目次
バーテープの「上から」の巻き方④作業1:古いバーテープを外す
バーテープの「上から」の巻き方⑤作業2:新しいバーテープを巻く
バーテープの「上から」の巻き方①はじめに、バーテープとは
このブログは初心者の方にご覧いただくことも想定しておりますので、先ずはバーテープの簡単な解説から。既にロードバイク等に長くお乗りの方は、飛ばしてくださいませ。
△スパカズ「オイルスリック」を巻いた筆者のロードバイク
バーテープとは、ドロップハンドルに巻かれているグリップ的な部品です。
このバーテープは、主たるものとして滑り止めと、クッション材としての役割を持っています。
また、走行性能には直結しないものですが、ロードバイクの見た目を大きく左右する部品として、審美的な面に大きく影響する役割を持っています。
バーテープとひとくちに言っても様々な質のものがあり、現在多いのはEVAというゴム質なものです。この他、コルクやコットン、レザー等も存在します。
このバーテープですが、長く使っていると傷んできます。特に白系のバーテープを使っている場合だと、どうしても使用のなかで黒ずんでいきます。このため、定期的に交換を要します。
バーテープの交換は、審美的な細かい面を追求しだす場合はともかく、取り敢えず巻くだけであれば比較的手が出しやすいメンテナンスの一つです。
また、少しばかり仕上がりが甘くても事故に直結することは少ないのも、その理由です。
なお、バーテープそのものは数千円程度のお値段で、それほど高価でもありません。筆者愛用のVIVA コットンバーテープだと実売は1500円未満です。このため、筆者は割と気軽に巻き変えしてしまう方です。
買ったロードバイクにしばらく乗って、気分を一新したくなったときなど、交換を検討するとよろしいかと思います。
バーテープは、基本的にはハンドルのエンド部分(下ハンドルの先端)から巻き始めます。しかし、あまり一般的ではないように思いますが、ハンドルの上から巻く方法もあります。
この記事では、後者の「上から」の巻き方を紹介します。
バーテープの「上から」の巻き方②上から巻くメリット
バーテープを上から巻くメリットは、なんと言っても「仕上がりの綺麗さ」につきます。
下から巻く場合は巻き終わりの上ハンドル部分にて仕上げテープを使って留めると思いますが、上から巻く場合は最後の仕上げはエンドキャップに巻き込んで留めるかたちになるため、仕上げテープが不要になります。
ものにもよりますが、仕上げテープは何度か巻き直しを試みた場合などは特に、粘着力が低下しがちです。
使っていると剥がれてくることがありその都度貼り直しする羽目になりますが、上から巻くようにするとそもそも仕上げテープ自体不要なためこのようなトラブルがありません。
なお、仕上げテープの重さ自体は何gもないと思われ、筆者としてもそこまでは気にしていないですが、1g単位で軽量化したい方などであれば仕上げテープ分重量を節約できるのはメリットになるのではないかと思います。
△上ハンドルがスッキリした見た目になります。
バーテープの「上から」の巻き方③必要な工具など
さて、ここからは作業の要諦を説明してゆきます。先ずは必要な工具などの紹介です。
必要な工具など①バーテープ
交換するバーテープを用意しましょう。
バーテープはロードバイク以外では(ブルホーンハンドル等の例外はありますが)ほぼ使われることのない部品のため、ホームセンターの自転車コーナーでは置いてあることは少なく、スポーツ自転車専門店をあたるのが近道です。
ただ、スポーツ自転車専門店にせよ品揃えがそれなりに多い店は割と限られてくるのが事実で、こだわりが強い場合は最初から通販で探すのもよろしいかと思います。
なお、筆者が愛用しているのは「VIVA コットンバーテープ」です。非常に薄手でクッション性はほぼ皆無に近く、グリップも今どきのバーテープに比べれば低いですが、そのダイレクト感はEVAバーテープの追随を許しません。
車体とのシンクロ率が上がったような気になれる、使っていて気持ちの良いバーテープです。
なお、非常に薄手のため、分厚いバーテープと比較すると下ハンドルからブレーキレバーへの指のアクセスが多少ながら良くなります。
必要な工具など②ハサミ
交換前のバーテープを外すとき、交換後のバーテープを最後に切るときに必要となります。
必要な工具など③アーレンキー、もしくはプラス/マイナスドライバー
ここからは場合により必要となる工具です。
エンドキャップという、下ハンドルの先端に埋め込む部品があります。このエンドキャップについては、単に圧入するだけのもののほか、挿入した上でボルトを締めることで内部の臼を拡張して固定するものがあります。
後者の場合は、つけ外しにアーレンキー(所謂六角レンチ)や、プラスドライバー、マイナスドライバーが必要となります。
交換前のエンドキャップ、そして交換予定のバーテープに付属しているエンドキャップを見て、どの工具が必要か判断してください。
なお、エンドキャップのネジ回し以外でも、マイナスドライバーはあると便利な場合があります。
