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小野田坂道くんのBMCのモデルは?小野田坂道くんのBMCについて、徹底考察してみた話。

目次

小野田坂道くんのBMC①「弱虫ペダル」と小野田坂道くんについて

小野田坂道くんのBMC②BMCとは?

小野田坂道くんのBMC③小野田坂道くんのBMCのモデルは?

小野田坂道くんのBMC④フレーム以外の部品は?

小野田坂道くんのBMC⑤小野田坂道くんのBMCを再現するには?

 

小野田坂道くんのBMC①「弱虫ペダル」と小野田坂道くんについて

4年の時を経て、先日遂に第5期がスタートした自転車アニメ「弱虫ペダル」。

ロードバイクという乗り物を世間に広く周知し、ロードバイクに乗る人を大きく増やす「弱ペダブーム」を生み出すほどの人気を博したアニメです。

そんな「弱虫ペダル」の主人公が「小野田坂道」くんです。

 

アニメオタクで、千葉県の自宅から往復90kmをママチャリで走って秋葉原へ行くことが習慣となっていた小野田坂道くんは、成り行きから自転車部に入部することになります。

フロントギアを小さくしたママチャリで培った高ケイデンスを武器に、次々と課される試練を乗り越えてゆきます。

そして、遂に総北高校自転車競技部の6人のインターハイメンバーの1人に選ばれます。

インターハイでは、その「意外性」を武器に存分に活躍。一年生にして、総北高校を総合優勝に導きます。

 

そんな小野田坂道くん、一年生インターハイ時点ではメーカー等不詳のクロモリフレームに乗っていました。

その後、総合優勝を契機に、総北高校自転車競技部と深い繋がりのあるサイクルショップカンザキより、小野田くんに提供されたのが今回考察する「BMC」の自転車です。

 

現在放送中の5期で小野田くんが駆るのは、この「BMC」の自転車となっています。

 

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小野田坂道くんのBMC②BMCとは?

BMCは、高品質なスポーツバイクフレームを製造しているメーカーです。現在の本拠はスイスにあります。

なお、BMCとは「Bicycle Manufacturing Company」の略。直訳すれば「自転車製造会社」というあまりにもそのままな社名です。

イタリアなどのメーカーは戦前からの歴史を誇るものもありますが、BMCは1986年創業と比較的新しいメーカーです。初のロードレーサーを販売したのも1999年。

2002年に入り、フォナック・サイクリングチームに供給を開始。以降、メーカー名を冠したBMCレーシングチームや、近年ではNTTプロサイクリング等にも供給を行っています。

2011年には、BMCレーシングチームのカデル・エヴァンスが、ロードレース最高峰の「ツール・ド・フランス」で総合優勝を収めています。

このように、歴史は浅いメーカーながら、確実な実績を持つフレームを製造しているメーカーといえます。

BMCは、Impec Labと呼ばれる自社の研究施設で、開発を行っています。

ACEテクノロジーと呼ばれる独自の技術を用いて、何万通りのシミュレーションを短期間で行うことで、高品質なフレームを生み出しています。

△現行BMC SLR01

 

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小野田坂道くんのBMC③小野田坂道くんのBMCのモデルは?

ここからは、小野田坂道くんのBMCのモデルについて考察してゆきます。

先ず、小野田坂道くんのBMCをよく観察できるシーン。

主人公ゆえ車体が映るシーンも多くありますが、静止画で確認しやすいのは、3期の序盤にクロモリの代わりにBMCを渡されるシーンが挙げられます。

「弱虫ペダル」に出てくる自転車は、必ずしも実売のものをそのままモデルにしていない場合も多いです。

しかし、小野田坂道くんのBMCは、ほぼそのままなモデルがあります。それが、こちらのモデル。

右から2番目の、マイヨ・ジョーヌ(黄色のジャージ、ツール・ド・フランス総合トップの証)を着用しているカデル・エヴァンスが乗っているのが、小野田坂道くんのBMCのモデルとなった車体です。モデル名はSLR01

なお、2011年末から一般販売はされたものの、全世界141台のみ。完成車税込126万円という、ロードバイクの価格が高騰した今だからこそ驚かない価格ですが、100万円あれば大概のハイエンドモデルは購入出来た当時にしてはかなりのプレミアムプライスでしょう。

日本入荷はわずかに7台。小野田坂道くんのBMCは身長的に50サイズかと思いますが、2台のみの流通です。

 

ysroad-nagoya.com

△ワイズロードさんの、当時のブログ。

 

マイヨ・ジョーヌカラーは上記の通りの限定販売ですが、BMC SLR01というフレーム自体はひろく市販されたフレームです。フレームセット462,000円55サイズで920gという、当時としてはかなり軽量なフレームでした。

ジオメトリを見てみると、チェーンステイ長が402mmという点が先ず目を引きます。

405mmが魔法の数字というのも最早死語で、近年は伸び伸びになる一方ですが、当時のSLR01は402mmというかなりの切り詰め方。

BBドロップも69mmと比較的浅めなこともあり、数字だけを見る限りですが、かなり反応がよい自転車であったのではないかと思います。

形状について言えば、近年ほかメーカーまで急速に一般化した、シートステイとシートチューブの接合部分を下げる設計を早くから取り入れていた点がBMCの特徴と言えます。

また、近年オミットされてしまいましたが、トップチューブとシートチューブの接合部を二股にする設計は長らくBMCのアイコンでした。接合部を広くとることで剛性を確保しつつ、重量を犠牲にしない設計でしょう。

 

現行のSLR01フレームセットが定価946,000円なので、お値段については隔世の感があります。

BMCを擁護しておくと近年の値上がりはBMCに限った話ではなく、業界全般的なものです。BMCが利益至上主義に走ったであるとか、そのような理由ではありません。

 

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小野田坂道くんのBMC④フレーム以外の部品は?

