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ロードバイク・クロスバイクの変速操作について。

「ビギナーの部屋」では、ロードバイクやクロスバイクに乗り始めたばかりの方がお悩みになるであろうことを、ロードバイク歴7年の筆者が解説します。

目次

はじめに:スポーツ自転車における変速操作

スポーツ自転車における変速操作方法(クロスバイク)

スポーツ自転車における変速操作方法(ロードバイク)

 

はじめに:スポーツ自転車における変速操作

ロードバイクやクロスバイクに乗り始めた方が先ず悩むのが、変速の使い方だと思います。ロードバイクであれば2×8~12の16-24速です。

段数が多くて使い方がよく分からない、という方に向けて、変速操作の基本を解説します。

 

フロント変速とリア変速

大前提として、(ほとんどの)ロードバイクやクロスバイクは、「フロント変速」「リア変速」というふたつの変速装置を持っています。

自転車のペダル側の歯車は2枚か3枚になっていると思います。この歯車間でチェーンを移動させてペダルの重さを変えるのが「フロント(前)変速」です。

後輪の車軸には、たけのこ状の歯車がついています。この歯車間でチェーンを移動させてペダルの重さを変えるのが「リア(後ろ)変速」です。

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前側の歯車での変速が「フロント変速」後側の歯車での変速が「リア変速」

 

フロント側は、大きい歯車にチェーンかかっているほどペダルを踏んだ時に後輪が回る回数が増えます(=ペダルが重くなります)

リア変速は逆に、小さい歯車にチェーンがかかっているほどペダルを踏んだ時に後輪が回る回数が増えます(=ペダルが重くなります)

つまり、前後ろとも一番外側の歯車にチェーンがかかった状態で、ペダルが一番重い状態になります。

逆に、前後ろとも一番内側の歯車にチェーンがかかった状態で、ペダルが一番軽くなります。

 

アウターとインナー、トップとロー

フロント2速の場合、外側の大きい歯車(=重い側)を「アウターギア」内側の小さい歯車(=軽い側)を「インナーギア」と呼びます。

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①アウターギア②インナーギア

リア側については、外側の小さい歯車(=重い側)を「トップ側」内側の大きい歯車(=軽い側)を「ロー側」と呼びます。

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①トップ側②ロー側

これらを組み合わせて、以下のように呼びます。

チェーンが前後とも1番外側の歯車にかかっている状態(=ペダルが一番重い状態)→「アウタートップ」

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アウタートップ

チェーンが前後とも一番内側の歯車にかかっている状態(=ペダルが一番軽い状態)→「インナーロー」

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インナーロー

・前側は外側の大きい歯車に、後ろ側は内側の大きい歯車にチェーンがかかって、チェーンが車体に対して斜めになっている状態→「アウターロー」

・前側は内側の小さい歯車に、後ろ側は外側の小さい歯車にチェーンがかかって、チェーンが車体に対して斜めになっている状態→「インナートップ」

 

なお、後者ふたつは「たすき掛け」とも言います。チェーンが車体に対して斜めに走ることが由来です。

たすき掛け状態でも走れない訳では無いですが、駆動抵抗が大きくなる上チェーンの損耗も早くなるため、極力使用を避けるのが望ましいです。

 

変速動作全般に共通するコツ

変速操作は、ペダルが下死点に来た時行うとスムースに変速できます。

下死点とは、時計でいえば6時、ペダルを一番踏み込んだところです。

また、操作したら半回転だけ、踏力を抜くイメージにすると滑らかにチェーンが移動します。

実際のところ限界ギリギリで走っている時は踏み込みながら変速する事もありますし、それでも大概は動きます。

しかし、上記2点を心がけると滑らかな変速が出来てストレスフリーに走れる上、機材も長持ちします。できるだけ心掛けてみると良いものと思います。

 

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スポーツ自転車における変速操作方法(クロスバイク)

クロスバイクの場合、シマノ製変速レバーであれば「ラピッドファイヤー」というものが搭載されていることが多いです。

これは、以下のような操作です。

右手側レバー

右手側のレバーは、奥側のレバーを奥側から手前にクリックするとリア(後ろ)の変速機が動き、後輪側の歯車にかかったチェーンが外側の歯車に移ります。

これにより、ペダルが重くなります。

 

