はじめに・筆者とZWIFT
筆者の練習への姿勢
月いちで上げている練習ログのとおりですが、筆者は、練習においてZWIFTをかなりの高頻度で活用しています。
社会人をやりながら限られた時間でパフォーマンスを向上させようと考えると、「練習場所までの移動」が生じてしまう実走よりもローラーのほうが時間効率がよいことがその理由です。
ZWIFTばかりやっていると実走との感覚のズレが生じていくのは事実であり、交通安全に関する”勘”のようなものが実走をしないと鈍っていくのが怖いのである程度の頻度で実走してはいますが、練習のメインはZWIFT、というのが近年のあり方になっています。

屋外ローラー族になるまで
そんな筆者ですが、ローラーは基本的に外で回していました。
※別記事で紹介しているスピンバイク(メリック)はあり、そちらは非常に静音で無振動と言っていいレベルの振動のなさのため室内で深夜早朝構わず使っているのですが、ロードとポジションが違いすぎるため、時間が取れる際は極力ダイレクトドライブのローラーを使うようにしていました。
筆者が使用しているエリート・ヴォラーノはダイレクトドライブが出始めた頃の製品で、当時のインプレッション記事などを見ると静音、低振動と書かれているものが複数見受けられるのですが、筆者の忌憚のない感想としては”うるさい”でした。

もう少し正確に言うと、音は比較的静かなのですが、振動がかなり大きいという印象にあります。
200wくらいまではいいのですが、筆者(60kg超)の場合常用域が300w前後になり、その域だと最早地震か?という振動が発生します。
エリート・ヴォラーノを購入したのは石巻に在住していた5年ほど前で、そのときは入居者が少ない寮に居住していたのをいいことに好き勝手使っていました。
しかし、仙台の1Kアパートに引っ越してきて朝5時に開始した5分後、隣室から壁ドンされてしまい、以降屋外ローラー族になりました。
ローラーできるように鉄筋コンクリート造のアパートで、1階の部屋を選んだうえ、鉄筋コンクリートを足の下においてミノウラの防振ゴムを置いたうえで回していましたが、隣室のくしゃみの音が聞こえる築40年超の壁の薄いアパートでは騒音の問題から難しかったようです。
結婚してマンションに引っ越してからも1年半ほど屋外で回していたのですが、色々とあって今後さらに忙しくなりそうで、限られた時間をより効率的に使わなければならないという観点から、室内でローラーを回せるように環境整備を図ることにしました。
環境整備の結果
結論からですが、これが完成形です。

防振への取り組み
上記のとおり、振動対策が甘いローラーを使用しているため、防振にいちばん気を使いました。

最下層:ヨガマット
まず、汗がたたみに滴り落ちてしまうのを防ぐ目的を兼ねて、厚さ15mmの分厚いヨガマットを用意。
2層目:コンクリートブロック
その上に、以前から所有していたコンクリートブロックを、ローラーの足に合わせて3つ置いています。
コンクリートブロックを置いたうえにローラーを置いているのは、振動源の下に単に防振ゴムのような柔らかいもののみを挟むよりも、硬いものの上に防振ゴムを置いたうえでローラーを置くほうが、床面に振動を伝えにくい…と複数の個人ブログで読んだためです。
なお、後述の東京防音のゴムやブルカットも、同じような思想で作られている製品だといえます。
3層目:東京防音のゴムマット+グロータック ブルカット3
コンクリートブロックの上に、「東京防音株式会社」の高性能防振ゴムマットを置いています。ブルカットよりもひと回り大きいゴムマットで、天然ゴムの間に鉄板が挟まっています。
なお、東京防音株式会社は、「防音一筋45年」を謳う会社です。防音シートや洗濯機用の防振ゴムなど、様々な防音・防振製品を販売しています。ピアノ演奏者の方に向けた製品などもあるようです。
後述のとおりブルカットとの合せ技で使っているため、「この製品単体で」どれほど振動が削減されているかはなんとも言い難い面がありますが、機会があれば他の製品も試してみたいところです。
そして、東京防音のゴムマットのうえに、定評あるブルカット3を設置。
東京防音のゴム同様、ゴムのうえに鉄板が入っており、硬柔の2層を兼ね備えた防振ゴムとなっています。
ブルカットの解説は他の方が沢山してくださっていると思われるので割愛しますが、開発経緯のブログがグロータックのHPに上がっていたので参考に。
よく考えて、試行錯誤の末にできた製品なのだなということがわかります。
ちなみに、公式Twitterによると、手作業で作っている模様。
2個で3,000円か…と当初は思っていましたが、この開発経緯と製造の手間、そして(上記の東京防音との合せ技で使用しているため、ブルカット単体での効果はわかりませんが)結果的に振動を大きく削減できたことを考えれば、価格には納得できました。
なお、ブルカットの説明書きに書いてあるとおりですが、エリート・ヴォラーノのような、脚が2本で負荷装置を直置きするタイプのローラーは、本来【ブルカット使用不可】です。
代替製品がない&ネットで検索する限りヴォラーノとブルカットを組み合わせて使用している例が散見されたため購入に踏み切りましたが、恐らくこういう事態を想定して使用不可にしているのだろうなというのがよく感じられるほどの頻度でブルカット落車します。よって、真似される際は自己責任で。筆者の対策については後述のとおりです。
4層目:厚さ9mmの木の板(カットベニヤ)
当初はこの4層目がなかったのですが、試し乗りしたところ、ローラー台の足がブルカットから落ちて落車するケースが頻発したので、追加で木の板を入れました。
ブルカットの点のうえにローラーの足を載せるからずれるのであって、ブルカットのうえに面を載せてそのうえでローラーを載せれば大丈夫なのでは?という考えに基づく導入です。
木の板は近くのホームセンターで、90cm×90cm、厚さ9mmのものを調達。
ローラーの脚の長さギリギリのものを買うと結局木の板から落ちることでの落車が発生しそうだなと感じられたため、思い切って大きめな板を買ってきました。
結果は効果ありで、シッティングで走っている限りにおいてはブルカットを原因とした落車は発生しなくなりました。
なお、2個セットで売っているブルカットが1つ余っているため、木の板の上、ローラーの負荷装置の下にひとつ挟んでいます。

