「整備の部屋」では、ロードバイクやクロスバイクの整備に関わる情報を発信します。
⚠自転車は命を預ける乗り物です!少しでも不明な点、不安な点があれば、ショップ等信頼出来る人に確認してください!
※リムブレーキについてはBR9000、5800想定で記載しています。型式により調整ボルトの位置や、回す方向等異なる場合があります。
目次
ロードバイク・クロスバイクのブレーキの片効き調整①:必要工具
ロードバイク・クロスバイクのブレーキの片効き調整②実作業(Vブレーキ)
ロードバイク・クロスバイクのブレーキの片効き調整③実作業(キャリパーブレーキ)
はじめに:ロードバイク・クロスバイクのブレーキの片効きとは
スポーツ自転車におけるブレーキの片効きとは、ブレーキシュー(ブレーキについているゴム)がホイール(車輪)に対して左右対称となっておらず、ブレーキレバーを引いた時に一方のブレーキシューが先にホイールに当たってしまう状態のことを言います。
このままだと、設計通りの制動力が得られません。また、ダンシング(立ち漕ぎ)をした時など、ホイールがたわんだ時にブレーキシューと接してしまい、減速に繋がってしまうこともあります。
ロードバイク・クロスバイクのブレーキの片効き調整①必要工具
必要工具ですが、ブレーキによって異なります。
Vブレーキの場合
クロスバイクに採用されていることが多いVブレーキの場合、調整の際に回すのはブレーキ本体の両側についているネジです。
このネジの規格にあった、プラスドライバーもしくはアーレンキー(六角レンチ)を用意してください。
キャリパーブレーキの場合
ロードバイクやフラットバーロードに採用されているキャリパーブレーキの場合は、ブレーキワイヤーの後ろ側にあるネジを回します。
大概はアーレンキーで回せる六角ネジだと思います。規格に合ったアーレンキーをご用意ください。
あまり無いですが、ブレーキ本体が大きく動いてしまっており調整ネジでの調整範囲を超えている場合は、ブレーキ本体の固定から見直す必要があります。
この場合は、フロントフォーク・リアブレーキの取付ブリッジに付いている、ブレーキ本体取り付けネジに合うトルクレンチ、もしくはアーレンキーを用意してください。
ロードバイク・クロスバイクのブレーキの片効き調整②実作業(Vブレーキ)
まずはVブレーキの場合です。
手順①:ブレーキ本体を真正面から見つつ、ブレーキレバーを握る
まずは、どちらのブレーキシュー(ブレーキのゴム)がホイール(車輪)のリム(外周部分)に当たるかを特定する必要があります。
そのため、ブレーキ本体を真正面から見つつ、ブレーキレバーを少しずつ握ってみます。
手順②:ブレーキシューが先にリムに接する側の調整ボルトを締める
ブレーキシューが先にリムに接する側の調整ボルトを、1/4回転目安に締めます。
手順③:もう一度手順①を実施
調整ボルトを締めこんだら、もう一度手順①を実施します。
まだ先程と同じ側のブレーキシューが先にリムに当たる場合は、さらに手順②のとおり締めこみます。
同じタイミングで左右のブレーキシューが当たるようになれば、ここまででOK。
逆側のブレーキシューが先にリムに当たるようになった場合も、手順②に戻ってください(回すネジは、新たに先にリムに当たるようになった側=これまで回していたのと逆側です)。
なお、シューがリムに遅れて接する側のボルトを緩めることでも調整できます。締める一方の調整では限界があるので、適宜緩める調整も挟んでください。
ロードバイク・クロスバイクのブレーキの片効き調整③実作業(キャリパーブレーキ)
キャリパーブレーキの場合も回すネジが異なるのみで、やり方の大筋はVブレーキと同じです。
手順①:ブレーキ本体を真正面から見つつ、ブレーキレバーを握る
まずは、どちらのブレーキシュー(ブレーキのゴム)がホイール(車輪)のリム(外周部分)に当たるかを特定する必要があります。
そのため、ブレーキ本体を真正面から見つつ、ブレーキレバーを少しずつ握ってみます。
手順②:調整ネジを回す
ブレーキを正面から見て、右側のブレーキシューが左側のブレーキシューより先にリムに当たる場合、調整ネジを1/4回転目処に締めてください。
逆に左側が右側より先に当たる場合、調整ネジを1/4回転目処に緩めてください。
同じタイミングで左右が当たるようになればOKです。
依然片側のシューが先にリムに当たる場合は、手順①に戻ってください。
手順③:調整ボルトの範囲を超えている場合
調整ボルトを一杯に締め込む、もしくは緩める方向に回してもなお片効きが直らない場合、ブレーキ本体の取り付けを修正する必要があります。
ブレーキ本体を固定しているネジを一旦軽く緩め、ブレーキシューを両側から挟み込んでリムに押し付けながら再度固定ネジを規定トルクで締めてください。