目次
激安×軽量カーボンサドル①はじめに
筆者は3年程度にわたり、「ISM PN3.0」を使用しています。
ISMのサドルはTT等では大きなシェアを誇るものの、ロードバイクに使用している人はあまり多くないかと思います。筆者も自身以外で使用している人に会ったことはないくらいです。
ロードバイクの世界ではマイナーなISMのサドルですが、ヒルクライムにおいては前乗りして体重をペダルにうまく載せていくことが大事で、そのような観点からこのサドルはTT向けといえどヒルクライムに向いているのではないかと考え採用しました。
結果としては大当たりで、それまで使用していたサドルに比して明らかに出力の値が上がりました。
しかし、そんなサドルにも弱点はあって、重量が比較的重いです。具体的には250g程。
とても重いというほどではありませんが、もっと軽いサドルは幾らでもあるのが現実です。
明らかにこのサドルを使用していると速いのは事実なので、メインで使用しているGIOSのみならず決戦用の軽量なEVOにもこのサドルを使用しています。
しかし、軽量さを大事にしたいEVOにこのサドルを使用するのはジレンマがありました。
もし仮にEVOのサドルを軽くしたらどのくらい走りが変わるのか…という疑問は長く持ち続けていました。
その疑問を解消するため、カーボンサドルを購入してみました。
激安×軽量カーボンサドル②購入したのは…
あくまでダンシングの振り等の挙動を確かめるために試しに導入してみたいというのが動機であり、何万円もするサドルを購入する気にはなれませんでした。
このため、税込3300円少々の激安カーボンサドルを楽天で購入。
「自転車のライトをつけようショップ」さんというところの製品です。
製品名が特段振られておらず、どこで製造された製品かも分かりませんが、公称115g±15%の非常に軽量なサドルです。
3Kグロス、UDグロス、3Kマット、UDマットの4種類があります。筆者はUDグロスを購入しました。
この手の激安カーボンサドルでどうしても気になるのが耐久ですが、レビューの中に2年間使用しているという方がおられるのを決め手にしています。
お試しとはいえ合うなら可能な限り長く使えればという思いはあったため、この製品を選んでいます。
激安×軽量カーボンサドル③到着!
注文後数日で到着。しっかりと緩衝材も入った状態で傷などもなく届きました。
取り出して最初の感想は、軽いの一言に尽きました。
カーボンサドルは軽い製品であれば40g台のGELUなどもあり、それらに比べればこの製品は重いです。
しかし、それまで使ってきたサドルが軽くとも200g程度のものであった筆者からすると、こんなに軽いサドルがあるのか…!と驚くほどの軽さでした。
そして座面の硬さ。当然のことながらクッションなど一切なくカチカチで、これを使えるのか…?と早速不安に。
早速取り付けしてみました。他の自転車で使用しているSP-01のセッティングを参考に、結構前下がりにしてセッティングしました。
カーボンサドルの特徴として、この製品に限らずですが、サドルレールの径が太いです。シートクランプによっては対応していない場合もありますので、ご購入の際にはお気をつけください。
筆者のEVOに使用しているSAVEシートポストの場合は、このサドルは一応問題なく固定できました。トルクレンチで5Nまで締め込んで、ガッチリと固定しています。
激安×軽量カーボンサドル④実走インプレ
見た目に反して、多少のライドではお尻が痛くなったりしませんでした。ごく普通のサドルと同等の座面の広さを持っており、しっかりと面でお尻を着座させられるためだと思われます。
股間部も開口部が大きく取られているため、前傾を深めても痛みは出ません。
総じて快適性については十分と言えるレベルです。
剛性は大丈夫なのかと気になりましたが、急勾配でしっかりとお尻を落ち着けてサドルをガイドにしてペダリングしても、サドルが変にしなるような感覚などはありませんでした。
座面がウェーブしており、お尻をしっかりとホールドしてペダリングをサポートしてくれます。
シッティングで登る際にも不安感を覚えるようなことはなく、ごく問題ない使用感と言えます。
そしてダンシングは、思ったとおり軽いです。サドルが軽くなるとこんなに振りが軽くなるのか…と驚きます。明らかにダンシングを持続できる時間が長くなります。
まとめると、使い勝手については良い意味で普通です。そして、ダンシングの軽さについては特筆すべきものがあります。
マスプロの製品であることにこだわりがない場合は、充分に選択肢足るサドルだと感じました。
長期の耐久性までは検証できていませんが、この手のサドルは一発のヒルクライムレースで使うためのものであって、常用するのに向いているものではそもそも無いと思います。
年に数回程度レースで使う程度であれば、耐久性は問題にならないのではないかと思います。
結局、筆者はサドルをISMに戻しました。このサドルは普通のサドルとして何ら申し分ないサドルですが、ヒルクライムの場合、筆者としてはやはりもう少し前乗りしたい感が強かったためです。
筆者がダンシングをそれほど多用しないのもあり、結局はより前乗り出来るISMのほうが速いと判断しました。
とはいえ、筆者のスタイルに合わなかっただけでまったくもって悪いサドルではないです。
筆者はISMサドルの殆ど先端に着座しており、その極端な前乗りが基準となっていますが、そこまで極端でない一般的な前乗り程度であればこのサドルでも十分可能です。
このため、大概の方々であれば問題なく使用できるかと思います。
お試しカーボンサドルとして、また資金にあまり余裕のない方の決戦用サドルとしても良い製品だと思いますので、興味がある方がおられましたら是非導入をご検討いただければと思います。