ロードバイク乗りを悩ませる要因の一つが、タイヤの空気圧でしょう。
感覚的には高いほうが転がるような気がしますが、低いほうがいいという説明もよく見かけます。
今日は、ロードバイクにおける最適なタイヤの空気圧について考えてみます。
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目次
ロードバイクのタイヤの空気圧の決め方①筆者の機材と、タイヤ空気圧
ロードバイクのタイヤの空気圧の決め方④結局実証実験するしかない
ロードバイクのタイヤの空気圧の決め方:はじめに
20分PWR5出せれば調子良いかな?というレベルの結構どこにでもいる人です。
ヒルクライムが好きですが、185cmあるので体重は63kgくらいと、
軽くありません。
ロードバイクのタイヤの空気圧の決め方①筆者の機材と、タイヤ空気圧
金欠学生だった時代に使っていた10kg8速のアルミロードと、社会人になってから購入した7kg台後半のカーボンフレームです。
前者にはGP4000s2の25cを使用、後者は試験的にIRCのFormula Pro チューブレス RBCC25cを使用しています。
前者は基本的に前後8.0bar運用です。
雨の次の日や非常に路面が悪いところを走ることが想定される時のみ0.2-0.4bar程度落とします。
後者については、90psi-1105psi(=6bar強〜8bar弱)指定ですが、現在は7barです。
ロードバイクのタイヤの空気圧の決め方②高いほうが良い派
筆者も含みます。
特にヒルクライムを好む人には、タイヤの空気圧を高めにすることを好む人が多いように思います。
フィーリングとしては、タイヤの変形量が小さくなるため転がり抵抗が減るように感じられます。
個人的にはダンシングをする時に、空気圧の違いは特に顕著に感じられるように思います。
GP4000S2で自分の場合、7barくらいまではまだ許容範囲ですが、7barを切ると途端に地面にへばりついたような感覚がでてきます。
7barを切るとなんというか、ぐりぐりねちょねちょした感覚がタイヤから伝わってきます。
7barを切ると、タイムも総じて遅くなる傾向にあります。
ロードバイクのタイヤの空気圧の決め方③低いほうが良い派
逆に、低いほうがいいという説明も見かけます。
というより、近年のトレンドは低圧だと思います。
メリットとしては、乗り心地の良さがまず挙げられます。
また、転がり抵抗も、高いタイヤよりむしろ良くなるという説明も見かけます。
実際の道路では路面のギャップがあるため、空気圧があまり高すぎると車体がバウンドしてトータルでは遅くなる場合もあります。
ロードバイクのタイヤの空気圧の決め方④結局実証実験するしかない
ここまでの約1000字程度の内容の薄い文章は前座です。
ここからが筆者の言いたいことです。
条件は千差万別
インターネット上で検索をかけると、似たような記事はごまんと転がっています。
丁寧に書いてあるものも多くて、自分も日々参考にさせていただいています。
しかし、それらの記事に示されているものは、答えであって答えではありません。
言い換えれば、それらの記事に示されているものはその記事を書いた人(等)にとっての答えであって、この記事を読んでいただいているあなたの答えでは必ずしもありません。
なぜなら、それらの記事中で実験(等)を行った人と、この記事を読んでいただいているあなたの条件は、ほぼ間違いなく同一では無いからです。
ざっと、タイヤの空気圧の変動要因となりうるものを思いつくままに挙げてみます。
・タイヤの太さ
・タイヤの推奨空気圧
・タイヤの設計方針、劣化
・乗り手の体重、車重
・前後荷重配分比
・フレーム付属の、タイヤ以外の部品
・乗り手が走るコース(平坦or登り、 その割合等)
・乗り手がダンシングを多用するか
・天候
・路面の整い具合と斜度の関係
・空気圧自体の前後比
まだまだあると思います。
パッと思いつくだけでも、これくらいはタイヤの空気圧を左右する要素があります。
実証実験の重要性:貴方のスペシャリストは、貴方自身
冒頭筆者のカーボンフレームでのチューブレスタイヤは7bar運用と書きましたが、これはまだ実験段階です。
あまり購入してから日が経っていない上、昨今のコロナウイルス騒動でろくに乗れていませんでした。
先日1回乗った限りで7barは低すぎるように思えたので、次は7.2barにして走ってみたいと思います。
また、アルミロードについては東京で乗っていた頃は8.2barを基本としていましたが、宮城県に引っ越して8.0barに落としました。
路面の荒れが宮城県のほうが大きく、車体がバウンドすることが増えたからです。
7bar台まで落とすと路面の粘りつきが気になってくるので、最終的に8.0barに落ち着きました。
結局、「自分に最適」を見つけ出すには想定する走行先を、条件を変えてひたすら走り込むしかないと思っています。
GP4000S2を使いはじめたのはもう3年近く前ですが、当初は6.8barから0.2bar刻みで変更しつつ上限まで試して走っています。
6.8barだと数字に現れて遅くなる・7bar台だと有意な差は出ないが8bar台まで上げたほうが明らかに走りやすい・上限まで上げると流石に硬すぎる、で8.2barに落ち着きました。
また、前後比の前を下げる人がいますが、試してみたところダンシングが重くなったため、前後1:1で落ち着いています(こちらはそれほど綿密に試していません…もっと細かくやればまた違うかもしれません)。
タイヤの件に限りませんが、「科学的に考えたらこうなんだ」が自分の最適には必ずしも当てはまりません。これは、科学が間違っているのではなくて、その実験の前提がそもそも自分の場合と違っているからです。
以上です。「最適解は必ずしも提示されていない」を念頭に置いたうえで、考えうるパターンをひとつひとつ試してみてください。
他の変数との組み合わせで最適解が変わることもあるため、試し切れないほどのパターンがあるはずで、本当の「最適解」にたどり着くのは実際問題として難しいと思います。
しかし、最適解を求めて行う実験も自転車の楽しみだと、個人的には思っています。