目次
はじめに
マルコ・パンターニ。
もう15年以上前にお亡くなりになった選手ですが、その飛ぶような登坂は、未だクライマーの心を捉えて離しません。
今日は、そんなパンターニの機材のうち、「クランク長」にフォーカスしたいと思います。
L'enquête sur la mort de Marco Pantani a été rouverte après que Tonina, sa mère, a transmis à la police de Rimini un nouveau document sur les derniers jours du lauréat du Tour de France 1998. https://t.co/qgO7FHtuUa pic.twitter.com/PBpi6jUwrq
— L'ÉQUIPE (@lequipe) 2021年11月23日
①マルコ・パンターニのクランク長
マルコ・パンターニのクランク長には諸説ありますが、一番突飛な説で180mm。
175mmという説もあります。
インターネットで見つかる、彼の実車を計測した記事には、170mmとあります。
🔥 Entriamo nel giusto mood da Mortirolo.
— Giro d'Italia (@giroditalia) 2022年5月24日
1994, l’anno della definitiva consacrazione del Mortirolo e di Marco Pantani. Merano-Aprica: il Pirata attaccò e staccò Indurain, Bugno, Chiappucci e la Maglia Rosa Berzin transitando solitario in vetta. #Giro pic.twitter.com/Y6CQjfS6Aq
ひとつ間違いないのは、大方の他の選手に比べて相対的に長いクランクを使っていたということです。
彼の身長は171cm。他の大方の欧州プロ選手より5cm以上低いことになります。
175mm以上のクランクを用いる選手はあまり多くなかったことから、大体の選手は身長÷10より短いクランクを用いていたはずです。
上記のとおりパンターニのクランク長には諸説あるものの、パンターニが170mm以上のクランクを用いていたことは間違いないですから、彼は相対的に長いクランクを用いていたと言えます。
②パンターニから思う、クランク長の選択
最近の説で、クランク長はパフォーマンスに影響しない、
長いと怪我しやすくなるだけ、というものがあるようですが、少なくとも自分の感想とは合わないなと思います。
パンターニのダンシング、あの瞬間的なダッシュと持続力には、身長に比して比較的長目のクランクが奇与している部分があると思います。
Marco Pantani’s Alpe d’Huez record-setting Wilier bike coming to UK https://t.co/w75PE3tPgu pic.twitter.com/nKPvwSWD6J
— Cycling Weekly (@cyclingweekly) 2016年10月21日
あまり短いのは使いにくいと、自分の経験則からも思います。
中の人は185cmあるのですが、比較的短足で、股下84くらい。
欧米人の177cmくらいに相当するでしょうか。
クランク長は170、172.5、175とそれぞれ年単位で使ってきて、ヒルクライム、特にダンシングでいちばんしっくり来るのは175です。
170、172.5でも走ることは出来ますが、175を使ったあとにこれらの短いクランクでダンシングをすると、コレジャナイ感が非常に強いです。
なんというか、足先だけで踏んでいる感。
全然体幹を使えていないように感じます。
ただし、長いと脚は疲弊します。
走っているうちは感じませんが、175を使うと膝痛が多いです。
走っているうちは本当に快適で、172.5まででもがいていた激坂がスイスイ登れる感は、辛い中に笑みさえ出てくるくらいなのですが。
自分の筋力(20分5倍出せるかどうか、で大体察してください)で、175を扱うのが精一杯。
177.5は使ったら怪我すると思います。
自分が今のところ出している結論としては、"長いクランクは、使いこなせる筋力があれば強力な武器になる"
というところです。
この件に限らずですが、機材は、迷ったら全部試してみるとよいと考えています。
科学的なレポートも、人間を最大公約数的に分析したものでしかなくて、必ずしも全員に当てはまるとは言えないからです。
もちろん試した機材が合わないことも多々あると思います。
余った機材は一見無駄な投資に見えますが、「最適な機材」を選ぶために必要な投資だったと考えることです。
ヒルクライムで伸び悩む貴方へ。
クランク長にまだ目をつけていないなら、一度試行錯誤してみることをお勧めします。