岩手県は八幡平、アスピーテラインで開催される「八幡平ヒルクライム」に出走してきました。
目次
はじめに:八幡平ヒルクライムとは?
八幡平は、岩手県の県庁所在地である盛岡市から見て北西方向に位置します。標高1,614mの山となります。付近には、岩手県を代表する雄峰・岩手山がそびえます。
八幡平は、岩手県と秋田県の県境を為しています。岩手県側から秋田県側に向かっての登りは、アスピーテラインと呼ばれる道となります。このアスピーデラインを封鎖して、2018年以降毎年8月末に開催されているのが「八幡平ヒルクライム」です。
なお、昨年は新型コロナ感染症拡大防止のため、中止となっていました。そのため、今年は2年ぶりの開催です。
コースは、メインコースの場合18.9km、獲得標高1119mです。この他に、ビギナー・ジュニアコースとして、距離を半分程度にしたショートコースも用意されています。
筆者の八幡平ヒルクライム①前日まで
前々日はラーメンを食べました。カーボローディング(という名目の暴食)
筆者は自動車を所有しておらず、運転もそれほど上手だとは思っていない方なのでレンタカーを借りるのもどうかと思ってしまう方で、今回も輪行での移動です。仙台駅まで自走して、そこから輪行。
仙台駅で心拍計を忘れたことに気づきましたが、家に帰るのも面倒だったので、そのまま新幹線に乗りました。
折角だし駅弁でも食べようかと思い、駅弁屋さんへ。
生粋の宮城県民ですが、旅行客っぽい雰囲気を出してむすび丸弁当を買いました。この弁当を選んだのは、むすび丸の顔のおにぎりとはらこ飯でご飯の量がほかの駅弁より多そうで、カーボローディングに良いかと考えたためです。
このとても可愛らしいむすび丸のおにぎり、箸で食べようとしたら顔がひしゃげてしまってとても悲しい見た目になりました。
キャラ弁を食べる時に可哀想だなと感じてしまうたちの方は、目を瞑って食べた方がよろしいでしょう。
なお、むすび丸おにぎりはじめお弁当全般のお味はとても美味しかったです。流石は食材王国みやぎ。
新幹線に乗って、盛岡に着いて、いわて銀河鉄道へ。駅員さんが切符に押印してくれる、今どきなかなか見かけないやり方です。
便利さでは勿論自動改札ですが、旅先でこういうやり方に出会う分には、旅情があって良いなあと感じます。
目的の地は「大更」(おおぶけ)。八幡平ヒルクライムの集合場所から13km程です。駅チカのビジネスホテルに宿を取りました。
早く着いたので、荷物だけホテルに預けさせていただいて、付近を散策。
秋は北から順にやってくるものと思いますが、八幡平は既に紅葉がはじまっています。秋の近づきを感じさせられました。
食事は素泊まりにして夕食はコンビニで。冷やし味噌ラーメンといなり寿司、おにぎりを約2000kcal分買ってきて、2回に分けて食べました。7時に就寝するも中々眠れず、最終的に意識が落ちたのは10時過ぎ。
筆者の八幡平ヒルクライム②当日(レースまで)
3時半に起床し、4時頃チェックアウト。雨はしとしと降りでしたが、自転車を組み立ててカッパを着て、出発。
前日に夕食を買ったコンビニで、おにぎりを600kcal分購入し、その場で食事。
段々と明るくなる道を走り抜けて、5時過ぎに会場到着。早く来すぎたなとは自分でも思いましたが、自転車移動で地理不安内だとどうしてもマージンを余裕を持って取りがちです。
車もないため手荷物を預けたあとはジャージ1枚で過ごしていたため、寒くて走行前から震えているような具合でしたが、7時半になりついにスタート。
筆者の八幡平ヒルクライム③レース
序盤
スタート直後はいきなり急勾配ですが、皆元気なためかなりいいペースで登っていきます。ここで離されるとレースは終了ですが、頑張りすぎると中盤以降で地獄を見ます。
ダンシングを一切使わず意識的に回転を上げて、とにかく筋肉への負荷をかけないように意識して走りました。
ただ、先にスタートしたカテゴリの方々が沢山で、序盤はなかなか走るのが大変でした。特にトンネルの中は視界が暗く、窮屈な感が強かったです。
アイウェアはプリズムブルーのスートロしか持っていないのですが、トンネルの暗さからするとこのコースではもう少し視野が明るく見えるアイウェアをつけた方が良いのかなと感じました。
中盤
序盤はかなり急勾配が続きますが、次第に緩んできます。何個目だったか失念してしまいましたが、いくつか目のトンネルは完全なくだりで50km/h以上出ますが、ここで50-14のアウタートップを回しても離されてゆき、先頭から大きなビハインドを負いました。
