※この記事で掲載しているのは本ブログを立ち上げる前(2016.2.10)のライドですが、個人的な記録として残していたものを再編集しています。
目次
多摩→箱根ライド①きっかけ
きっかけは、前の週に行った湘南方面のライドでした。
遥か遠望できる箱根の山並みを目にした時、箱根に登ってみたいと思ったのがきっかけです。
もともと陸上部で、「箱根」は関東の象徴のようなイメージを持っていました。
陸上選手としては残念ながら全くもって大成せず、箱根を走れるような立場には遠く及びませんでしたが、いつか箱根は訪れてみたいと思っていました。
そんなこともあり、自転車で行ってみようと思い立ちました。
多摩→箱根ライド②アクセス
日野市の自宅を出発して、南下。相模原を抜けて、ダンプの行き交う129号を南下してゆきます。
厚木を過ぎて、進路を西へ。伊勢原まで来ると、それまでは遠かった富士山が大きく見えるように。
天気は快晴、前途を祝福してくれるような気持ちになりました。
高速道路に沿って進み、小田原へ。
小田原でコンビニ休憩していたとき、通りすがりのおばあさんに「何処まで行くの?」と訊かれました。箱根と答えると、「凍結しているかもれないし、危ないから気をつけて」と仰られ、チョコレートを下さりました。
回りのおばあさま方もバレンタインデーが近いから等と仰って、お菓子を次々に下さりました。帰宅後、美味しくいただきました。
小田原の街なかを抜けると、ようやく箱根への道がはじまります。
多摩→箱根ライド③箱根ヒルクライム
小田原の街なかを過ぎて、じわじわと登りがはじまります。
箱根洞門。「箱根といえば」の名所のひとつで、かの自転車漫画「弱虫ペダル」の1年生編IH1日目でも、洞門を抜けるシーンがあります。
また、箱根駅伝でも通るたび紹介されるスポットです。
しかし、数年前に使用されなくなり、国道一号は迂回路を通るかたちとなっています。
ひとでごった返す箱根湯本。写真は富士屋ホテルです。
湯本まではそれほどでもありませんし、国道一号全体として激坂と呼べるほどの急勾配はありませんが、じわじわと身体を傷めてきます。
ここまでに80kmほど走っていることもあり、腰痛発生。
平地ではそれなりに空走が入りますが、登りでは高出力で踏み続ける必要があります。
そのような走り方に、あまり慣れていないが所以でしょう。
大平台のヘアピンカーブ。箱根駅伝ではスポットのひとつとして、通過タイムが画面に表示されます。「弱虫ペダル」でいえば、チームを引かざるを得ない巻島先輩をおいて、箱学の東堂さんが加速したところです。
リュックを背負っていたこともあり、腰痛は頂点に。インナーロー28☓32Tでも回せなくなり、何度か休憩しながら登りました。
正確なタイムを測ってはいませんが、2時間以上はかかったかと思われ…ようやく最高点到達。「弱虫ペダル」の山岳賞ポイントです。
ここにたどり着けた時の感動はとても大きかったです。
多摩→箱根ライド④箱根の山は天下の険!
最高点を超えて、芦ノ湖までくだります。芦ノ湖はこれ以上ないというほどの快晴。
芦ノ湖と、箱根神社の紅の鳥居と富士山が織りなす景色は、まさに絶景でした。
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最高点まで登り直して、そこから一気に小田原までダウンヒル。
そこらのジェットコースターより何倍も楽しい、スリリングなくだりです。
そこでふっと頭に浮かんだのは、箱根駅伝を舞台とした小説「風が強く吹いている」で、6区山下りを走ったユキの台詞。
”走、お前はずいぶん、さびしい場所にいるんだね”
天才的ランナーで「風が強く吹いている」の主人公・走の速さを、山下りという勾配の力を借りて体感したユキの感想です。この台詞を垣間見た気分になりました。
ユキのそのときの速さ、そして走の速さは、1km/hを2分40秒ペースと作中語られています。
筆者のような凡人でも「ずいぶんさびしい場所」にいっときでもたどり着けるかもしれないと思い、高校生の頃は1500mをメインの種目としていましたが、1500mでさえその速度には到底たどり着けず終わりました。
しかし、自転車というツールを使えば、その速さ、”風の強さ”を擬似的に体感できます。全身の筋肉を躍動させてその速さを得るのとは異なりますが…。
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あっという間に小田原までくだって、そこから何十kmも走って多摩まで帰るバイタリティは残っていませんでした。
そこで、初めての輪行を決意。慣れない手付きで30分くらいかけて、袋詰めして小田急線に乗りました。輪行袋が蹴飛ばされないかヒヤヒヤしながらでしたが、特に問題なく帰宅。
とてもつらいヒルクライムでしたが、絶景というこの上ないご褒美があり、そして輪行というはじめての体験も問題なく出来たことから、とても良いサイクリングでした。