「継続は力なり」という言葉があります。しかし、その「継続」こそが、何よりも困難であることを、私たちは痛いほど知っているのではないでしょうか。
筆者はここ5年以上、体調不良や不可抗力的な事情を除き、ほぼ毎日自転車のトレーニングを続けています。
周囲からは「意志が強いからですね」と言われることが多くあります。しかし、筆者としては、意志に多くを頼っているとは思っていません。
継続できている理由は実に単純で、生活のシステムを「朝」に集約し、そこに「調整弁」と「妥協」を組み込んでいるからに他なりません。
今回は、筆者のモーニングルーチン、そして継続するための思考法について記載したいと思います。
5年間の継続を支える、筆者のモーニングルーチン全容
まずは、筆者の平日の典型的なタイムスケジュールをご覧ください。
- 5:50:起床、朝食準備
- 6:00〜6:20:朝食、お弁当の準備
- 6:20〜6:40:シェービング、歯磨き等の身支度
- 6:40〜6:50:コーヒーブレイク(※調整弁)
- 6:50〜7:00:練習準備(着替え、機材セットアップ)
- 7:00〜7:40:Zwiftでの朝練
- 7:40〜7:50:シャワー、出勤準備
- 7:50〜8:30:出勤
- 9:00:始業
なお、季節によって始業時間を変更したりしている場合があり、上記は現在のルーティンです。かつては4時20分起きで朝練をしていたときもありましたが、残業が増えると流石に難しいため、現在はこのようなルーティンになっています。
「調整弁」としてのコーヒーブレイク
このルーチンにおける最大の肝は、6時40分からの10分間、「コーヒーブレイク」にあります。
朝の忙しい時間帯に、優雅にコーヒーを飲む時間など無駄ではないか、と思われるかもしれません。
ですが、この時間は単なる休息ではありません。システム全体を崩壊させないためのバッファとしての役割を持たせています。
寝坊というリスクを許容する
人間である以上、寝坊のリスクをゼロにすることはできません。目覚ましを止めてしまい、予定より10分遅れて起きてしまうこともあるでしょう。
もし、ギリギリのスケジュールを組んでいた場合、このたった10分の遅れが致命傷となります。「もう間に合わないから、今日の練習は中止だ」という思考に陥り、それが一度起きると「なし崩し」的に習慣が途絶えてしまいかねません。
しかし、筆者にはこの「コーヒーブレイク」があります。
仮に寝坊した場合、このコーヒータイムを削れば良いこととなります。ひと息つける時間は失われますが、「トレーニングをする」という最重要タスクは死守できます。
この10分間は、精神的なゆとりをもたらすと同時に、不測の事態に対する保険として用意しているものといえます。
「8割できればOK」という心持ち
筆者が5年間継続できている最大の理由は、逆説的ですが「100点を目指さないこと」にあります。
完璧主義は継続の敵
真面目な人ほど、完璧なルーチンを遂行しようとする傾向にあるものと思っています。
毎日全力でペダルを回し、栄養管理を徹底し、睡眠時間を確保しようとするでしょう。
ですが、生活していれば残業で帰宅が遅くなる日もあれば、何となく体が重い日もあります。
そんな時に「決めたことができなかった」と自分を責めてはいけません。自己嫌悪こそが、モチベーションを最も削ぐ要因だからです。
筆者は常に「できることの10割ではなく、8割できれば御の字」という精神で朝を迎えています。
例えば、Zwiftのワークアウト完遂が難しそうなら、強度を下げて流すだけでも構いません。時間がなければ20分だけでも良いのです。極端な話、「ウェアに着替えてまたがっただけで合格」とする日さえあります。
重要なのは、高強度のトレーニングをすることではなく、「自転車に乗る」という行為を生活から切り離さないことです。「ゼロにしない」ことが大事だと考えています。
なぜ「朝」でなければならないのか
筆者が夜ではなく、朝の時間帯に執着するのには明確な理由があります。
外的要因に左右されにくい
夜の時間は不確定要素が多すぎます。急な残業、家族からの頼み事、あるいは単に日中の疲れでやる気が出ないこともあるでしょう。
対して、朝5時50分から8時の間に、急な仕事が入ることはまずありません。
電話も鳴りませんし、家族もまだ活動前か、それぞれの準備で忙しいはずです。朝は、誰にも邪魔されずに自分自身のためだけに使える唯一の時間だといえます。
Zwiftというツールの効率性
筆者の朝練は、主としては実走ではなくZwift(バーチャルサイクリング)で行っています。これも朝の時間を最大化するための選択です。
実走では、信号待ちや天候、パンクのリスクなど、コントロールできない要素が多々あります。7時からの40分間を純粋にトレーニング強度に充てたい場合、信号のない仮想空間は最強の環境と言えるでしょう。

朝の時間は有効活用を
朝のトレーニングを終え、シャワーを浴びる時、筆者はすでに「その日のタスク」を終えた状態にあります。仕事は行けばなんとかなるので、あとは仕事に行くだけです。
もし、「時間がない」ことを理由に何かを諦めているのなら、まずは朝の30分から、生活を再構築してみるのがよろしいかと思います。
その際、くれぐれも完璧を目指さないことが肝要です。寝坊した時などのための「調整弁」を用意し、「今日も8割できたからよし」と自分を許しながら進むことが大事だと考えています。



