼前から睡眠。別段理由はなく、夕方スタートを選びました。夕方5時頃に多摩地域にあった自宅を出発しました。

服装は、当時はまだサイクルウェアを使っていなかったこともありごく在り来りなジャージ。

リュックを背負ってそこに輪行袋やパンク修理機材等を入れこみました。

車体は、エスケープR3です。買って4ヶ月にも関わらず、ドロップハンドル化されている等かなり手は入れていました。

 

自宅を出て早速、帰宅ラッシュに巻き込まれました。渋滞です。

ろくに進まず、ダラダラと北東へ進みました。

東京都を出て埼玉の新座市に入る頃にはすっかり陽も落ちて、交通量も減ってある程度快適なサイクリングに。しかし、何度も道を間違えて、無用なオーバーランを繰り返しました。

東京→仙台は国道4号線をひたすらゆけばよいのですが、筆者は多摩スタートだったため、多摩から国道4号まで70kmほど北東に進む必要がありました。この道の下調べが不十分で、かなり迷ってしまった次第です。

20円で自転車通行可の謎な有料道路を通ったりしながら、埼玉県北部で何とか4号線に到達。しかし、ここに至るまでに、弱雨に打たれて身体を冷やしてしまいました。

自転車料金箱

福島までの残り距離は埼玉県から書いてあって、心を折りにきます

そして、かなり重かったリュックが身体を縛り、既に腰が痛みはじめていました。

 

かなり疲弊し、まだ埼玉県の「道の駅 ごか」にて小休憩を決意。しかし外気温は1度で、寒すぎてとても止まっていられたものではありませんでした。

この時点で時間は夜の10時を過ぎており、さらに悪いことには寒さによりスマホの充電が切れかかっていました。今にも充電が落ちそうで、最寄りに駅があるのかさえ調べられなくなりました。

道の駅ごか

 

たまらず、再度走行を開始。用意していたライトがそれほど明るいものではなかったため路面のギャップを見落として突っ込んだり、散々な思いをしながら北上しました。

あまりにも寒く、どこかで休憩できないかと考えましたが、地図が使えずひたすら前進するしかありませんでした。

そのうち、コンビニの灯りを左手に発見。あの時ほどコンビニの明かりがありがたく思えたこともありませんでした。コンビニに入り、暖かい味噌汁などを沢山購入。

順繰りに飲んで身体を温め、さらにモバイルバッテリーを購入してスマホを充電しました。

少し温まったところで、再度北上を開始。午前1時くらいだったかと思います。

もうこの時点で仙台まで帰省するなどは考えられず、小山から電車で帰ろうと考えました。3時頃だったか、ボロボロになって小山駅に到着し、寒さで震えながら居合わせた方とお喋りして始発を待ちました。

居合わせた方は海外の方でした。多少酔っておられて、カタコトの日本語で自転車で旅する人を応援したい等仰せられて、暖かい紅茶を僕に買ってくれました。

小山駅の在来線ホームで手を振って別れてそれっきりですが、忘れられない思い出であったりします。

 

結局、通勤ラッシュで埼玉県北部で輪行を早々に断念。帰りも60kmくらい走って、なんとか多摩の家に戻りました。

 

自転車を初めてから上昇気流に乗るように走行距離を伸ばしてきた筆者にとって、このサイクリングは初めての大失敗でした。

反省としては、まず天候を読まなかったこと。

そして、リュックを背負っていたこと。さらに、ライトが弱すぎた事です。

ルートの予習が不足していたことも挙げられます。

暖かくなってきて再度挑戦しようと考えた時には、これらの反省をしっかり活かして計画を立てました。

 

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2016.05 東京→仙台サイクリング①計画&準備

再度の挑戦は、暖かくなってきたGWとしました。

上記の失敗をもとに、まずは風向きが南の日、そして雨が降りそうにない日を選びました。

また、ライトは前回よりは強力なものを用意。服装は変わらずジャージですが、リュックを背負うのはやめてフレームバッグとサドルバッグに全てを詰め込むことにしました。

さらに、DHバーを用意しました。

都心や河川敷のサイクリングロードでは間違っても使える装備ではありませんが、まっすぐで道が開けて路肩がとても広い4号線なら有用だろうと考えたためです。

DHバーは、可能な限り手前側に引いてセットしました。アームレストを、上ハンドルよりさらに楽なポジションとして使いたいと考えたためです。

また、DHバーをセットするそもそもの目的が速く走ることではなく体重をアームレストに預けることで上体を休めることであり、バーを持った時の前傾を可能な限り緩くしたいと考えたのもあります。

道順は4号に着くまでの交差点ひとつひとつと左右を全てメモし、ステムに貼り付けしました。

 

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2016.05 東京→仙台サイクリング②多摩→4号線

出発は午前1時過ぎ。前回出発早々に帰宅ラッシュに巻き込まれたことへの反省です。

東京→仙台サイクリング①出発時記念撮影

車通りも少ない甲州街道を渡って、人っ子一人いない国立の街並みを走って、府中街道から志木街道を北東へ。前回が嘘のようにあっという間に埼玉県入りし、なおも快調に進みました。