逆に、手前側のレバーを手前から奥に押し込むと、リアの変速機が動いて後輪側の歯車にかかったチェーンが内側の歯車に移ります。

これにより、ペダルが軽くなります。

 

右手側レバーは8速以上に細かく段が分かれています。クロスバイクなら最大10速程度のものが多いでしょうか。後述の左側の変速より、1段変速した時のペダルの重さの変化は小さいです。

このため、少しだけ勾配が変わった時など、細かな重さの調整を行うために変速します。ペダルが重いなと感じたら軽く、軽いなと感じたら重い方に変速しましょう。

 

できるだけペダルの回転数を一定に保つように心がけるのが、省エネに走るコツです。ペダルの回転数は、毎分80-90回転程度に保つのが良いと言われる機会が多いです。

ケイデンスメーターという機器があればリアルタイムで測れますが、ない場合はストップウォッチ等を用いて、大体どのくらい回せば毎分80-90回転なのか、感覚を掴むと良いかと思います。

なお、速度計があれば速度からケイデンスを逆算することも可能です。

 

左手側レバー

左手側レバーは、奥側のレバーを手前にクリックするとフロント(前)の変速機が動き、外側の歯車にかかったチェーンを内側の歯車に移し替えます。

これにより、ペダルが軽くなります。

逆に、手前側のレバーを奥に押し込むと、フロント(前)の変速機が動き、内側の歯車にかかったチェーンを外側の歯車に移し替えます。

これにより、ペダルが重くなります。

左手側レバーは2段もしくは3段です。変速するとペダルの重さが大きく変わります。大体後ろの変速を2-3段一気に変速するのと同等程度の変化です。

変速するのは、坂道に差し掛かる等でペダルの重さを大きく変える必要がある時を先ず挙げられます。

また、チェーンがたすきがけ(上述)になり、後ろ側をこれ以上重く/軽く出来なくなったもののさらに重く/軽くしたい時にも変速する必要があります。

テクニックとして、後者を行う時は以下の操作を行うと、ペダルの重さが一気に変わるのを防げます。

・フロントを重くする時:リアを2-3段程度軽い方に変速する

・フロントを軽くする時:リアを2-3段程度重い方に変速する

 

なお、左手側レバーはかなり操作が重い場合もあります。思い切り押し込む、というくらいで操作してようやく動くような組み付けの場合さえあります。

レバーが壊れることを恐れて押し込みに躊躇する方が結構見られますが、自分の知る限り変速操作でレバーを折った方は知らない程度には頑丈に作られています。しっかり押し込んでみてください。

 

 

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スポーツ自転車における変速操作(ロードバイク)

※シマノ機械式についてです。シマノdi2やカンパニョーロ、スラム等については割愛します。

操作方法そのものは別として、注意すると良い点やどのようなシチュエーションで変速するか等は上のクロスバイクの項目に記載したものと共通します。併せてお目通し下さい。

 

右手側レバー

右手側のレバーは、ブレーキレバーの内側についた小さなレバーを内側にクリックするとリア(後ろ)の変速機が動き、後輪側の歯車にかかったチェーンが外側の歯車に移ります。

これにより、ペダルが重くなります。

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シフトアップ(重く)

 


逆に、ブレーキレバーそのものを内側に倒し込むと、リアの変速機が動いて後輪側の歯車にかかったチェーンが内側の歯車に移ります。

これにより、ペダルが軽くなります。

 

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シフトダウン(軽く)

左手側レバー

左手側レバーは、ブレーキレバーの内側についた小さなレバーを内側にクリックするとフロント(前)の変速機が動き、外側の歯車にかかったチェーンを内側の歯車に移し替えます。

これにより、ペダルが軽くなります。

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シフトダウン(軽く)

 

ブレーキレバーそのものを内側に押し込むとフロント(前)の変速機が動き、内側の歯車にかかったチェーンを外側の歯車に移し替えます。

これにより、ペダルが重くなります。

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シフトアップ(重く)

 

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