小野田坂道くんのBMCの部品①ハンドルまわり

クロモリの頃から、小野田坂道くんは伝統的な丸ハンドルを使用しています。

ステムは水平ステム。73度でしょう。アニメの絵からではメーカーまでは流石に分かりませんが、当時のBMCレーシングチームへのサポートからするとイーストンでしょうか。

△ラウンドシェイプのハンドル。

STIレバーは、形状的に7900世代。9000世代以降より、頭の部分が尖っているのが7900世代のSTIレバーの特徴です。

作中描写的に電動では無いことと、フレームがハイエンドなことを考えれば、恐らくはST-7900でしょう。他のコンポーネント一式も、恐らくはデュラエースで揃えてあることと思います。

小野田坂道くんのBMCの部品②ホイール

BMCを渡されるシーンで付属しているホイールは、ごく特徴の薄いフロント16本、リア20本スポークのローハイトリムホイールです。

この時点で、G3スポークが特徴的なカンパニョーロ、2to1が特徴的なフルクラム、キシリウムにせよR-SYSにせよスポークの見た目が太いマビックは候補から消えます。

カンパやフルクラムにはニュートロンのようなホイールもあるにはありますが、スポーク本数的にこれらでもないでしょう。

SHIMANOを考えると、WH-7900 C24はローハイトなリムや、スポークの本数、スポークの細さ等が一致します。

いわずもがなC24は多くのヒルクライマーに愛されてきたホイールであり、ケイデンスで登るヒルクライマーというキャラクターにもぴったりなホイールです。

以上より、79デュラC24の可能性が高いのではないかと考察します。

△最新のR92世代ではC24は無くなってしまいましたが、78、79、90、R91と4世代に渡り、ヒルクライマーの足元を支えてきました。

 

…しかし、つい先日の5期に際し、公式からリリースされた、真波くんと小野田くんがゴール前で競っているシーン。

真波くんのホイールに対して、小野田くんのホイールのスポークが明らかに太いです。

このスポークは、SHIMANOではないホイールだと思われます。

スポークの組み方的に明らかにG3ではなく、交差している部分が見えるので2to1のフルクラムでもないでしょう。とてもマビックらしい見た目です。

レースに合わせて、ホイールを交換している可能性もあります。

小野田坂道くんのBMCの部品③サドル

寒咲さんから手渡されるシーンからすると、かなり薄く長いサドルであることが分かります。

また、様々なシーンで様々な角度からサドルが映りますが、以下のパラサイクリングを紹介する動画で、前乗りした小野田坂道くんを上から映したカットが多くあります。

これらのカットから、サドル後端の形状がわかります。

youtu.be

答えとしては、フィジークの「アリオネ」ではないかと思います。筆者はあまり使いこなせなかったものの、プロからアマチュアまで幅広く支持を受けている、名作と名高いサドルです。

そこまで考えての設定かは分かりませんが、フィジークのスパインコンセプトに照らしても、小野田くんは骨盤を立てたうえで腰椎から上体を大きく前傾させることができているため、アリオネを選択するのは理にかなっているといえるでしょう。

△フィジークの「アリオネ」特徴的な形状です。

 

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小野田坂道くんのBMC⑤小野田坂道くんのBMCを再現するには?

先ず、ロードバイクは毎年のようにモデルチェンジする乗り物です。

当時もののSLR01は、リリースから10年以上経過しているため、中古を含めても入手は困難でしょう。中古として万が一販売していても、カーボンフレーム故に流石に耐久性の面で怖さがあります。

最新のモデルでは、SLR01 FOURが比較的近い色です。

e-ftb.co.jp

SRAM FORCE組で126万5,000円と、お値段まで小野田坂道くんが駆る限定モデルSLR01に近いです。

ただ、このSLR01を購入して、ハンドルやサドルを交換して、SHIMANOに組み替えて、ホイールを交換するなどしてゆくと、恐らく150万円以上かかります。大抵の方にとって、到底現実的ではないでしょう。

また、作中の自転車はリムブレーキですが、現在のBMCは全モデルがディスクブレーキです。この点でも、どうしても再現度は低くなります。

 

当時のBMCのアイコンであったトップチューブとシートチューブの接合部の分岐は、2017年モデルまでのSLRに存在しました。

2017年モデルでも5年落ちですが、状態の良い中古がもしあれば、それを狙うのも良いかもしれません。

ただ、当時のモデルに近い色のモデルはありません。このため、色については、こだわるのであれば再塗装でしょう。カーボンフレームでも、再塗装を依頼すれば出来るところはあります。

フレームさえどうにかなれば、7900DURA-ACEはコンポーネント、ホイールともそれなりに中古在庫を見かけますハンドルやサドルは現行品でも雰囲気を損ねないでしょう。

状態の良い中古フレームという点が大きなネックで、これが所以に組むのは難しいのが事実だと思います。

しかし、どうしても小野田坂道くんのBMCに近いモデルに乗りたい!という熱い情熱があるのであれば、上記をご参考にチャレンジしていただければと思います。

 

 

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