この記事は
の続きです。
まずはこちらをご一読くださいませ。
目次
カンチブレーキを使う
カンチブレーキといっても今の人からは最早何それ?という具合でしょうが、
こんなのです。
こちらは、ディスクブレーキがメジャー化する以前の大昔にシクロクロスバイクなどで使われていたものです。
Vブレーキ台座に取り付けられる上、シマノオフィシャルでSTIレバー互換がある、唯一のブレーキシステムとなります。
難点は、一般に制動力が低いと言われることでしょう。
筆者は使ったことがありませんので、具体的にどの程度とはいえませんが。
前の記事で紹介したTRPや、エスケープ純正のミニVのほうが、互換性を置いておいても効きが良いと言われます。
実際、シクロクロスの世界では、カンチブレーキのフレームで制動力を高めたい場合、ミニVに変える改造がよく行われていたようです。
(そもそも、前述TRP CXシリーズは、CXとつくことからも分かりますが、シクロクロスバイクを念頭に置いた製品です。)
カンチブレーキに変えることで、制動力が低下するかもしれません。
また、カンチブレーキは鉛直上方向にワイヤーが伸びていますが、ワイヤーのアウター受けをステムのコラムに固定するような形(言葉では非常に説明が難しいので、興味があればググってください)となります。
言い換えればコラムが無いとアウター受けを設置できないため、ステムをベタ付けに出来ません。
Vブレーキ・ローラーを使う
なんで昔の自分がこれを導入しなかったのか今もって不思議なのですが、Vブレーキローラーという、ワイヤーの間に挟むことで引き量をVブレーキ必要量に変換してくれるギミックがあります。
こちらは、ブレーキアームにワイヤーが入っていく部分のバナナを、この製品に取り替えるだけでOKです。
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…見当たりませんでした、、、。
▼参考として、ワイズロードさんの記事です。
Vブレーキ対応レバーを使う
STIレバーはVブレーキ非対応ですが、ドロップハンドルでVブレーキを使用するためのレバーも、あります。
テクトロRL520です。
このブレーキは、ぽん付けでVブレーキを動かせます。
難点は、ご覧のとおりシフトレバーがないため、別個に用意する必要が生じることです。
一般にフラットハンドルの径は22.2mmで、ドロップハンドルの径が23.8mmのため、フラットバー用のシフトレバーは、ドロップハンドルに付かない事が多いです。
対処法としては
①径22.2のドロップハンドルを用意
②シフトレバーをバーコンにする
③フラットバー用レバーのクランプ部分を削る
といったところでしょう。
①は、探せばあるにはありますが、あまり聞いたことのないメーカーであることが多く、オススメは出来ません。
ハンドルはかなり力がかかる部分なので、信頼性のある物を使いたいところです。
②は、ドロップハンドルのエンド部分に変速レバーを設置するものです。
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[rakuten:worldcycle:10032719:detail]
この バーコンは、ブレーキレバーとシフターが離れているため、STIレバーほど変速がスムーズにいかないのが難点です。
エスケープをドロップハンドル化して、ヒルクライムで1秒を削るような走り方をするのは筆者くらいでしょうが、タイムにシビアになるのであれば、バーコンはちょっと辛いです。
③、実は筆者が昔やったことがあります。
フロントシフトはSTIレバーとディレーラーに互換が無いため、フロントだけラピッドファイヤーシフターを、クランプ部分を無理やり削ってハンドルにはめて使っていました。
ほどなくロードコンポに一式載せ替えたため、耐久性のほどはわかりません。
とりあえず、勧めません、とは書いておきます。
キャリパーブレーキを付ける
フロントについては、フロントフォークをキャリパーブレーキ対応のものに変えてしまえば、それでOKです。
問題はリアですが、泥避け穴を利用してプレートを挟み、キャリパーブレーキを設置している改造は散見されます。
ただ、個人的にはちょっとプレートの耐久性が怖いなと思います。
リアブレーキはそもそも補助的な位置づけで、そんなにガッチリ効く必要も無いものですから、前後ともキャリパーブレーキに拘らずとも、リアはカンチブレーキ・フロントのみキャリパーブレーキの組み合わせの方が無難なのではないかなと思います。
伏兵・ギブネール
これを書くために久々に調べていて、バーコンからレトロシフトにたどり着きました。
レトロシフトは既知だったものの、レトロシフトがギブネールという製品に変わっていたことは初耳でした。
チェックしてみると、このギブネール、Vブレーキ対応ドロップハンドル用レバーを販売しています。
絶対に被らないと思われますし、ドロハンエスケープにこちらを採用するのも面白いと思います。
最後に
もうお分かりかもしれませんが、本質的にエスケープのドロハン化は性能向上を目指しての改造としては正しい選択肢ではありません。
純粋に走行性能が高い車体を求めるのであれば、エスケープにお金をかけるより、もう少し貯めて乗り換えた方がいいです。
ただし、"いじってみる"ことで自転車の仕組みを深く理解できるのは、改造を試みることで得られる、良い副産物だと思います。
愛着も増しますし、2台目以降を購入した場合にも知識は役立ちます。
自転車というそのものを深く理解することで、自転車への興味が深まって、趣味として長続きする可能性が高くなるようにも思います。
コスパ論だけではドロハンエスケープは悪い選択以外の何物でもないですが、やってみて一概に悪かったことばかりでも無いので、やりたければ、是非やってみるとよいと思います。