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【ヒルクライム】パンターニのクランク長 について

マルコ・パンターニ。
もう15年以上前にお亡くなりになった選手ですが、その飛ぶような登坂は、未だクライマーの心を捉えて離しません。

今日は、そんなパンターニの機材のうち、「クランク長」にフォーカスしたいと思います。

①彼の動画からくる「違和感」

パンターニがダンシングしている動画を何度も見ると、彼の脚の回転が、他の選手と少し違って見えます。

比較対象としては、ビャルヌ・リースとかがわかりやすいでしょうか。

違和感を言葉にすると、パンターニは、脚を"大きく回している"感が強いのです。
引き足を、すごく強烈に使っているように「見え」ます。
比較的に他の選手のダンシングを表現するなら「踏み台昇降」といったところでしょうか。
パンターニと比較すると、円孤が非常に小さく見えます。


②原因分析

冒頭で既にクランク長にフォーカスすると言ってしまっていますが、この違いは「クランク長」によるものでしょう。

彼のクランク長には諸説ありますが、一番突飛な説で180mm。
175mmという説もあります。
インターネットで見つかる、彼の実車を計測した記事には
170mmとありますが、恐らく平坦レースで使用されたもので、山ではどうだったかは断言できません。

ひとつ間違いないのは、大方の他の選手に比べて相対的に長いクランクを使っていたということです。

彼の身長は171cm。他の大方の欧州プロ選手より5cm以上低いことになります。
175mm以上のクランクを用いる選手はあまり多くなかったことから、大体の選手は身長÷10より短いクランクを用いていたはずです。

パンターニが170mm以上のクランクを用いていたことは間違いないですから、彼のほうが相対的に長いクランクを用いていたと言えます。

あくまで"見た限り"の印象ですが、パンターニがヒルクライムで使っていたクランクは175mmではないかなと思います。

最近の選手だと、キンタナが168cmで172.5mmのクランク。
彼もパンターニとよく似た、脚を大きく回すダンシングをしますが、比率的に考えると、パンターニのクランクは175mmあたりではないかと思います。

③パンターニから思う、クランク長の選択

最近の説で、クランク長はパフォーマンスに影響しない、
長いと怪我しやすくなるだけ、というものがあるようですが、少なくとも自分の感想とは合わないなと思います。

脚が大きな円孤を描くパンターニのダンシング、あの瞬間的なダッシュと持続力には、身長より長目のクランクが奇与している部分があると思います。

あまり短いのは使いにくいと、自分の経験則からも思います。
中の人は185cmあるのですが、比較的短足で、股下84くらい。
欧米人の177cmくらいに相当するでしょうか。
クランク長は170、172.5、175とそれぞれ年単位で使ってきて、ヒルクライム、特にダンシングでいちばんしっくり来るのは175です。

170、172.5でも走ることは出来ますが、175を使ったあとにこれらの短いクランクでダンシングをすると、コレジャナイ感が非常に強いです。
なんというか、足先だけで踏んでいる感。
全然体幹を使えていないように感じます。

ただし、長いと脚は疲弊します。
走っているうちは感じませんが、175を使うと膝痛が多いです。
走っているうちは本当に快適で、172.5まででもがいていた激坂がスイスイ登れる感は、辛い中に笑みさえ出てくるくらいなのですが。
自分の筋力(20分5倍出せるかどうか、で大体察してください)で、175を扱うのが精一杯。
177.5は使ったら怪我すると思います。

自分が今のところ出している結論としては、"長いクランクは、使いこなせる筋力があれば強力な武器になる"
というところです。

この件に限らずですが、機材は、迷ったら全部試してみるとよいです。
科学的なレポートも、人間を最大公約数的に分析したものでしかなくて、必ずしも全員に当てはまるとは言えないからです。

ヒルクライムで伸び悩む貴方へ。
クランク長にまだ目をつけていないなら、一度試行錯誤してみることをお勧めします。