目次
ロードバイクでヒルクライムする上でのハンドル幅②そもそも「適切な幅」とは
ロードバイクでヒルクライムする上でのハンドル幅③(筆者としては)ダンシングは「広め」のほうがしやすい
ロードバイクでヒルクライムする上でのハンドル幅④シッティングと広めなハンドル幅
ロードバイクでヒルクライムする上でのハンドル幅⑤現在の筆者の考えの総括
ロードバイクでヒルクライムする上でのハンドル幅①はじめに
ハンドル幅、拘っていますか?
ロードバイクに乗り始めてしばらくすると、自分のロードバイクの良い面悪い面が見えてくるかと思います。そのなかで、ハンドル幅を変えることを思いつく方も多いでしょう。
一方で、純正で付いてきたハンドル幅が適切であったりする場合は、そのまま使い続けていくような場合も多いのではないかと思います。
筆者はかなり気にする方で、380mm〜440mmまで使ったことがあります。
現在、ヒルクライムで使っている自転車には、芯芯440mm(程度、DEDAなので表記は外々ですが、本ページではDEDAの表記-20mmを芯芯とみなし表記します)のハンドルを使っていますが、ここに至るまでに何本ものハンドルを使用してきました。
半分笑い話ですが、DEDA DEEPとシャローだけで、400mm、420mm、そして現在使用している440mmが揃っています。
他に、DEDA GRAVELの440mm(下ハンドルが460mmのフレア形状)なんかもデッドストックとして持っていたりします。
この記事では、そんな筆者がヒルクライムにおけるハンドル幅のチョイスについて解説します。
ロードバイクでヒルクライムする上でのハンドル幅②そもそも「適切な幅」とは
肩幅で選ぶ
一般的に、ハンドルは肩幅で選ぶと言われることが多いです。
ハンドル距離、高さが適切なセッティングであるという前提のもと、ヒルクライムに限らずオールラウンドに走ることを考えればこのチョイスで良いと筆者も考えており、実際に持っている自転車の一台は今でもこの基準で選んだ(幅400mmの)ハンドルを使用しています。
ハンドルの高さ、遠さ
ただ、「その幅のハンドルを使ったとき、快適に乗れるか」という話になると、そう簡単な話ではなくなります。
例えば、そのハンドル幅が肩幅であっても、ヒルクライムを想定してハンドルを比較的高くセットしている場合だと、アップライト過ぎるポジションになってしまう場合があります。
ハンドルを高くセットしたい場合であれば、あえて広めのハンドルを選んだほうが適切な前傾姿勢を取りやすいこともあります。
逆にハンドル幅が肩幅より狭い場合、前述の通り幅が広いハンドルより姿勢は起き上がります。しかし、ハンドルの位置をその分低くすれば、適切な前傾姿勢を取ることが出来ます。近年は機材のエアロ化に伴い、このようなセッティングがトレンドだと感じるところです。
また、ハンドルの高さの他、ハンドルまでの距離も同様に、前傾姿勢の深さに影響します。さらに、後述しますが、ダンシングのしやすさの観点も絡みます。
このような幾つかの要素が絡み合って「適切なハンドル幅」が決まることから、杓子定規に肩幅のハンドルを選べば必ずしもそれで良いというわけではないことが分かるかと思います。
走り方に応じたハンドルの高さ、距離があって、それらとの兼ね合いでハンドル幅を選ぶ必要があるといえます。
ロードバイクでヒルクライムする上でのハンドル幅③(筆者としては)ダンシングは「広め」のほうがしやすい
冒頭に記載のとおり、筆者は狭いものでは380mm、広い方では440mmまで一通りのハンドルを使ってきています。
現在は440mmを使用していますが、一番長く使ってきたのは(そして、肩幅基準で選んだときに適切なのは)400mmです。
これらの中で、明らかにヒルクライムでダンシングしやすいのは440mmです。
具体に心拍いくつで何wでダンシングしたときに何秒長く維持できる、とまで測っているわけではないですが、厳密に図らずとも分かる程度の大きな差があります。
恐らくこれは、ハンドル幅が広いほどダンシングの際に重心を無理なく前に動かせる距離が大きくなることによるものだと思われます。
筆者の場合、幅の狭いハンドルでは重心が後ろに残ってしまい、体重を完全にペダルに乗せることが難しい(重心を前に持っていくこと自体は出来ても、そうすると腕が詰まってしまい、上体への負荷が大きくなってしまう)です。
これに対し、幅の広いハンドルは腕を中心とする上体に過度な負荷をかけることなく重心をぐっと前に持っていくことができるため、体重を効率よくペダルに乗せることができます。
ロードバイクでヒルクライムする上でのハンドル幅④シッティングと広めなハンドル幅
ハンドル幅が広くなると、レバーまでの距離は幅の狭いハンドルを使っている時よりも遠くなります。
このため、元のハンドルの高さが低い場合、適宜ハンドルの高さを変更するか、ステムを変えるかのどちらかの手段でレバーまでの距離を調整したほうが良い場合もあります。
ただ、ヒルクライムであればシッティングでは上ハンドルを中心に持って走るのも十分に選択肢としてアリです。
ステムの長さを変える等の方法を取った結果としてレバーの距離が近くなってしまうとダンシングの際に重心が後ろに残りがちなのも事実です。
これを避けるため、ダンシングのしやすさに重点をおいて、レバーの遠さは(ブレーキの操作などに問題ない範囲で)甘受して基本的に上ハンドルを持ってヒルクライムする、というのも選択肢としては有り得ると考えています。
ロードバイクでヒルクライムする上でのハンドル幅について⑤現状の筆者の考え方の総括
あくまで現時点での考え方ではありますが、総括して言えば、ハンドル幅は「広く」、かつハンドルまでの距離は「遠く」、ハンドルの高さは「高く」するのが一番登りやすいのではないかと考えています。
最後に書くのもなんですが、思想の面でバックボーンになっているのは、前述したようなセッティングを取っていたランス・アームストロングのヒルクライムです。
Means the world to be riding in Mallorca with @JanUllrich5 and getting my ass kicked on the bike by him. Who says great rivals can’t be friends?!
— Lance Armstrong (@lancearmstrong) 2021年9月26日
📷: @LizKreutz pic.twitter.com/viSKacTWJQ
ハンドル幅を広く、かつハンドルまでの距離を遠くするのはダンシングのしやすさに重点をおいたセッティングです。
重心を勾配に合わせて適切な場所まで、上体に極力無理をかけずに前に持っていくのがダンシングの肝だと思っているためこのようなセッティングになります。
しかし、これに加えてハンドルを低くしてしまうと、シッティングでは大変辛いポジションになってしまいます。
ダンシングは勿論できるポジションであるのが良いですが、あくまでメインはシッティングです。帳尻合わせとして、ハンドルは高めにセッティングするのが一番登りやすいと考えています。
ハンドルを高くすると適切な前傾を取れないのではないかと思われそうですが、距離とハンドル幅を大きく取る(上に、突き出しの大きいハンドルを選ぶ)ことでヒルクライムでは十分な前傾を確保できます。
平地を高速巡航するならまた別なポジションがあると思いますが、ヒルクライムではこのようなセッティングがベストなのではないかと考えています。