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朝練と夜練、どちらがいい…?朝練派筆者がメリデメを考えてみた

はじめに

ロードバイクは機材スポーツではあるものの、言わずもがな日々の継続的なトレーニングが何よりも重要になります。

しかし、ここで社会人サイクリストが必ず直面するのが「いつ練習時間を確保するのか」という切実な問題だと思います。

フルタイムで働き、家族との時間や休息も必要な中で、週に数時間から十数時間のトレーニングを行うのは簡単なことではありません。

多くの場合、平日の練習は出勤前の「朝練」か、帰宅後の「夜練」の二択に絞られるかと思います。

本記事では、平日のトレーニング時間に焦点を当て、「朝練」と「夜練」それぞれのメリットとデメリットについて、筆者の経験を交えながら考えていきます。

まず結論

結論から申し上げますと、筆者は生活リズムの観点から基本的に「朝練派」です。

しかし、ロードバイクのトレーニングにおいてどちらが絶対的に正解ということはなく、個人の仕事のスタイル、体質、そして住環境によって最適な選択は異なるものと考えます。

これから計画的なトレーニングを始めようとしている方や、現在の練習環境に限界を感じている方の参考になれば幸いです。

朝練のメリット

残業に左右されず、確実に時間を確保できる

社会人が平日トレーニングを継続する上で、最も大きな障壁となるのが「残業」です。

夜練を計画していたとしても、夕方になって急なトラブル対応が入ったり、断りにくい職場の付き合いが発生したりすることは日常茶飯事かと思います。

また、仕事そのものは定時で終わったとしても、精神的な疲労によって、「これから着替えてトレーニングをする」という気力がない日もあるでしょう。

その点、朝練の最大のメリットは「起きさえすれば、誰にも邪魔されずに確実に時間を確保できる」ことです。

早朝の4時や5時に、職場から急を要する連絡が入ることは、職種にもよるかとは思いますが、一般的には多くないかと思います。

つまり、朝の時間は外部の要因によって予定が変更されるリスクが少なく、完全にコントロール可能な自分だけの時間として確保できることが多いと言えます。

昨晩のうちにウェアを用意しておけば、あとは目覚まし時計に合わせて起床し、ペダルを回し始めるだけです。

トレーニングにおいて最も重要な継続性を担保するという意味において、スケジュールが乱れにくい点で、朝練は優れていると考えています。

 

道路が空いており、安全かつ快適に走れる

屋外で実走トレーニングを行う場合、早朝という時間帯は交通環境の面でアドバンテージがあります。

多くの人がまだ活動を開始していない夜明け前後は、自動車の交通量が圧倒的に少なく、信号待ちによるストップ&ゴーの頻度も大幅に減少します。

特定のパワーゾーンを維持するペース走や、決まった時間・強度を踏み続けるメニューを行う際、交通事情によって意図せず脚を止めざるを得ない状況は、練習の質を低下させる要因になります。

早朝であれば、狙った運動強度を途切れることなく維持しやすいといえます。

また、日中に比べて路肩に停車している車両が少ないことも、安全に走行する上で見逃せないポイントです。

交通量が少ないため、停車車両を避けて車道中央側へ膨らむことは少なく済みます。

「安全に、かつ狙った強度でストレスなく走り続けられる環境」が手に入りやすいという点で、早朝の実走はよいといえます。

加えて、早朝の澄んだ空気や、季節ごとに変わる風景を感じながら走ることは、精神的なリフレッシュ効果も期待できるのではないでしょうか。

朝練のデメリット

起床直後は身体が動かず、高いパフォーマンスを出しにくい

起床直後の身体はまだ本格的な運動の準備が整っておらず、高いパフォーマンスを発揮しにくい傾向にあるという点は、朝練のデメリットと言えます。

睡眠中は体温が低下しており、筋肉や関節の柔軟性も落ちています。そのため、起床してすぐにVo2Max領域などの高強度インターバルをこなそうとしても、狙ったパワー値まで踏み切れなかったり、主観的な辛さに対して実際の出力が低いという現象が起きやすくなります。

また、起床直後は体内の水分が失われている状態であり、そのまま強度の高い運動を始めるのは身体への負担が大きくなります。

十分な水分補給に加え、夜練であれば短い時間で済むウォーミングアップを、朝練では時間をかけて徐々に身体を温める必要があります。このため、時間対効果の点では、微妙な部分があります。

室内ローラー環境では早朝の騒音対策が必要になる

天候や交通事情に左右されないインドアトレーニングとして、スマートトレーナーを活用しているサイクリストも多いでしょう。筆者もそのひとりです。

しかし、集合住宅や家族と同居している環境における早朝のローラー練習には、「騒音と振動」という高いハードルが存在します。

近年のダイレクトドライブ式スマートトレーナーは静粛性が向上していますが、それでもチェーンの駆動音、変速時の音、そして何よりペダリングによって発生する低周波の振動を完全にゼロにすることは不可能です。

