目次
2.シャローハンドルのメリット①下ハンドルでのブレーキの楽さ
5.よく言われるシャローハンドルのデメリット②STIレバーとハンドルの間に段差が生まれる
はじめに
シャローハンドル。
昔からある、いわゆる"丸ハンドル"です。
ここ数年は、「∠」を180度回転させたような形状のアナトミックシャローが主流ですが、ひと昔遡れば、主流は上の写真のような「⊃」型の丸ハンドルでした。
プロ選手での愛用者は数多おり、あえて挙げるのも難しいですが、有名どころではマルコ=パンターニなどはシャローハンドルを使っていました。
パンターニについては、キャリア初期はアナトミックハンドルを使っていましたが、シャロータイプに変えてから、特徴的な下ハンダンシングを多用したヒルクライムをするようになっています。
1.筆者の経験談(激坂で1枚軽くなる)
筆者は長らくシャローハンドル遣いです。
もともとエスケープR3魔改造に際して中古購入したハンドルがたまたまシャローハンドルで、"ドロップハンドルとはこういうもの"という意識がありました。
その後、1年くらいdedaのアナトミックシャローを使いましたが、どうセットを工夫しても下ハンドルの曲がりが受け付けませんでした。
なんというか、身体が浮いてしまうのです…アナトミックシャローは。
最終的にロメン=バルデのようにエンドを少し上向きにセットして、出来るだけ曲がりの部分がシャローハンドルに近くなるようにして使っていました。
しかし、それはそれでエンド付近を不用意に持つとハンドルが予期しない切れ方をして危険が大きく、だんだん嫌になったため、遂にシャローハンドルに戻しました。
シャローハンドルに戻して、一度目のライドは"高幡不動ガスト坂"でした。
22%の激坂で有名なスポットです。
家から近く、幾度となく訪れていましたが、アナトミックシャローの頃は34ー25のファイナルローでも腕の力で無理やり車体を抑えつけてなんとか登るような有様でした。
シャローハンドルに戻して1回目、34-23で然程力まず登れました。
"ギア1枚軽い"なんて大方都市伝説だと思っていましたが、実際に自分の身に起こってみて、今までアナトミックシャローで必死に登っていたのはなんだったのかと思わず笑ってしまいました。
シャローハンドルは、なんというか"身体が入る"のです。
(後述)
※筆者は遂にアナトミックシャローに馴染めませんでしたが、現状多くのプロ選手が使用していることは事実です。
筆者が気づいていないイイトコロがアナトミックシャローにもあるのかもしれないな、とは思っています。
2.シャローハンドルのメリット①下ハンドルでのブレーキの楽さ
シャローハンドルは、下ハンブレーキがいちばん握りやすい形状でもあります。
アナトミックシャローに比べて、手を奥まで突っ込めるため、下ハンドルからブレーキレバーまでの距離が近いです。
手の小さい女性に、コンパクトハンドルを勧める人がいますが、多少落差が小さくても、そもそもアナトミックシャロー形状の時点で下ハンブレーキは遠いです。
シャローハンドルのほうが下ハンドルからのブレーキは近く、握りやすいです。
下ハンドルからブレーキに手が届きにくいと感じる人は、一度シャローハンドルを使ってみると良いと思います。
3.シャローハンドルのメリット②重心移動
上記"筆者の体験"とも関わりますが、この重心移動こそがシャローハンドルを使う理由だと思います。
下ハンドルを持ってダンシングすると、重心が欲しいところまで自然と前に移動します。(= "身体が入る"感覚)
ヒルクライムでの下ハンダンシングは邪道と言われますが、シャローハンドルを高めにセットしてみると、パンターニがこの"邪道"を多用した理由はよく分かります。
重心をスムースに前方へ移動することは、ヒルクライムではマストです。
4.よく言われるシャローハンドルのデメリット①落差が大きい
落差が大きく、初心者やロングライダーに向かない。
そう言われます。
しかし、コラムを残してハンドルを高めにセットすれば、ブラケットは高めにセットできます。
大まかに上ハン・ブラケット・下ハンの3つ持つ場所がありますが、全て高いところにある必要性があるでしょうか。
身体を起こした状態のまま使う筋肉を変えたいなら、上ハンとブラケットの持ち替えで良いでしょう。
下ハンまで高い必要は薄いと思います。
向かい風のような条件下で低い姿勢を取れないことなど、ハンドルが高いとデメリットも多いです。
下ハンくらいは低くても良いのではないかと、個人的には思います。
また、近年では落差がコンパクトハンドル並みのシャローハンドルも登場しています。
下ハンドルも高めにしたいかたは、そうしたハンドルを使うとよいと思います。
5.よく言われるシャローハンドルのデメリット②STI レバーとハンドルに段差が生まれる
シャローハンドルも千差万別で、ブラケットを付ける部分の曲がりが急だとブラケットとハンドルに段差が生じます。
しかし、自分の使っているリッチーのネオクラシックなどは、ほぼ段差が生じませんし、上ハンドルからブラケットが下がったりもしません。
段差が嫌なら、段差が生じないハンドルを選べば大丈夫です。
最後に
なんとなくですが、現在主流のSTI レバーはかなり大きいため、ハンドルが小さいと不格好に見えがちだなと思います。
特に、フレームが太いエアロロードなどだと、ハンドルが相対的にとても小さく見えることが多いです。
シャロータイプはその点、ハンドルのシルエットが大きいため、STI レバーやフレームに対して、バランスよく見えます。
見た目だけでなく、上記のとおりメリットがたくさんあります。
ぜひ一度、使用してみてください。