"GRIMPEUR"

…グランペール…

フィジークのサドル「アリオネ」のインプレ。

フィジークサドルアリオネ」は、プロからアマチュアまで幅広い支持を集める定番のサドルです。このアリオネを使ってみたので、インプレします。

目次

はじめに:フィジークとは

フィジークのサドル「アリオネ」①見た目・重量・お値段

フィジークのサドル「アリオネ」②使用感

フィジークのサドル「アリオネ」③アリオネが合う人とは

 

はじめに:フィジークとは

フィジークは、セラロイヤル社というイタリアの自転車用品メーカーの、ハイクラス製品のブランド名です。

今回紹介する「アリオネ」をはじめとするサドルの他、バーテープ、シューズなども販売しています。筆者としてはバーテープが好きで、同社の白いバーテープは汚れにくいため重宝しています。



フィジークの製品は、プロ選手にも幅広く愛用されています。先日のTDFの機材をみれば、ユンボ、AG2R、モビスター、そしてイネオスが使用しています。

TDFの機材を改めて見ると、概ね、セライタリア、プロロゴと勢力を3分するようなイメージです。

 

そんなフィジークのサドルですが、ロングノーズのサドルは「アリオネ」「アンタレス」「アリアンテ」の3種に大別されます。

フィジークの「スパインコンセプト」を参照すると、

・脊椎の柔軟性が高く骨盤を立てた状態で乗るライダーに向くのが「アリオネ」

・脊椎の柔軟性が通常で骨盤をあまり倒さないで乗る人に向くのが「アンタレス」

・脊椎の柔軟性が低く骨盤を倒して乗る人に向くのが「アリアンテ」

とされています。

すなわち、今回紹介する「アリオネ」は、脊椎の柔軟性が高い人に向けたサドルということになります。

筆者は前屈で足の指を掴めるくらいの柔軟性はあるので、スパインコンセプトの上ではアリオネを使える条件を満たしていそうです。さて、実際の使用感はどうでしょうか…。

 

▲目次に戻る

フィジークのサドル「アリオネ」①見た目・重量・お値段

アリオネの見た目には、初見で衝撃を受けました。さながら飛行機のような、ヌメッとしたフォルム。近未来的な感を覚えるシルエットで、これがサドルかと驚きました。



筆者のアリオネは、中古で購入したスーパーシックスエボ Hi-Modに付属してきたもので、グレードはR3です。

このため実際にサドル単体で購入したわけではないですが、定価だと22,000円のようです。

また、1グレード上がってカーボンレールになったR1(ハイエンド)だと、定価29,000円になります。

重量は、レギュラー幅だと200g、ラージだと210gです。

なお、R1だと165g(レギュラー幅)、175g(ラージ)となります。

 

▲目次に戻る

フィジークのサドル「アリオネ」②使用感

先ず、クッション性は確保されているものの、比較的硬いサドルだと言えます。

硬いというのは着座した時の感覚そのものが硬いと言うよりかは、ペダリングに対するサドルの動きが少ないということです。

筆者としては、サドルは、ガイドプレートだと考えています。

すなわち、当たり前と言えば当たり前の事ですが、着座してペダリングを行う際の支点となり、ペダリングがスムーズに行われるようアシストする役割を持つのがサドルであるということです。そして、ガイドプレートの役割を好く果たすのが、良いサドルだと思っています。

SP-01 BOOST(筆者愛用、他記事で紹介)のように積極的に座面をペダリングに合わせてうねらせることでペダリングをサポートするサドルもあるのは事実ですが、それでも支点が必要以上に動くとペダリングにロスが生じてくるものと思います。

一般にあまりクッション性ばかりに振ったサドルが好まれない傾向にあるのは、そのような所以です。

そういう観点から、アリオネはガイドプレートとしてこの上なくしっかりと、ペダリングをガイドしてくれます。



クッション性も悪い訳ではなく、少し前下がりにセットして座面後方に着座すれば、お尻も会陰部もそうそう痛くなるものではありません

 

ただ、筆者としては平坦ではよいものの登りではもう少し前に着座したいという感が強く、その着座位置ではまともに乗れませんでした。

普段ISM PN3.0サドルで着座している位置に着座すると、ほぼノーズの上に着座する状態になります。

この状態では、会陰部への負荷が大きく、乗れたものではありませんでした。

 

結論として、シートクランプより前を支点にして常時着座するような乗り方をするのであれば、別の選択があると思います。

社稷を絶やす覚悟で会陰部を潰しながら走るのであれば使えないことは無いと思いますが、筆者としてはちょっとそこまでの覚悟はありませんでした。

ただ、アリオネを使っていてもゲラントトーマスのようにものすごく前乗りしている選手がいるのも事実なので、筆者が見えていない使い方があるのかもしれないことは注記しておきます。

何度も写真や映像を見たりそれを元に自分の自転車に落とし込んで試したりしてみましたが、どうしてあの位置に着座できるのかさっぱりわからずじまいで、見えていない世界がまだまだあるのだなあと思わされているところです。

 

▲目次に戻る

フィジークのサドル「アリオネ」③アリオネが合う人とは

上記の通り、強めの前乗り(シートクランプより前側に支点を置いて着座するような)であれば、別の選択肢があると思います。

しかし、シートクランプ直上より後ろ側に着座する、オーソドックスな乗り方をする方であれば、大概は使いこなせるものと思います。

座面がほぼ平らで、後方がせり上がったサドルのように着座位置を指定してこないので、強めの前乗りを除けばどのような場所に着座する方でも使いこなせるのではないでしょうか。アリオネが幅広い支持を得る理由はこのような点にあると思います。

セッティングもそれぞれでしょうが、水平から多少前下がりにするくらいが、会陰部への衝撃を逃がす観点からは良いのではないかと思います。

 

まとめると、よく言われる「迷ったらアリオネ」というのは概ね正しいものと思います。ただ、前乗りをする自覚がある方は特に、手を出す前に試してみるのがよいかと思います。

また、それまで座面が湾曲したサドルを使っていた方も、使用感は大きく変わるので、試用をおすすめします。

それでなくとも、サドルは合う合わないが大きいので、試用するに越したことはありません。

フィジークは大きなお店ではテストサドルを用意していることがあるので、先ずはそれをあたってみると良いのではないかと思います。

 

youtu.be

(君はいいサドルだったが、君の乗り手がいけないのだよ)

 

▲目次に戻る

 

TOP

©2023 GRIMPEUR All rights reserved.