ディスクブレーキがトレンドですが、個人的にはリムブレーキが好きです。
リムブレーキには軽さ、扱いの容易さ等、ディスクにはないメリットがまだまだあります。
性能には直結する話ではないですが、見た目もリムのほうが良いと個人的には思います。
ディスクはローターが如何にも重そうで。
そうはいってもリムブレーキモデルは廃止が続き、選択肢が少なくなってきているのも事実です。
今回は、マスプロメーカーの中から2020年モデルでリムブレーキを継続販売しているメーカーと、モデルの概略をまとめてみました。
※概ね8kgを切るモデルをまとめています。
目次
<台湾系>
<北米系>
ジャイアント
GIANT TCR シリーズ
世界のジャイアントが誇る、「チーム・コンパクト・ロード」。
1990年代後半に、ロードレーサーの世界にはじめてスローピングを持ち込んだ、スローピングフレームの元祖です。
20万円少々で7kg台11速モデルが用意されており、学生でもアルバイトを頑張れば手の届く価格です。
(TCR AD2 KOM 105仕様完成車21万円/7.9kg)
とりあえずヒルクライムで他の人にビハインドを負わない機材が欲しければ、TCR ADVANCED 2を買って、余裕があればホイールをアルミハイエンドに変えれば大半のレーサーには十分すぎるでしょう。
ハイエンドのSLでもフレームセット33万円です。
(※2021でモデルチェンジしていますが、2020=前作はMサイズフレーム900g、フォーク300gです。
TCR AD SLはISPなので、普通は別扱いのシートポスト=200g程度を含んで、このフレーム重量です。)
コンポやホイールによりますが、アルテグラで組んでアルミハイエンドのホイールを用意しても、60万円程度で収まるのではないでしょうか。
※2021からはリムモデルの完成車販売は無くなるようです。
昨年までは40万円台前半でアルテグラ×カーボンホイールで6.9kgの完成車がラインナップされていたのですが…。
メリダ
MERIDA SCLUTURA シリーズ
ジャイアントと並ぶ台湾メーカーの2大巨塔・メリダ。
そのメリダが誇る軽量モデルが「スクルトゥーラ」です。
新城幸也選手が使うフレームとして、日本でも高い知名度があります。
カーボンのグレードにより「CF2」「CF4」と2種類のフレームがあり、後者の「CF4」がプロチームユースのモデルです。
個人的に魅力を感じるのは「スクルトゥーラ リミテッド」。
税抜30万円台で、CF4フレームにアルテグラ組の完成車です。
ホイールさえ交換してしまえば、即一線級になる高コスパなマシンでしょう。
39.9万円/7.6kg
お手頃なCF2フレーム完成車は、105仕様19万円強で、8.1kgの「4000」
アルテグラミックス仕様24.9万円で、Sサイズ8.2kgの「5000」
の2モデル展開です。
グスト
GUSTO RCR TEAM
台湾系メーカーでは、ここ数年勢力を強めているのがグスト。
もとは大手メーカーのOEMを手がけていた会社ですが、自社名を冠したフレームをレースに投入するなどしています。
「RCR TEAM」は、完成車30万円以下ながら押しも押されもせぬハイエンドです。
価格対重量・部品スペック比を考えると、ジャイアントさえ凌駕します。
難点は取り扱いが未だ多くはないことくらいでしょうか…。
アルテ組×カーボンチューブラーホイールで26.8万円、7.3kg。
クリンチャーホイールになると27.8万円、7.5kgです。
同じフレームを使用し、105をセットした完成車が18.8万円です。8.1kg。
スペシャライズド
Specialized Tarmac シリーズ
北米御三家では唯一、ハイエンドにリムブレーキモデルを残すメーカーです。
※北米御三家:キャノンデール、スペシャライズド、トレック
S-WORKSのロゴが眩しいプロ仕様のSL6でフレームセット50万円強。
(フレームは733gとの情報がインターネット上にあります)
TARMAC COMP(ほぼアルテグラ)で35万円程度です。
