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【整備の部屋】ホローテック2クランク・BBの交換(難度:★☆☆)

「整備の部屋」では、ロードバイクやクロスバイクの整備に関わる情報を発信します。

⚠自転車は命を預ける乗り物です!少しでも不明な点、不安な点があれば、ショップ等信頼出来る人に確認してください!

目次

はじめに:クランク、BBとは

クランク、BBの交換①必要な工具

クランク、BBの交換②実作業

 

はじめに:クランク、BBとは

クランク、BBとは

クランクとは、ペダルがついているシャフトです。

BBとは、クランクの支点となっている、フレームを貫通している部品です。

 

クランク、BBの規格

BBの規格としてオーソドックスなものは所謂JIS規格です。フレームにネジが切ってあり、ネジ穴にBBを挿入します。幅が68mmか73mmで、ロードバイクなら68mmです(以下「JISスレッド」)。

しかし、BBには様々な規格があります。カーボンフレームの場合、JISスレッドよりBBをフレームに圧入するものの方が断然多いです。

また、ネジ穴挿入タイプでもJIS規格以外に、ITAと呼ばれる幅70mmの規格等もあります(以下「ITAスレッド」)。

この乱立したBBの規格に合わせて、様々なクランクが存在します。

ただ、本記事ではオーソドックスなJISスレッドBBのうち、シマノのロードバイクで採用されているホローテック2という規格のクランクとBBにかかる取り扱いを説明します。※ITAスレッドのホローテック2も多少の違いあれどほぼ同様なので、併せて説明します。

 

それ以外の規格の場合、自分で整備できるようになりたい!という強い意思がなければ、この部分の扱いは自転車屋さんにお願いするのもひとつの選択肢だと思います。

そうそう不調を多く起こす箇所でもなく、工具を揃えても外す頻度はそう多くないこと、そして乗り換えするとその工具は用済みになってしまうことから、割り切りもひとつの選択肢かと思います。

 

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クランク、BBの交換:必要な工具

クランク、BBの交換に必要な工具①アーレンキー(六角レンチ)

クランクの固定ネジを着脱するため、アーレンキー(六角レンチ)を使います。

クランク、BBの交換に必要な工具②クランクキャップ外し

TL-FC16という製品が純正です。ただ、割り箸等でも代用可能です。

クランク、BBの交換に必要な工具③BBカップ外し

TL-FC32という製品が純正となります。

少し前まではこの製品のみで着脱可能でしたが、今のBBはTL-FC24、TL-FC25という製品を追加で必要とします。

クランク、BBの交換に必要な工具④グリス

ペダルのネジ部分が固着してしまうと、取り付けはできても取り外しができなくなりかねません。固着を防ぐため、ネジをグリスアップする必要があります。

また、取り外しを頻繁に行う箇所では無いため、防水防塵を確保するためにもグリスアップが必要となります。

汎用性が高いシマノのプレミアムグリス(昔のデュラグリス)等でよろしいかと思います。

 

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クランク、BB交換②実作業

クランクを外す①クランク固定ボルトを緩める

まずは左足側のクランクに着いているクランク固定ボルトを反時計回りに回して、緩めてください。

裏表にひとつずつネジが着いているため、片側を半回転回したら反対側を半回転回ぢて、また反対側を半回転回して…といったかたちで、両側を均等に緩めるようにしましょう。

 

クランクを外す②クランクキャップを外す

続けて、左クランクの軸に着いているクランクキャップを外します。TL-FC16を噛ませて反時計回りに回してください。

 

クランクを外す③脱落防止ツメを起こす

手順①で緩めた2本のボルトの間に、脱落防止ツメが入っています。

先の細い棒などで、このツメを起こしてください。

 

クランクを外す④クランクを外す

ここまで済むと、左クランクは手で抜けるはずです。

左クランクを抜いたら、右クランクも引き抜いて外し方は完了です。

なお、右クランクが抜けにくい場合は、プラハンマーを用意して左側から軸をたたき出すようにします。勢い余ってフレームを叩かないようにご注意ください。

 

BBを外す①BBカップを緩めて引き抜く

クランクを外し終えたら、次はBBです。

TL-FC32及び、必要に応じてTL-FC24、25を使います。

JISであれば左足側が正ネジ(反時計回りで緩む)、右足側が逆ネジ(時計回りで緩む)です。

つまり、両方とも車体前側にレンチの柄が来るようにして、上から回せば緩みます。

外す時は、左から緩めると良いでしょう。

 

ITAであれば両方とも正ネジのため、右足側も反時計回りで緩みます。ITA規格のBBの場合は、間違えないようご注意ください。

なお、BBにTIGHTENと記載があり、→が隣に書いてあると思います。これは、→の方向に回すと締まる、という意味です。

よって、自分の自転車がJISかITAか分からない場合は、BBを見てTIGHTENの矢印と逆に回せば緩む、と判断すればよいです。

 

左はカップを緩めると、ポロッと外れると思います。

右はカップを緩めたら、引き抜けばOKです。

 

BBを取り付ける①BBを挿入しカップのネジを締める

BB取り付けは外し方の逆です。

右からBBを挿入し、軽く手でネジを締めます。そのうえで、左もカップを取りつけて軽くネジを締めます。

 

あとは、TL-FC32及び24、25を用いてカップのネジを締めるだけです。

JISであれば右足側は逆ネジのため反時計回りに回すと締まります。

左足は正ネジのため時計回りに回せば締まります。

つまり、車体後方にレンチの柄が来るようにして、上から回せば締まります。

 

ITAであれば左右両方とも正ネジのため、右足側も時計回りで締まります。

 

BBのネジ穴はデリケートなものです。

BBカップが斜めになったまま無理やり入れようとするとフレームに悪影響を及ぼすことも考えられますので、回していて引っ掛かりを感じたら無理に締め込むのはやめましょう。

一旦抜いて再度挿入し直すのが望ましいです。

 

クランクを取り付ける①左右クランクの挿入

まずは右クランクをBBの軸に挿入してください。入らなければプラハンマーで叩いて挿入します。

続けて、左クランクを取り付けします。

当然のことですが、左右クランクが180度方向に来るようにしましょう。

 

クランクを取り付ける②クランクキャップの取り付け

続けて、クランクキャップを取り付けます。ある程度手で回して、最後にTL-FC16を噛ませて時計回りに回しましょう。

ポイントは、締めすぎないことです。1N程度という非常に小さいトルクで問題ありません。指で回る程度から、ほんの少し増し締めすれば十分です。

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