東京→仙台サイクリング②埼玉県入り

明るくなってきたあたりでさいたま新都心を過ぎて、さらに北上。

蓮田付近で、この旅唯一のミスコースをやりました。頭上1.9mのものすごく低い高架をくぐって、何とかリカバリー。

オーバーランは最小限に抑えて、4号線目指して走りました。

出発から70km、まだまだ全然余裕ですがコンビニで補給をしっかり取って、ついに4号線に到達しました。ここから、ひたすら真っ直ぐが続きます。300kmの直進です。

東京→仙台サイクリング③6時頃、4号線に到達

 

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2016.05 東京→仙台サイクリング③4号線(栃木)

4号線は車の流れは速いですが、路肩がとても広いので明るければとても走りやすい道でした。

DHバーをかなり積極的に活用しながらするすると進み、前回の苦労が嘘のようにあっという間の栃木県入り。小山付近で100kmです。

東京→仙台サイクリング④小山付近で100km到達

東京→仙台サイクリング⑤R4の100kmポスト

宇都宮を過ぎると、風景が一層、自然に溢れたものとなります。道は比較的広いままなので、基本的には走りやすいです。

 

栃木県の後半は、県境に向けて登ります。じわじわと登っており、少しずつ身体を痛めつけてきます。道も少し細くなるところがあり、走りにくさを感じることもあります。

県境手前で200km。登っている途中でしたが、かなり腰にきて30分程度の小休止を取りました。しっかりストレッチをして、走ることはできる程度なので走行を再開。

東京→仙台サイクリング⑥那須にて200km到達

登りが終わると、一気に爽快な下りに入ります。くだりがほぼ終わろうとする頃、福島県の看板が目の前に現れます。ついに関八州に別れを告げて、東北入りです。

東京→仙台サイクリング⑦東北への入口

 

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2016.05 東京→仙台サイクリング④4号線(福島-仙台)

福島に入ってからは東北に帰ってきた嬉しさと達成感で、上機嫌になって軽快にペダルを踏んでゆきました。

東京→仙台サイクリング⑧R4の200kmポスト

腰の痛みが無くなった訳ではありません。本当に仙台まで辿りつけるかはまだまだ分からないところです。

しかし、幸いにして南風のアシストを得られました。

福島県に入ってからはくだり基調な道が多いこともあって、自分でも驚く程の速度であっという間に距離を刻んでゆきました。アベレージスピードがどんどん上がっていくという驚きの事態。

郡山市で、青看板にようやく仙台までの残り距離が出てきます。約130km。

何らかのトラブルがなければ完走はできる距離です。

そのままバイパスを快調に走り続け、山の上から眺めた福島市に下ってゆきます。

福島市には17時頃の到着。

東京→仙台サイクリング⑨福島市街・阿武隈川を渡る

300kmを超えて、身体はまだまだ余力が残っていました。

東京→仙台サイクリング⑩福島市街をすぎて、300km到達

目の前に山並みが見えてきます。これが福島-宮城の県境を為す国見峠と思われ、力が入ります。

東京→仙台サイクリング⑪最後の関門が見えてくる

出来れば国見峠を明るいうちに抜けたかったのですが、そうはいかずあと60km程度を残して完全に日没。

車道も狭くなり、気を遣います。ハイビームに視界を奪われたり、段差を踏んで失速したり。

また、得体の知れない動物の鳴き声がすぐ左の森の中から響いてきたりして、おっかなびっくり走っていました。

そんな艱難辛苦を乗り越えて、登ったところで遂に宮城県の看板が。

東京→仙台サイクリング⑫ようやく宮城県

 

東京→仙台サイクリング⑬R4の300kmポスト

白石までくだり、また広くなった道を走り続けます。国見峠で身体は相応に消耗していましたが、ここまで来ればあとはわずかです(といっても50kmくらいはあるのですが)。

あと少し、と念じて、積極的にペダルを踏んでゆきました。

 

大河原で最後の補給として入ったセブンイレブンで、何を考えたか「冷やしぶっかけうどん」を購入して身体を冷やし、あと30kmまで至りながら寒さで一時的にストップしたりしましたが、温かいものを追加で購入して何とか走行を再開。

 

岩沼、名取を過ぎ、296km走った4号線に別れを告げて仙台市内へ。

東京→仙台サイクリング⑭4号線に別れを告げる

時間は夜の23時を回っていました。気分はもうウィニングラン。

誰もいない仙台の夜道を、1人興奮しながら走っていました。自転車、その前は陸上競技を長くやってきましたが、この時ほど嬉しかったこともありません。

ついに23時39分、仙台駅に到着。23時間、373kmの長い旅が終わりました。自転車をはじめた時の「夢」を、達成した瞬間でした。

東京→仙台サイクリング⑮「夢」を叶えた瞬間

 

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さいごに

ブルベ等でロングライドを楽しむ方も多く、そうした方にとっては「たった」400km足らず、なのだろうと思います。

もっとすごい方々がたくさんおられる…ということを知ったのはもう少し後になってからでしたが、この時は素直に、自転車をはじめた時の夢であった「大学のある場所から仙台まで自転車で帰省する」を達成出来て心底から嬉しかったです。

 

その後は数日実家に滞在した後、仙台駅から輪行して東京に戻りました。

中央線は激混みで輪行出来そうにもないと思えたため、東京駅から多摩まで40km自走。数日経っても身体はバキバキでペダルを踏むのがものすごく辛かったですが、緩々走って何とかたどり着きました。

府中四谷橋まで帰ってきた時、快晴の青空のもと、遥かに薄く富士山を望めました。

とても美しかったのを覚えています。

旅の終わり

 

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