クロスバイクのエスケープR3をドロップハンドルに改造して「ロード化」したとする方が一定数おられます。
しかし、エスケープR3をドロップハンドル化してもそれは「ロード化」ではないと言う方も多いです。
そのような方々は、エスケープR3をドロップハンドル化して出来たものは「ドロハンクロス」だと言います。
今回は、どちらが適切な言い方なのか考えてみました。
目次
エスケープR3の「ロード化」①はじめに:簡単なようで案外難しい、線引き
エスケープR3の「ロード化」③結局、ロードとクロスの違いは、メーカーの言い方次第だと思う
エスケープR3の「ロード化」④言い方として無難なのは「ドロハンクロス」だけど
エスケープR3の「ロード化」①はじめに:簡単なようで案外難しい、クロスバイクとロードバイクの線引き
そもそも、ロードバイクとクロスバイクの違いはどこにあるのでしょうか。
この車種違いについては、大まかにロードレースを想定した自転車がロードバイクで、街乗りを想定したロードとMTB の中間取りの自転車がクロスバイクという分類でしょう。
しかし、大まかな線引きとしてはそれで良いとしても、個別の車種を想定して考えると線引は難しいとも思います。
例えば、下のトレック公式HPによれば、ロードバイクを「ドロップハンドル装備」「タイヤが細い」の2点で「クロスバイクと違う」と書いています。
しかし、上記のトレックHPの説明だと、クロスバイクでもタイヤを細くしてドロップハンドルを付ければ「ロードバイク化」するのではないかと考えられます。
また、逆の例としてはロードバイクにフラットバーを装備したような場合。
一部のメーカーはフラットバーにカスタムしたロードバイクを公式で出しています。
これらはフラットバーロードとされて、ロードバイクの一種と扱われることが多いように思います。
しかし、上のトレック基準だと、フラットバーロードはロードバイクにあたらなそうです。
Wikipediaの「クロスバイク」の項目を見ても、クロスバイク類似の車種であるフラットバーロードはクロスバイクとして扱われることもあると記載されています。
段々と、線引きが難しく思えてきました。
エスケープR3の「ロード化」②ジオメトリで考えてみる
タイヤの太さや、ハンドルの形状違いでクロスバイクとロードバイクの違いを明白に定義するのは、上記より出来ないと考えられます。
では、次の論点を考えてみましょう。
クロスバイクのドロップハンドル化について、クロスバイクのフレームとロードバイクのフレームではジオメトリが違うため、ロードバイクにはならないという説明を見かけます。
しかし、ロードバイクのジオメトリが年々マッタリ設計化しているため、クロスバイクとの間にジオメトリの決定的な違いがあるかといえばそうでもないように思えます。
例えば、グラベルロードを考えてみてください。
「ロードバイクらしい」ロードバイクに絞っても、例えばトレックのドマーネなどはどうでしょうか。
エンデュランスロードは、ジオメトリだけをみればクロスバイクらしい数字にかなりに寄っていった(ホイールベースの長さ、ヘッドチューブ長い、チェーンステイ長い、BBドロップ大きい等)設計が多く見られます。
また、クロスバイクはトップチューブの長さがロードバイクより長いからドロップ化には適さないとよく言われます。
しかし、エスケープR3の場合はフレームそのものを同程度のフレームサイズのロードフレームと比較した時に、トップチューブ長だけ突出して外れ値になっているようには思えません。
例えば、56サイズ程度のエンデュランスロードと、MサイズのエスケープR3を比較すると、近い値が多いはずです。
少なくとも、ジオメトリの数字だけを見てクロスバイクとロードバイクを決定的に区別するのは難しいのかなと思います。
エスケープR3の「ロード化」③結局、ロードバイクとクロスバイクの違いは、メーカーの言い方次第だと思う
設計、装備に明白な差別化点が見当たらない以上、結局のところ「そのバイクがロードバイクかクロスバイクか」を決めているのは「メーカーがどちらと説明しているか」によるものと思います。
その意味で、「ロードバイクに寄せる」という言い方として「ロードバイク化」という言い方は必ずしも間違っていないと思います。
しかし、エスケープR3をドロップハンドルに改造してロードバイクにした、という言い方に違和感があるのも分かります。(というより筆者自身も、感覚として違和感はあります。)
そのあたりの折衷をとった言い方が「ドロハンクロス」なのでしょう。
エスケープR3の「ロード化」④言い方として無難なのは「ドロハンクロス」だけど
上記より、無難な言い方は「ドロハンクロス」でしょう。
しかし、前述の検討から、個人的には「エスケープR3のロードバイク化」という言い方が本質的に間違っているとも、思えません。
ちなみに筆者はほぼ同重量のドロハンエスケープと、エントリーアルミロードを持っていますが、ヒルクライムを行っても2台に有意な差は認められないです。
体調の差で逆転する程度のタイム差しか出ません。ロードバイクとクロスバイクの差は、フレームが同じ材質&同程度の重量で、部品レベルが同等であればそんなものです。
結論としては、かどがたたない呼び名として「ドロハンクロス」でいいと思います。筆者もこう呼ぶことが多いです(説明が面倒な時に「ロードバイク」という言い方を使ったり、否定しない時はありますが)。
しかし、「ロードバイクにした!」という言い方も、必ずしも誤っているとも言いにくいのではないかなと、個人的には思います。
※この記事はあくまで筆者の私見です。