周囲が寝静まっている早朝は、日中や夜間であれば生活音にかき消される程度の小さな音や振動でも、建物の構造を伝わって響きやすく、トラブルの原因になり得ます。

住環境によっては、早朝のローラー練が不可能というケースも珍しくありません。

専用の防振マットの複数枚重ねなど、環境構築にコストと労力を割く必要がある上、それでもできないこともあります。また、家族の理解を得るための配慮も不可欠となります。

夜練のメリット

日中の活動後であり、高いパフォーマンスで練習しやすい

一方、夜練(帰宅後のトレーニング)の最も大きなメリットは、身体がすでに十分に目覚めており、強度の高い運動を受け入れる準備が整っていることです。

日中、仕事などで活動している間に体温はしっかりと上昇し、関節や筋肉の強張りが取れています。そのため、比較的短いウォーミングアップの時間で、スムーズに高いパワーゾーンへと移行することができます。

特に、高い出力を要求される苦しいメニューを行う場合、朝練よりも夜練の方が「今日はしっかり踏み切れた」という達成感を得やすい傾向にあります。

身体が動くため、精神的なモチベーションも高く保ちやすく、練習メニューの完遂率も高まります。

純粋にその日のトレーニングの質だけを比較すれば、夜練に軍配が上がることが多いと考えられます。

夜練のデメリット

残業や急な予定で継続性が損なわれやすい

夜練の最大の弱点は、先述の朝練のメリットの裏返しでもありますが、仕事やプライベートなど、外部の要因によって予定が崩れやすい点に尽きます。

定時で退社して真っ直ぐ帰宅できる日は良いですが、突発的な残業や、同僚とのコミュニケーションなど、社会生活を送る上で避けられないことは多々あるかと思います。

さらに、一日の終わりに帰宅した時点で精神的・肉体的に疲労しきっている場合、「ここからサイクルジャージに着替えて、苦しいトレーニングを開始する」という行動の心理的ハードルは極めて高くなります。少なくとも筆者はあまり気が進みません。

「今日は仕事で疲れたから休もう」と一度でも妥協してしまうと、それが癖になり、結果的に週間、月間のトレーニング頻度が大きく落ち込んでしまうリスクを常に抱えることになります。

交感神経が優位になり、寝つきが悪くなるリスク

夜間に激しい運動を行うことで生じる、身体の回復への悪影響もあります。

心拍数を高く引き上げる運動を行うと、自律神経のうち身体を活動状態にする「交感神経」が強く刺激されます。

交感神経が優位な状態、つまり身体が興奮状態にあると、本来であれば休息に向かうべき時間帯にもかかわらず、脳と身体が覚醒してしまいます。

結果として、就寝時の寝つきが悪くなったり、睡眠の質が著しく低下したりする問題が生じます。

質の高い睡眠は、トレーニングによって傷ついた筋肉の修復や、疲労を取り除くために最も重要な要素です。

夜練によって質の高いトレーニングができたとしても、その後の睡眠が阻害されてしまっては本末転倒となってしまいます。

この影響を最小限に抑えるためには、就寝の2〜3時間前にはトレーニングを終えておく必要がありますが、残業後にそれを行うのは時間的な制約が非常に厳しくなります。

屋外での夜間走行は事故のリスクが高まる

夜練をローラー台ではなく屋外の実走で行う場合、最も懸念されるのが安全性の問題です。

夜間は日中に比べて視界が悪くなるため、路面に落ちている落下物、段差、アスファルトのひび割れなどを発見するタイミングが遅れます。

また、自動車のドライバーからの視認性も著しく低下します。高性能なライト、反射材を使用したウェアを装備しても、日中の視認性には遠く及びません。

暗闇の中でスピードの速いロードバイクの存在を正確に把握してもらうのは難しく、事故の危険性が増します。

事故のリスクという観点において、夜間の実走は非常に危険が伴う環境であることは事実で、慎重な走行が求められます。

おわりに

ロードバイクのトレーニング時間として、朝練と夜練のどちらが良いかについてメリデメを挙げて考えてみました。

仕事のスケジュールが安定しており、夜にしっかりと時間を確保でき、なおかつ睡眠への影響が少ない体質の方であれば、高いパフォーマンスを発揮しやすい夜練もよいとは思います。

一方で、筆者含め、多忙な社会人が確実に練習を積み重ね、ベースとなる体力を養っていくためには、外的要因に予定を阻害されない朝練が無難であるとも思います。

自身の生活習慣、仕事の性質、そして住環境などを総合的に考えて、無理なく継続できるトレーニングのリズムを見つけることが、充実したサイクルライフと、目標達成に資するものと考えます。

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