「整備の部屋」では、ロードバイクやクロスバイクの整備に関わる情報を発信します。
⚠自転車は命を預ける乗り物です!少しでも不明な点、不安な点があれば、ショップ等信頼出来る人に確認してください!
目次
スポーツバイクのブレーキの音鳴り調整③実作業(トーイン付け)
はじめに:スポーツバイクのブレーキの音鳴りについて
スポーツ自転車のブレーキは、(シマノブレーキ×アルミホイールのようなよく見かける組み合わせであれば)非常に静かです。
マビックやカンパニョーロ等の一部ホイールのようにリム(車輪の外周部分)面にブレーキの効きを良くするための加工がされていたり、ホイールがカーボンリムのものであったりするとこの限りではありません。
しかし、前述のような大多数の方が使用されている組み合わせであれば、ブレーキングした時にママチャリのようにものすごい音がすることはありません。
ただ、それもブレーキシュー(ブレーキのゴム部分)とリムが上手く馴染んだ状態となった場合です。
ブレーキシューの取り付けが不適切な場合、ママチャリ顔負けな音がしてしまう場合もあります。
このような場合の調整について、今回は解説します。
スポーツバイクのブレーキの音鳴り調整①必要工具
必要工具は、アーレンキー(六角レンチ)です。
また、調整の為に1mm程度の厚紙等が必要となります。ブレーキシューチューナーという専用工具があるようですが、厚紙で充分代用可能と個人的には考えています。
スポーツバイクのブレーキの音鳴り調整②最初に確認すべきこと
いきなり作業に着手するのではなく、先ず以下を確認するとよいです。
確認事項①:片効きしていないか?
片効きといって、ブレーキを握った時に一方のブレーキシューが他方より先にリムに当たるようになってしまっていると、音鳴りの原因となる場合があります。
別記事で調整の仕方を解説しておりますので、そちらをご確認ください。
確認事項②:ブレーキシューは同じ高さで取り付けられているか?
真正面からブレーキ本体を見た時、ブレーキシューは同じ高さで取り付けられているでしょうか。
同じ高さになっていない場合、ブレーキ本体のシュー固定ボルトを緩め、同じ高さにして再度固定してみてください。
また、ブレーキシューがタイヤに当たっている場合等リムのブレーキ面から逸脱している場合は、シューがブレーキ面に収まるよう、ブレーキシューの固定位置を変更する必要があります。
ブレーキ本体のシュー固定ボルトを緩め、同じ高さにして再度固定してみてください。
確認事項③:ブレーキシュー・リムは汚れていないか?
ブレーキシュー、リムの汚れが音鳴りの原因となっている場合もあります。
明らかに汚れている場合、一旦クリーニングしてみると良いです。
スポーツバイクのブレーキの音鳴り調整③実作業(トーイン付け)
上記確認事項に問題なく、かつブレーキングした時に音鳴りする場合は、ブレーキシューのトーイン付けを試しましょう。
手順①:ブレーキ本体のシュー固定ボルトを緩める
先ずはブレーキ本体のシュー固定ボルトを緩めます。緩めるときは、ネジを反時計回りに回してください。
ブレーキシューが動く程度に緩めればOK(抜ききらなくてOK)です。
手順②:シューの後ろ側に厚さ1mm程度の厚紙等を挟みながら、再度シューを固定
その後、ブレーキシューの後ろ側に厚さ1mm程度の厚紙等を挟みながらブレーキシューを固定します。固定するには、前の手順①で緩めたネジを時計回りに回して締める必要があります。
固定したブレーキシューは、シューの前側が後ろ側より先にリムに接するようになるはずです。これだけで、音鳴りの発生をかなり防げます。
作業は以上です。作業後には上記の確認事項を確認するのを忘れないようにしましょう。