自転車屋さんのインプレで、完成車7.8kgとの情報あり。
キャノンデール
Cannondale Super Six Evo STD-MOD
多くのメーカーがスローピングフレームをメインに採用してからも、頑なにホリゾンタルフレームを貫いてきたCannondale。
ホリゾンタルフレーム時代のevoは徹底的に軽さを突き詰めたマシンで、ヒルクライマーからの人気も高かったです。
2019年にモデルチェンジし、見た目で分かるほどスローピングし、エアロに。
雰囲気が一変しました。
そして、エアロ化と引き換えに、数百gの重量増加。
ハイエンドのHI-MODからリムブレーキモデルが無くなりました。
剛性をHI-MOD そのままに、カーボンのグレードを変更した通称「STD - MOD」(スタンダード・モッド)は、アルテグラ仕様で8kg前後。(フレームサイズによる)
重量だけを見れば前作に見劣りしますが、プロチームのEFが山岳ステージでこのSTD-MODリムブレーキ版を使っている事もあるくらいなので、ヒルクライムも十分走れるモデルと言えるでしょう。
トレック
EMONDA SL
「削ぎ落とす」というネーミングのエモンダ。
過去にあったハイエンド・SLRのリムブレーキモデルは4kg台まで軽量化することも可能であり、富士ヒルを優勝されるような国内著名レーサーなど、幾多のヒルクライマーに愛用されてきたモデルです。
しかし、トレックはディスクブレーキ重視の流れを明白に打ち出しています。
現在のSLRからリムブレーキモデルは消滅しました。
現在のモデルでは、2ndグレードの「SL」フレームにはリムブレーキモデルが残っています。
2ndグレードとは言え、「SL6」はアルテグラ組26万円強で、重量7.53kg(56size)というハイコスパ。
ホイールを交換すれば6kg台も見えてくるはずで、ヒルクライムで他人にビハインドを負うことは少ないでしょう。
※SL6とSL5の間に大きな重量差がありますが、後者はフォークがアルミコラムです。
フォークは後から交換がききにくいので、個人的には余程予算に余裕が無いような事態でもなければフルカーボンフォークのSL6のほうが良いかなと思います。
フジ
SL1.1
上記北米御三家に比べると、メジャーさでは一歩譲るものの、25万円で他社ハイエンド並みの超軽量フレームが「SL1.1」。
フレームセット1.1kgです。
フォーク300g〜350gとして、フレームは800gアンダー間違いなしでしょう。
とにかく軽いバイクが欲しい層、旧来のエボやエモンダが欲しかった層にオススメ出来るバイクと言えます。
サーヴェロ
Rシリーズ
サーヴェロといえば個人的にはトライアスロンのイメージが強いですが、軽量フレームもRシリーズとしてラインナップしています。
チーム・サンウェブが使っていますね。
ハイエンドのR5がフレームセット50万円強。
2ndモデルのR3がフレームセット37万円程度。完成車53万円程度。
3rdモデルのR2が完成車32万円程度です。
18年のもので、R5は51サイズフレーム小物付き実測790gとの情報が、ysロードさんより出ています。
また、56サイズでも850g(サイスポ)とのこと。
R3、R2の重量は、インターネット4ページ分程度検索しましたが、2020年の確定値といえるような数字は見当たりませんでした…。
ARGON18
GALLIUM シリーズ
アスタナチームに、17-19年にかけて機材供給していたカナダのブランドです。
今年はウィリエールに乗り換えてしまいましたが…。
軽量オールラウンダーの「ガリウム」シリーズは、「PRO」「(冠無し)」「CS」の3モデルが用意されています。
知り合いに乗っている人がおらず、あまり店舗でも見かけないため、勝手に高いと思い込んでいましたが、ハイエンドのPROはフレーム759g ・フォーク319gでフレームセット38万円と、結構安い方です。
ちなみに、2ndモデルの冠無しガリウムがフレーム835g、フォーク373gでフレームセット28万円。
3rdモデルのCSがフレーム1006g、フォーク417gで、完成車25万円弱です。