あーダメだ終わった…(だったと思う)とつい口走ってしまったくらいのビハインドでしたが、やれるだけ追ってみようと思い、追走。トンネルを抜ける前に何名かは捕まえました。
ただ、先頭までは捕まえきれず。そこでついた差は開くことはあっても縮むことはなく、距離を消費していきました。
序盤から筋肉の温存に努めてはいましたが、腰の痛みもかなり出てきていました。ダンシングを入れてだましだまし走りましたが、序盤に比べて我ながら走れていないなと感じられる走りとなってしまいました。
腰の痛みについては、普段20分程度までの中時間高強度ばかりやっていて、滅多にそれを超える時間の練習をしていないためだと思われます。
長時間中強度の練習、しなければと思いつつ好きではなくてつい短中時間高強度ばかりやってしまいがちなのですが、今後は何のために練習しているのかをよく考えて、練習の仕方も考えていきたいものです。
終盤
ラスト5kmくらいで4位。3位の方がまだ数十m差、1、2位の方も視界に捉えられる距離でした。しかし、突如チェーン落ち。勾配が緩むタイミングでアウターにあげようとしたのですが、そこで何がどうなったか、インナー側の奈落の落とし穴へ。
ダメもとで自転車を降りずにペダルを回してチェーンが上がってきてくれないかと試みましたが、結局上がってこず。仕方なく降りて、数十秒かけて直して再出発しました。
直している間に抜かれた5位の方と6位の方をほぼ全開で追いました。そのまま抜いて次のくだりではまた抜かれ、登り返しで差を詰めて次のくだりでは逆にこちらが抜いて。
残り距離も僅かであり、惜しむことなく踏みました。離しただろうと思って振り返ると5位の方がいたのには驚きましたが、最後の最後、登り返しの急勾配で何とか突き放して、4位のままフィニッシュ。
筆者の八幡平ヒルクライム④リザルトと反省
リザルトは58分19秒。チェーン落ちの時間は数十秒ですが、この分を加味しても3位の方のタイムには届かないので、4位という順位は実力どおりです。
文中に記載した以外の反省としては、ギア比の選択が先ず挙げられます。筆者は14-28Tのジュニアスプロケットを使っているのですが、時々入るくだりでは、50-14ではトップが足りませんでした。11-28Tを別に持っているので、コースを予習した上で付け替えるべきでした。
コンディショニングも反省点のひとつです。筆者の場合午前より午後の方が出せるPWが高く、これは恐らく一食食べただけの朝と、2食食べたあとの昼過ぎでは後者の方が身体に蓄えられているグリコーゲンの量が多いからではないかと思っています。
今回は2時起きして2食食べてから臨むつもりでしたが、10時まで寝つけなかったため、アラームを3時半にずらし、結局1食のみでレースに臨みました。
早起きをするならいきなりやろうとしても無理で、数日前から段々身体を慣らさなければならなかったと思います。社会人故に難しいといえば難しいのですが……。
あとは、スピードの乗ったコーナーでの突っ込まなさすぎ。
昨年冬にウェット路面で滑って転倒してから、ウェット路面でのタイヤのグリップを信じられず、とかく路面が濡れているとものすごくナーバスな走りをしてしまいがちな面がありました。今日はそこでかなり差をつけられたと思います。
普段練習している際は公道なので、突っ込むような走りをそもそもすべきではないですし、安全に気をつけて練習するのは良い事だと思うのですが、レースの場でどこまで突っ込んで大丈夫か…という点は見極められるようにしたいものです。
反省点として現時点で思いつくのはこんな所でしょうか。良い点を挙げると、色々心を折りにくる事態が起きても最後まで折れなかった精神力の強さについては、我ながら良かったのではないかと思うところです。
総体として、楽しいレースでした。同じ負けるにせよ蔵王のような不完全燃焼ではなく、今日時点で手持ちのやれることは全てやって負けられたなと感じています。次のレースはまだ決めていませんが、今回の反省を活かして良い結果に繋げられるよう精進したいところです。
最後に、御一緒に走っていただいた皆様、運営の皆様、誠にありがとうございました。来年も都合がつけば是非参加したいと思いますので、よろしくお願い致します。
(雄大という言葉そのままにそびえる岩手山)