業務でExcelファイルを共有して使用する際、「なぜこんな作りにしたんだ……」と頭を抱えた経験はないでしょうか。
今回は、自分自分だけでなく、チーム全体の生産性を落とさないために知っておきたい「Excelで避けたほうがいい機能・使い方」をまとめました。
※あくまで筆者私見になります。
セル結合
過去の記事で触れていますが、Excelにおける「セル結合」はデータ活用の天敵です。
並べ替え(ソート)ができなくなる、コピー&ペーストが意図通りに動かない、行の削除・追加でエラーが出るなど、様々な障害を生じさせてしまいます。
見た目を整えるためだけに結合を使っている場合は、「選択範囲内で中央」などの書式設定で代用するか、そもそも結合しないレイアウトを検討するとよろしいでしょう。
非表示コメント(メモ)の使用
セルに赤い三角マークがつく「コメント(メモ)」機能。ちょっとした補足を残すのに便利そうに見えますが、重要なデータをここに記載するのは避けるべきです。
まずは、見た目の汚さ。行や列の追加・削除を行った際にコメントの位置がずれたり、フィルターをかけた際に表示が崩れてしまったりすることが多々あります。
また、印刷時に設定を変えないと出力されないケースもあり、情報の伝達漏れリスクもあります。
補足が必要な場合は、表の右端等に「備考」列を設けて、そこにテキストとして直接入力する方がよいでしょう。
1セル1データの原則を守っていない
データベースとしてのExcel活用の基本中の基本ですが、1つのセルには1つの情報のみを入れるべきだと言えます。
例えば「東京都港区」のように都道府県と市区町村を一つのセルに入れたり、「氏名(フリガナ)」のように括弧書きで同居させたりするのは極力避けるべきです。
また、Alt+Enterでセル内改行をして複数の項目を無理やり詰め込むのも、集計の手間を激増させます。
差し込み印刷等の理由で結合したい場合は、別途列を設けて文字結合(セル番地同士を&で繋ぐ)すればよいです。
「後々データとして扱うときに困ることはないか?」という視点でデータベースを扱うことを心がけるようにしましょう。
同じデータを1ファイル中の複数箇所に入力させる
シートAの表題部分に「2026年1月」と入力させている一方で、シートBの表題部分にも同じ年月を手入力させるようなケースは、避けるべきだと言えます。
同じ意味を持つデータが複数箇所に点在し、かつ連動していない状態は、データの整合性を保つために多大な労力を要することとなってしまう可能性があります。
入力箇所は一箇所に決め、他の場所は =A1 のようにセル参照で表示させる仕組みにするとよいでしょう。
表中一部のセルのみ関数ではなく手入力されている
計算式が入っているはずの列(例えば「合計」列)の中に、ポツンと手入力された数値が紛れ込んでいる状態です。
「ここだけ例外だから」といって上書きしてしまうと、後から見た人がそれに気づくのは不可能です。行を追加したり並べ替えたりした際に、その「例外」が別の行に適用されてしまい、計算結果が狂う原因になります。
例外処理が必要な場合は、計算式の中にIF関数などでロジックを組み込むか、別の「調整額」列などを作って対応するのがよいといえるでしょう。
数値の表中一部のセルのみ単位が入力されていたり、全角になっている
金額や数量の列において、下記のような入力が混在していませんか?
- 1000(半角数値)
- 1000(全角数値)
- 1,000円(単位付き文字列)
- なし(文字)
これらが混在すると、SUM関数などで集計ができずエラーになったり、意図しない計算結果になったりします。Excelにとって「1,000円」は数値ではなく「文字」です。
数値を扱う表の場合、セルに入力するのは「純粋な半角数値」のみに徹底するのがセオリーだと言えます。
「円」や「個」などの単位を表示させたい場合は、セルの書式設定(表示形式)を使用したり、文字結合を使う等の方法がベストです。
見た目だけを変え、データとしての数値を保つことが鉄則です。
さいごに
自分ひとりで完結するメモ書きならばともかく、業務データとして残すExcelでは、これらの使い方は負の遺産になりかねません。
少しの意識でデータの堅牢性は劇的に向上します。よろしければ、ぜひ参考にしてみてください。



