ロードバイクでヒルクライムするとき、悩ましいのがスプロケットの歯数でしょう。
今回は、悩んでいる方に「11-34t」という選択肢を提示したいと考えています。
目次
はじめに
筆者は長らく12-25Tです。(or14-25)
使用バイクが8速や9速だったため、あまりロー側が大きいスプロケットを使用するとワイドレンジになり過ぎてしまいます。
そのため、否応なく12-25を選ばざるを得ませんでした。
しかし、11速のバイクではロー側を大きくしてもそこまで中間ギアが飛び飛びにはなりません。
筆者は25T以内で登るのに慣れ切っている上にクロスしたスプロケットが好きなので、11速の使用スプロケットは14-28Tです。
しかし、28Tで不満を感じる方が一定数おられるのはよく存じています。
この記事はそんな方に向けて、書いています。
11-34tのスプロケットがオススメな理由①34という歯数
なんといっても34という歯数は、登りの苦手な人にとっては魅力的でしょう。
前をコンパクトクランクの34Tとすれば、11-34tとの組み合わせでギア比は1:1です。
rpm80でほぼ10km/hとなります。
34tの前の30tとの歯数差は4tと、大きく開いてしまっています。
しかし、34tまで使う機会というのはそこまで多くないでしょう。
そのため、ここの歯数差は然程問題にならないと考えます。
34tというのはどうしようもない激坂、普通の峠ではあってせいぜい数百mのその部分で、ほんの一時的に使用するためだけのものです。
そういう場所で大パワーの出力を強いられることにならないようにするためのものと言えます。
そういう一部区間であればダンシングで乗り切ればいいという考え方もあります。
筆者も自分自身で走るにおいてはそういう考えに基づいて、ロー側の大きさよりクロスレシオさを優先して12-25Tのスプロケットを使ってきました。
トレーニングを積めば、よほど特殊な峠でなければこの考え方で走ることができます。
しかし、登りが苦手な方だとダンシングやインターバル的走法に不慣れなことが多く、一発の出力で全部使い切ってしまってその後は失速する場合も多々あります。
そのため、34tという歯数をその数百mのためだけに用意するという選択肢は、実力によってはトータルで速く峠を登るために積極的な選択肢としてありだと考えています。
11-34tのスプロケットがオススメな理由②20台の繋がり
見落とされがちですが、28以上の歯数を持つ現行11速スプロケットで、11-34tは20台の歯数についてはかなり繋がりが良い方です。
19-21-23-25-27-30
となっています。
ここの繋がりをよくするために犠牲になっているのは10台のつながりです。
他のスプロケットでは途中まで1T刻みとなっていますが、11-34tの10台は2t刻みです。
平坦を本気で走るのであれば1T刻みで欲しいでしょうが、このスプロケットはそういう用途ではないでしょう。
平坦を本気で走るときは11-25tに付け替える、くらいの潔さで登り特化のものとして選択するといいと思います。
ダンシングを多用する人であれば16tや18tが欲しいでしょう。
しかし、そういう人はそもそも30tも必要としないことが多いようにも思えます。
21-23-25の繋がりが2t刻みなのは、11-34tのスプロケットを積極的に選択する理由となります。
他記事で取り上げたのでここでは詳述を避けますが、〜30tのスプロケットや〜32tのスプロケットに採用されている21-24-27、20-22-25といった歯数に比べて使い勝手がいいです。
20台前半は登りでいちばん多用するあたりだと思います。ここの2t差と3t差は大違いです。3t離れていると、シフトアップすると重すぎるといった事態や、シフトダウンすると軽すぎるといった事態が結構よく発生します。
この20台の歯数を考えると、〜30tのスプロケットが欲しい場合に11ー30tを選択するのではなく、34t使わない前提でもこちらの11-34tを選択するというのもありだと思います。
見た目なんか気にしなくていい
スプロケットは小さい方がかっこいい、という美意識があるように思います。
その感性は筆者も分かります。
しかし、それによって必要なスプロケットを使うのを躊躇するのはよくないと思います。
自分の走力を客観的に見て、必要と考えれば軽いギアを用意した方がいいでしょう。
かっこいい自転車だけど登りが遅い、ちょっと美意識からは外れるけど登りが速い。
どっちがカッコいいでしょうか?自分は後者だと思っています。
▼11-34t 11s(Amazon)