古いバーテープを外す際にエンドキャップが抜けてこない場合がありますが、このような場合にマイナスドライバーを隙間に差し入れてこじるようにすると、エンドキャップが外れることがあるためです。
必要な工具など④プラスチックハンマー
大概は使わずとも大丈夫なはずで、筆者も使ったことは1度だけですが、エンドキャップの圧入に際して使いたくなる場合があります。
バーテープの「上から」の巻き方④作業1:古いバーテープを外す
古いバーテープがエンド部から巻かれている場合、先ずは仕上げテープをハサミで切ります。切るとき、ワイヤーやハンドルそのものを傷つけないようにご注意を。
仕上げテープを切ると、バーテープが解けてくるはずです。くるくると外していきましょう。
最後に、エンド部分のキャップに行き当たったら、ネジがついているエンドキャップの場合はまずネジを反時計回りに回して緩めましょう。
そのうえでバーテープをぐいぐいと引っ張ると、エンドキャップが抜けてくると思います。
ネジがついていないエンドキャップの場合は、単にバーテープを引っ張ります。
なかなかエンドキャップが外れない場合は、マイナスドライバーをハンドルとエンドキャップの間に差し込んで、こじるようにするとエンドキャップが外れてくるかと思います(マイナスドライバーの差し込みは、カーボンハンドルの場合はやらないほうがいいかもしれません)。
△古いバーテープを外した状態
なお、既にバーテープが上から巻いてある場合は、まずエンドキャップを外します。そのうえで、エンド部分からほどき始めます。エンドキャップさえ外してしまえば、後はハンドル上部までスムースに外れるはずです。
外し終えた後、ハンドルにバーテープの糊が残っている場合が多々あります。
そのままにすると新しいバーテープを巻いた際に凹凸として感じられてしまう場合があるので、多少面倒でも綺麗に落としてから新しいバーテープを巻くことを強くお勧めします。
バーテープの「上から」の巻き方⑤新しいバーテープを巻く
新しいバーテープを巻く①巻き始め
巻き始めが重要です。ここを失敗すると、使用を重ねるうちに上ハンドル部分が緩んできます。
筆者の場合、1周を緩く巻いた上で、そこに重ねるようにもう一周強く巻いて、そこから巻き始めます。
なお、この緩く巻く1周はステム側からレバー側にかけて少し斜めに巻き、そこから強く巻き出すようにすると、強く巻いたバーテープ2周分で始点がしっかり抑えられます。
また、審美的な観点で言えば、強く巻く一周目は斜めにならないよう注意するとよいです。また、緩く巻いた1周目が露出するとみっともない仕上がりになってしまうことがあるので、緩く巻く1周目はしっかり隠れるようにしましょう。
上から、下からの巻き方に関わらずバーテープ巻きの基本ですが、バーテープをしっかり引っ張って、セオリーとしては既に巻いたバーテープに1/3程度被せるようにして巻いていきます。
このとき、既に巻いたバーテープと新しく巻くバーテープの間に隙間や、シワが残らないようにしましょう。
大事なのは「しっかり引っ張る」ことです。限度を超えて引っ張るとちぎれてしまう場合もありますが、引っ張りが足らないと緩んでしまいます。バーテープが緩むと危険を生じるシチュエーションがあるのは事実なので、適切に引っ張って巻きましょう。
なお、クッション性を高めたい場合は1/3より多く被せたり、逆にダイレクト感を重視したい場合は極力被さらないように巻くなど、被せ方は好みで調整することができます。
新しいバーテープを巻く②ブラケット部分
ブラケット部分の処理は多少面倒です。何も考えずに巻くと、ブラケットの金具が露出してしまうからです。
簡単なのは、化粧テープを使う方法。残ったバーテープから、少しだけバーテープを切って、ブラケットの金具部分に被せます。
△まず化粧テープを貼ります。
△上から下ろして
△外側から
△内側に巻きます
その上で、巻いていきます。こうすると、ブラケットの金具が露出せずに済みます。
なお、この化粧テープを使わずに巻くことも可能ではあります。しかし、取り回しが面倒(な上、筆者があまり得意ではない)ため、ここでは割愛します。
巻き方は下から巻く場合の逆を行うイメージです。上から下ろして、レバー下部では内側から外側に向けて巻いてゆきます。
新しいバーテープ巻く③エンド部分
エンドまで巻いたら、余分なバーテープを切った上で、最後にエンドキャップを圧入します。このとき、バーテープは多少余らせて切り、エンドキャップと一緒にハンドルの筒の中に挿入することで、留めます。
△エンド部は、少し残して切ります
△エンドキャップを圧入するときに、残した分を巻き込みます
エンドキャップはネジがついたものであれば一旦ネジを緩めた上でハンドルに挿入し、ネジを締めましょう。
ネジがないものであれば単に圧入するのみです。入りにくい場合は、プラスチックハンマーなどで軽く叩いて圧入します。
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いかがでしたでしょうか。
通常の下から巻く巻き方でもよいですが、上ハンドル部分をプレーンな見た目にしたい場合など、ぜひ上からの巻き方を採用してみてください。