ダンシングをするとこの部分が落ちてしまうため、ダンシングはできません(いちど試行したところ、木の板が跳ね上がって落車…)が、シッティングならば安心して乗れるようになりました。
副次的な効果として、見た目は綺麗になったかなと思います。
トレーニングマットにコンクリートブロックを3つどんどんと置いたうえでに防振ゴムを載せた無骨な見た目に比べれば、木という天然素材のうえにローラーが載っている今の状態は、美しい見た目になっているのではないかと感じるところです。
防振の結果
「コンクリートブロックのみ」で試行した際は、直接つながっていない部屋にいた妻からNG出しをされましたが、上記の対策を取ったうえだと、300w以上で一定時間を踏んだりしても「振動は全く感じない」という意見になりました。
これほどやれば、ダイレクトドライブタイプのローラーであれば、振動は気にしなくてよいものと思われます。
騒音への取り組み
ベルトのキュルキュル音への対処
騒音に対しては、まず、ベルトがキュルキュル鳴いていたのでクレのシリコングリスを塗って整備。
カワシマサイクルサプライのHPを見るとヴォラーノが異音を発した場合は絶対に手を加えないよう記載されていましたが、もう5年使ったローラーなので、最悪壊れたら買い替えようかというくらいの心持ちで、人柱になるつもりで塗ってみました。
結果としてはとても静かになりました。
ベルトのキュルキュル音に対してグリスを塗って音鳴きを止めても一過的な対策にしかならないようではありますが、取り敢えず静かにすることはできました。
なお、公式には上記のとおり、手を加えないようにと書いてあります。責任は取れませんので、実施される際は自己責任にて。
チェーンへの対処
チェーンオイルに、ヴィプロスの「MUON」を導入しました。

金属と金属が噛み合っているのは変わらないため「無音」とまでは流石にいきませんが、一定程度静音になったようには感じられます。
騒音対策の結果
窓などすべて締め切った状態で300w超で一定時間回してみたところ、妻いわく「隣室でお昼寝はしたくないけど、深夜早朝でなければ大丈夫ではないか」という程度の音に収めることが可能となりました。
自分で回しているとものすごい爆音に聞こえる(スマホで再生しているズイフトのBGMは最大音量でないとあまり聞こえないくらい)のですが、ドアなど一枚挟まるとあまり気にならない程度の音にできるようです。
「同じ部屋で電子レンジを使うよりは静かな程度」とのことで、その程度であれば確かに深夜や早朝でなければ大丈夫でしょう。
ヴォラーノは流石に古いローラーなので、今の新しい製品よりは少々賑やかなのではないか?とも思われます。今の新しいローラーであれば、この点ももう少し静かなのかもしれません。
さいごに
時間のない社会人レーサーの皆さんにとって、ZWIFTは生命線となっている方も多いものと思います。
しかし、一方で、大多数を占めるであろう集合住宅にお住まいの方の場合、隣室や階下への騒音や振動を考慮すると、果たして本気で踏んで大丈夫なのだろうか…と感じてしまう方も多いのではないでしょうか。
筆者の対策は一例ですが、そのようにお悩みの方への指針になれば幸いです。



